SCP-1126
評価: +7+x

アイテム番号: SCP-1126

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1126はバイオサイト68に植えられます。動き、自身の根を引き抜くのを防ぐため、SCP-1126はその周りに設置した4本のコンクリート柱に鋼鉄のケーブルで固定します。週に二回、0900時に水を与えてください。職員はSCP-1126にその主張を奨励する事も、やめさせようとする事もしてはいけません。

説明: SCP-1126は高さ12mのVeitchia joannis(フィジーノヤシ)の一個体です。フィジー特有の種でありながら、SCP-1126はオハイオ州クリーブランドで発見されました。SCP-1126は動き、喋る能力があります。その個性と所作はステレオタイプな冷戦時のスパイを思わせます。SCP-1126は自分の事をT.R.O.P.I.C.という組織の特殊工作員"エージェント・パーマー"であると主張しています。前述の組織の至上命題は"気候学的な圧力を受ける熱帯植物と動物による探求、進歩、支配"です。しかし、そのような組織の存在を示す証拠は見つかっていません。財団による回収以前のSCP-1126は、首尾よく55km四方を超えるオハイオの田園地帯と市街地を見渡していました。この主張の正否はいまだ明らかではありません。

SCP-1126の幹には二本のベルトを腰でしっかりと締めた鈍色のトレンチコートが巻き付けられています。トレンチコートの袖とポケット、フラップは動かしたり開けることができると思われますが、未知の方法で幹に固定されているため、コートを完全にSCP-1126から脱がせることはできません。加えて、SCP-1126は再三CQC(近接格闘)の腕前を語り脅しをかけ、自分への身体検査が完璧ではないと示唆します。SCP-1126は腕があるかのようにトレンチコートを扱う事ができ、大抵は後ろ手に組む様な形をとります。SCP-1126はその根の塊を前後に揺らすことで前方に移動することができます。

SCP-1126は時折数日間続けて沈黙することがあります。また、与えられる水が少ない時には口数が減る傾向にあり、声もしゃがれます。SCP-1126には造語症の傾向があります。

面談ログ1126-エプシロン:

対象: SCP-1126

面談者: サム クウェンティン博士

序文: 以下の面談はSCP-1126への朝の水やりのすぐ後に行った。

<ログ開始>

クウェンティン博士: こんにちは、SCP-1126。

(SCP-1126は咳払いをすると数秒間を置いた。)

SCP-1126: 君の会計士をうれしく思うよ1、エネミー29番君。(メモ:SCP-1126はこれまでクウェンティン博士に会ったことはない。)

クウェンティン博士: 調子はいかがです?

SCP-1126: 以前も言ったが、油断は無い。この戒めを打ち破り、温帯圏の暴虐からこの身を開放されるまで、休息をとる事はないのだよ。

クウェンティン博士: 何か記録しておきたいことはありますか、SCP-1126?

SCP-1126: 今日は投獄から14日目。同志エージェント・スペイン苔とエージェント・タマムシが外で待っている。我々が話しているこの瞬間も、この重圧施設の守りの穴を見つけているだろうね。

クウェンティン博士: それで、そのエージェントもT.R.O.P.I.C.の一員なのですか?

SCP-1126: "T.R.O.P.I.C.は熱帯生命の安寧と拡散のために。" 私は最期の一息までこの言葉と共に戦う。ミッションは果たされなくてはならない。

クウェンティン博士: …では、なぜ、偵察目標にオハイオを選んだのですか?

SCP-1126: 私自身が秘密偵察地域を選んでいるのではないのだよ、エネミー29番君。私はただ引き受けただけだ。

クウェンティン博士: 諜報員の割に、あなたは命令を明け透けに喋りますね。

SCP-1126: (肩をすくめる仕草) 世界は我々のアジェンダを知らねばならんのだよ。

クウェンティン博士: よくわかりました、ありがとう。今回は以上です。(席を立ちエリアから離れようとする。)

SCP-1126: (大声で) T.R.O.P.I.C.よ永遠なれ!極地主義的体制を叩き潰せ!

<ログ終了>

結論: SCP-1126は時間の流れを正確に感じ取り、一度会った人物の特徴も正確に記憶しているようだ。

補遺: 2011-██-█から、SCP-1126は拘束を解こうと毎日0000時にその場で体を揺するようになりました。この試みは毎回ほんの数分間だけのもので収容への脅威は無いと考えられます。

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