アイテム番号: SCP-1123-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 流通するSCP-1123-JPについて記された文書は財団に発見され次第削除されます。また、口承的な方法で意図的にSCP-1123-JPを伝授している人物は、所属組織を調査した後にBクラス記憶処理を施されます。
説明: SCP-1123-JPは次元移動法の一種です。SCP-1123-JPを実行すると、テレビ教育番組『セサミストリート』1に登場する架空の場所である''セサミストリート''へ移動できるとされています。
SCP-1123-JPの実行方法は以下の通りです。
1. 建物の中で『セサミストリート』主題歌である『Can You Tell Me How to Get to Sesame Street?』を歌唱する。(歌・歌詞の精度は問わない)
2. 1を実行しながら建物から出て歩行する。歩行は実行1回につき20分程度続ける。
この1-2のサイクルを''セサミストリート''に移動するまで継続的に行う。
SCP-1123-JPに成功すると、実行者は瞬間的に消失します。この状態において無線通信は途絶えず、発信機はアメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタン2への移動を示します。SCP-1123-JPの成功は稀であり、財団監督下の事例では数件しか確認されていません。
実行者は30分~1時間程度で消失地点に出現します。SCP-1123-JPに成功した実行者が再度SCP-1123-JPに成功する事例は現在まで確認されていません。
発見経緯: SCP-1123-JPは世界各地で発生した瞬間消失事件において、調査対象の多くが『''セサミストリート''へ行く方法』を模索し、SCP-1123-JPを実行した痕跡の発見により見つかりました。SCP-1123-JPの情報はインターネット上の''Nostalgia Philosopheres''という組織5が運営するサイトで拡散されており、財団はサイトを閉鎖させて運営者を捕縛しました。サイト運営者はSCP-1123-JPの拡散意図について、「子ども時代へと回帰する方法を広めるのはすべての大人のためになる」と発言しています。SCP-1123-JPでは短時間で帰還してしまう事実についても把握しており、「この方法は繰り返すことが重要なのだから戻されても問題ない」としています。
補遺: SCP-1123-JP実行後に移動する''セサミストリート''は、人々の記憶の集合により生み出された形状不安定な次元にある可能性が高いです。これは実行者が体験する''セサミストリート''と番組『セサミストリート』の公式設定とに差異があることから推測されています。記憶集合による次元形成は多くの記憶が一点に揃う必要があるため難しいとされていますが、『セサミストリート』の放送規模と放送年数から算出される膨大な数の視聴者数であれば次元形成は可能になるという意見が主流です。
この推測に関連して、SCP-1123-JPの本来の効果は人の意識を『セサミストリート』に集中させるものであり、次元移動はその意識集中により引き起こされると考えられています。(SCP-1123-JP以外の方法を用いて移動することも可能であるという説も浮上しています)