アイテム番号: SCP-1119
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1119はサイト-53のタイプ-M人型アノマリー収容セル(Humanoid Anomaly Containment Cell, HACC)に収容することとします。職員がSCP-1119のセルに入室する必要が生じた場合、当該職員は皮膚どうしの接触を防ぐためレベルC防護服を着用することとします。SCP-1119によって為されるすべての要求は審査を受け、標準的Euclidクラス人型実体収容プロトコルに従って許可もしくは却下されることとします。少なくとも1名のレベル3担当研究職員による明示の許可が無い限り、SCP-1119はそのセルを退去することを許されません。
説明: SCP-1119は年齢54歳の白人男性で、身長は174.3センチメートル、体重は154.6キログラムです。SCP-1119の肉体のX線スキャンと検査手術においては、いくつかの異常な所見が得られています。解析によれば、別の生物に由来する組織や臓器がSCP-1119の肉体によって吸収されています。これは双児塞栓症候群に類似していますが、この症状が子宮の外部で発生した事例はありません。
SCP-1119はその右肺の中葉内に2個の人間の眼球が接続されていることが判明しています。加えて、SCP-1119はいくつかの余剰の臓器やその他の組織を保持しており、それらには腎臓、2つの脾臓、胆嚢、2つの卵管およびおよそ3.4メートルの小腸などがあり、これらすべては腹腔内に格納されています。これらの臓器および組織はSCP-1119の肉体に小規模な血管網によって接続されており、それによって吸収された物質の委縮や壊死が防止されています。採取されたサンプルのDNA検査によれば、存在する組織は少なくとも15の別々の個人に由来するもので、男性と女性の双方を含みます。いずれのサンプルも確実な追跡調査はできませんでしたが、うち一つはSCP-1119自身のDNAとの直接的な遺伝関係を示唆する類似性を示しています。
実験により、SCP-1119との肌と肌との接触が吸収プロセスを開始させることが判明しています。接触が行われると、SCP-1119の表皮内の細胞が対象者の表皮内の細胞と結合し、吸収します。このプロセスは不可逆的であると考えられており、結合した組織の切断もしくは切除によってのみ停止が可能です。SCP-1119は吸収が起こる際に重度のストレスの兆候を呈しますが、吸収の犠牲者は吸収開始から2~5秒以内に昏睡のような状態に入ります。何がこの状態を引き起こしているのかは現在のところ不明です。1キログラムの組織を完全に吸収するためにおよそ10分の時間が必要となります。このプロセスは非有機物質に到達した場合は迂回して行われるものとみられ、そうした物体は吸収が完了した後に残留します。注目すべきことに、犠牲者の吸収が完了しても、SCP-1119の肉体の質量はそれに対応した増加を示しません。SCP-1119の肉体が吸収した組織をどのように処理しているのかは現在のところ不明です。SCP-1119は吸収された対象からいかなる特徴、記憶もしくは人格も獲得していないものとみられています。
SCP-1119は財団の研究対象として拘束されるにあたって安堵の意を表しましたが、重度の鬱病を患っています。カウンセリングと薬物(フルボキサミン50ミリグラム:24時間ごとに1度の経口投与)による治療が開始されています。SCP-1119は他人が周りにいることをひどく嫌っており、通常はいかなる形態の接触も行おうとしません。家族関係の調査により、SCP-1119の父親は19██/██/██に死亡しており、母親は20██/██/██に死亡していることが判明しています。SCP-1119は詰問された際、自分の人生は非常に保護的なものであったと言及しています。
補遺1119-A-01: 回収および予備収容に関する付記
SCP-1119は███████橋から飛び降りることによって自殺を試みた際に財団の注意を引くこととなりました。SCP-1119により明確な警告が為されたにも関わらず、ある警官が彼の手をつかみ、衆人環視の中で部分的に吸収されました。結果として為された911番通報が傍受され、収容部隊が派遣されました。すべての関係者に対してクラス-A記憶処置薬の緊急空中散布が行われ、SCP-1119は評価のためサイト-53に移送されました。現地で撮影された映像の放送は差し止められ、すべての証拠はガイドラインHm/Gd-Evt-013-E:rev2.16に従って没収および隠滅されました。
補遺1119-A-02:
SCP-1119は事案1119-I-01の後、限定的な再生能力を示している。さらなる調査が必要とされる。
- エイスリンジャー博士