セキュリティクリアランスレベル4職員公開情報
アイテム番号: SCP-1111-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-1111-JP群は現在サイト-81政府の協力の元、高度重要物保管コンテナを用いた上で政府所有の宗教施設内にて保管します。 真のSCP-1111-JP群は未だに収容されていないため、職員の混乱と士気低下を防止するためにそのレプリカをSCP-1111-JP群として保管します。偽のSCP-1111-JP群に付属している小型スクラントン現実錨の機能不全についてセキュリティクリアランスレベル3の職員から報告された場合は担当職員にAクラス記憶処理を実施した後、小型スクラントン現実錨を交換する措置を講じて下さい。"継承イベント"の発生が予見された場合、サイト-81内の要所に設置しているミリストン現実性揺らぎ感知装置を用いてSCP-1111-JP群の探索を実施してください。探索に当たっては担当職員にカバーストーリー-"現実改変性遺物探索任務"を適用し、探索物の正体について秘匿した状態を保ってください。
説明: SCP-1111-JPは3つ1組からなる宗教儀礼的物品です。それぞれ剣(以下SCP-1111-JP-1)、宝玉(SCP-1111-JP-2)、鏡(SCP-1111-JP-3)からなると考えられています。現在SCP-1111-JP群はそれぞれ別の場所に保管されています。サイト-81における宗教的制約から財団職員を含めた全ての人間が直接的な観察を禁じられているため外観の詳細は判明していません。 サイト-81政府および財団が収容しているとしているSCP-1111-JP群はいずれもレプリカであり、収容コンテナ内に仕込まれている小型スクラントン現実錨によって偽のSCP-1111-JP群の個体及びその周囲はSCP-1111-JP-Aの個体ヒューム値と同じヒューム値を維持するように調整されています。SCP-1111-JP群は周囲のヒューム値を調整し、サイト-81内の急激な現実改変を妨げる特性を有しています。SCP-1111-JP群は蒐集院による調査記録から、以下の効果を与えられていることが判明しています。1
剣(SCP-1111-JP-1) | 帝2は朝敵を生まれる前に滅殺する。 |
宝玉(SCP-1111-JP-2) | 帝は日本国を統べるだけの徳と力を持つ。 |
鏡(SCP-1111-JP-3) | 帝はその徳と力を持って日本国の魑魅魍魎を調伏する。 |
これらの記述と財団によるサイト-81内のヒューム値の解析により、具体的な影響が明らかになりました。セキュリティクリアランスレベル3以下の職員に公開された情報が当解析結果となります。但し、SCP-1111-JP群の現実改変的な効果はヒューム値1.10程度に限定されるため、あまりに高い個体ヒューム値を持つ存在に対しては効果がありません。そのため、古来存在した朝敵とされる人物は非常に高いヒューム値を保持していたと考えられます。
真のSCP-1111-JP群が散逸した経緯としては、14██年に蒐集院がSCP-1111-JP群の確保を実施しようとした際に生じた戦乱3に伴い、SCP-1111-JP群のレプリカと取り違えられたために散逸したと考えられます。現在収容されているオブジェクトは当レプリカです。蒐集院はこの失態を隠蔽するため当レプリカをSCP-1111-JP群実体であると流布し、その事実を知る人間を上層部のみに限定する措置を取りました。真のSCP-1111-JP群による影響が未だに継続していることから、これらは財団が未だに捕捉していない宗教施設内、あるいはサイト-81領海を含む国土のどこかに現存していると考えられています。SCP-1111-JP群の損失に伴いサイト-81内の基底ヒューム値と各人間個体のヒューム値の大幅な変動が予見されます。変動イベントの発生の予測及びコントロールが20██年現在全く不可能であることから、職員の士気低下を防止するため"SCP-1111-JP群が収容されていない"という情報は可能な限り隠匿されます。
SCP-1111-JP-Aはその直系血族からサイト-81政府が定める後継者に対し、SCP-1111-JP群を模した宗教儀礼的物品を用いた"継承イベント"を行うことで効果対象を変更することが可能です。継承イベントの際、サイト-81内のヒューム値の変動を観測したため、この変動を利用したSCP-1111-JP群の探索、収容活動が1989年1月に実施されましたが失敗に終わっています。財団に吸収される以前に、蒐集院によって現行のSCP-1111-JP-Aを終了することで意図的な継承イベントを発生させ、SCP-1111-JP群の探索を行う試みが実施されたとの記録が残されています。しかし、いずれの場合もSCP-1111-JP群の効果により終了に失敗するか、終了が成功した場合においても蒐集院に対する危害が及んだために探索はいずれも失敗したと記録されています。財団に対する悪影響を回避するためにSCP-1111-JP-Aの終了計画は恒久的に停止されています。代わりにSCP-1111-JP-Aが自然死、あるいは生存中に継承イベントを実施する際は再度探索を行うためのプロジェクトが進行中です。SCP-1111-JP群がどのようにしてこの継承イベントを認識しているかは不明ですが、サイト-81内の人間の集団深層心理にアクセスすることで新しいSCP-1111-JP-Aを捕捉していると考えられます。