アイテム番号: SCP-1132-RU
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: オブジェクトは、リビングルームを模した形の5x5x3mの寸法の収容室へ収容されます。部屋の一部にはキッチンを設置し、そこにはオーブン付コンロ、台所用品一式、水道管と繋がったシンクが備え付けられてなくてはなりません。オブジェクトの要求に合わせ、Verkhovtsev博士の許可を得た後、食料品、スパイス、追加の台所用品を与えることができます。
部屋の照明の明かりは、50ルクスを超えないようにしてください。
1週間に1度、対象は任意の哺乳類の肉(好ましいのは、牛肉、豚肉、もしくは子羊の肉です)を少なくとも10g摂取する必要があります。オブジェクトには、加熱処理を行っていない食料を提供すべきではありません。
SCP-1132-RUは明るい光を避けようとするため、収容違反の際はアークライトを使用することでオブジェクトを収容室内に引き返させることができます。
説明: SCP-1132-RUは、約45歳ほどにみえる中高年の白人男性です。背中の矩形領域を除けば、皮膚への色素沈着は存在しません。対象の歯は、未知の金属でできたプロテーゼで置き換えられており、鋭利で鋭くとがっています。オブジェクトは自分の出自を記憶しておらず、「シェフ」と呼ばれることを好みます。この呼び方は、対象の心的ストレスを緩和する目的のため推奨されます。
SCP-1132-RUの本名は不明です。オブジェクトは、休暇中であったエージェント█████によって、█. ████████がオーナーを務めるR███の████████というレストランで発見されました。
非活性化状態の場合、肩甲骨に位置するXXIIIという刺青を除いて、対象は通常の人間となんら変わりはありません。加熱処理のなされていない哺乳類の肉もしくはその他の組織の10g以上の摂取は、オブジェクトの背中に徐々にサイズの肥大化する小胞の発生をもたらします。測定によって、小胞(SCP-1132-1)の内部に臓器が存在し、それはオブジェクトを構成しているものと同一であることが判明しています。臓器を完全に成熟させるには█時間がかかり、その結果としてオブジェクトは筋肉と体液を失います。小胞が成熟するとSCP-1132-RUの肩甲骨は痙攣し始め、成熟したSCP-1132-1の分離を行います。新しい器官の形成と同時に、臓器が分離された後にオブジェクトによって提供される料理の名前と、「今日のメニュー」という刺青が背中に現れます。処理が完了すると、SCP-1132-RUは指定された料理の調理を開始し、必要な道具が無ければ怒り、何らかの方法で道具か代用品を入手しようと試みます。
このサイクルから1週間以内にオブジェクトが新しい動物の部位の提供を受けない場合、オブジェクトは積極的にそれらを自力で取得しようと試みます(補遺1132-1を参照のこと)。
補遺1132-1: 収容直後のSCP-1132-RUとのインタビュー記録
日付: ██.█.████
インタビュアー: Verkhovtsev博士
<記録開始>
Verkhovtsev博士: こんばんは、1132。
SCP-1132-RU: [低い声で笑って] シェフだ。私はシェフ。お前さん、ずいぶん顔色が悪いな。私は君はもっと…
Verkhovtsev博士: [咳払い] さて、このインタビューの目的は…
SCP-1132-RU: [割り込んで] アントルコートだ。そうだ、子牛からとったアントルコートだ。非常に、非常にいいものだ!
Verkhovtsev博士: あー、君がレストランに就職する前の君の人生について知りたいのだが。
SCP-1132-RU: [しかめ面で] 私の人生だと?いや、そんなもんは腐ったドブネズミのチャウダーみたいなもんだ!それをまともな料理として調理しろとでもいうのかね?
Verkhovtsev博士: 私はあなたの出自を知りたいのだが。
SCP-1132-RU: だから言っただろう!サンタマリアだ!私はかの巨匠ジャック・ピピンが若い鳩から肉を取ろうとした瞬間に生まれたのさ!ところで、お前さんが私に若い鳩を提供してくれれば、素晴らしい料理を提供して差し上げられるのだが。
Verkhovtsev博士: いや、結構だ。今は必要ないよ。聞いてくれ、1132。私は少し…
SCP-1132-RU: [動きを止め、じっとVerkhovtsev博士の耳をみつめる]
Verkhovtsev博士: どうかしたのかね?気分でも悪くなったか?
SCP-1132-RUは急にVerkhovtsev博士に飛び掛り、耳にかじりついた。インタビューは終了し、オブジェクトは収容室に戻され、[データ削除済み]は処分されました。
補遺1132-2: SCP-1132-RU実験記録
与えたもの: 牛のヒレ10g
実験の経過: "ブレトンステーキ"という銘が背中に浮かび上がった。小胞の切断後、対象は利用可能なスパイスを使い調理を実施した。
結果: アントルコートのミディアムステーキ
注: 彼がどんなに優れた料理人だとしても私はそれは食いたくないね。 —Verkhovtsev博士
与えたもの: 野菜ジュースを加えた、牛のヒレ10g
実験の経過: "ビーフストロガノフ"という銘が背中に浮かび上がり、プロセス終了後、彼は38%の料理用乳とたまねぎ(承認済み)を要求しました。
結果: クリームソースのビーフストロガノフ
注: とても興味深い。彼は豚肉を与えたら何を作るんだ? —Verkhovtsev博士
与えたもの: 10gの豚と牛の合い挽き肉
実験の経過: "ビーフステーキ、ステーキアソート"という銘が背中に出現し、小胞は2つ形成された。
結果: 牛肉と豚肉、2つのステーキが提供された。
与えたもの: 10gの牛の肝
実験の経過: "牛の肝のサラダ"という銘が現れ、小胞は切断後、収縮して牛の肝へと変身した。プルーン(承認済み)と松の実(未承認)が要求されました。料理の過程でオブジェクトは次第に気分を沈ませ、「これは良くない料理だ」と供述しました。
結果: 牛の肝と、プルーンとタマネギのサラダ
注: ちくしょう、そいつはまだ動いてたぞ! —Verkhovtsev博士
与えたもの: 実験用ラット1匹を粉砕して作った肉10g
実験の経過: "サベツとチュアブル"という銘が現れました。SCP-1132-RUは非常に気楽に料理をしていましたが、時折未確認のイタリア方言で罵倒の言葉を口にしました。
結果: アロマティックな匂いのチャウダー。皿のそこには頭部と内臓の取り除かれたラットが沈んでおり、ラットの心臓および肝臓が浮かべられていました。
注: だれがこれに彼が心臓を投入すると知っていたんだ?少なくともSCP-1132-1は提供され、彼は安定したようだが。 —Verkhovtsev博士
与えたもの: シロナガスクジラの舌10g
実験の経過: "言語繋ぎ"と銘が現れました。██時間たってもプロセスは終了せず、SCP-1132-RUは無意味な[データ削除済み]の後、不安を訴え始めました。対象は集中治療室に1週間留め置かれました。
結果: 形態学および構造的にシロナガスクジラの舌に良く似た███kgの器官。
注: 我々は人間型オブジェクトをいかに金がかかるように殺すかではなく、その収容を目的としているのです。次回から注意するように。 — O5-█
与えたもの: D-1132-1から採取されたヒトの腎組織10g
実験の経過: "腎臓の煮込み"と銘が現れました。オブジェクトに麻酔が行われた後、オブジェクトの生成した腎臓は豚のものに置き換えられました。
結果: 形成された器官が切り離された後、背中の銘が消え去りました。覚醒した後オブジェクトは激昂し、麻酔からの覚醒を促した医師を攻撃しました。影を作らないように明かりを当てることによってSCP-1132-RUは収容状態に置かれ、別の腎臓のサンプルを提供された後落ち着きを取り戻しました。DNA解析の結果、押収した腎臓は元の腎臓とDNAが一致することが判明しました。腎臓はD-1132-2に移植され、[データ削除済み]を引き起こしました。
注: ヒトを材料とした実験は、今後、O5-█の承認を受ける必要があります。
補遺1132-3: [データ削除済み]を捜索時に見つかった文書
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小さな冷蔵庫の肉片が、たちまち乗馬用の馬へ早変わり(もちろん、馬肉の場合です)。小さな牛肉を見つけたら、それから角付の牛を自由に取り出すことができます。
しかしながら、それらを持っているだけでは十分ではありませんね?それを調理しなくては。このあなたお抱えのシェフは、それをこなしてくれます!
ただ、[データ削除済み]だけは試してはいけません。警告:手洗いのみに対応しています。
今後ともよろしくお願いします。あなたのF[データ欠損]より。