SCP-1139-JP
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特別収容プロトコル: 現在プロジェクト1139-JPは順調に進行中です。担当職員は引き続きSCP-1139-JPの発生に注視して下さい。SCP-1139-JPの発生を確認した場合は対処の削除及び関係者への記憶処理を行い、カバーストーリー「SCP-1139-JP-αを使用した作品」を流布して下さい。

説明: SCP-1139-JPはインターネット上にアップロードされた動画、音源データに発生する異常現象です。肉声が録音された動画、音源データがアップロードされた際、声質が録音時とは全く別の人物の物に変化します(変化したデータを以下"対象")。この現象は何らかの歌唱を録音したデータに発生しており、データが対象となる条件は判明していません。

対象を視聴した人物(以降"曝露者")は対象を"██ ██が歌った曲である"と認識します。しかし██ ██という人物及び██ ██という名義を使用している人物は存在しません。また対象に付属するテキスト類に██ ██の記載は無く、対象が何らかの情報障害となっている可能性があります。

改変された音声を分析した結果、全て同一の人物(以降SCP-1139-JP-A)の音声である事が判明しています。██ ██はSCP-1139-JP-Aを指す名称であると思われます。音声より推測されたSCP-1139-JP-Aの特徴は以下の通りです。

  • アジア系の人種
  • 女性
  • 10代半ばから後半
  • 身長160cm程度
  • BMI17程度
  • 歌唱に対しある程度の心得がある

対象の音声を聴くと、その内容に関わらず気分の穏やかな高揚がもたらされると報告されています。

2006/██/██に動画サイト███████に投稿された歌唱動画に於いて初めてSCP-1139-JPが確認されました。以降不定期に対象が確認される様になり、当初は対象の削除及びカバーストーリー「音源データの破損によるピッチ変化」等を流布していたものの、次第にSCP-1139-JPの発生頻度が増加している事を受け財団日本支部音声研究班との協議の上、特殊な音声合成ソフトウェアの開発及びそれを用いた新たなカバーストーリーの流布を含むプロジェクト1139-JPの実行が決定しされました。



プロジェクト1139-JP


概要: プロジェクト1139-JPは以下の手順によって構成されます。

  1. テキストデータを元に音声を合成する既存ソフトウェア最新バージョンの開発。
  2. SCP-1139-JP-Aに類似した声質を持つ人物の選定、音声の収録。
  3. 可能な限りSCP-1139-JPの声質に近付く様加工を施し、インストール。
  4. 完成したソフトウェア(SCP-1139-JP-αに指定)の一般への流布。
  5. SCP-1139-JPの発生を確認次第カバーストーリー「SCP-1139-JP-αを使用した作品」を流布及び関係者への記憶処理。

SCP-1139-JPの発生状況に何らかの変化があった場合、プロジェクト1139-JPに変更、追補が行われます。



クリプトン社

SCP-1139-JP-αの開発に協力した█████・██████・████社が入居しているビルです。

当時関連ソフトウェアの研究を行っていた███社及び█████・██████・████社協力の元でのソフトウェア最新バージョンの開発、研究及びSCP-1139-JP-Aに類似した声質を持つ声優の選定に1年間を要しましたが、許容可能期限内にSCP-1139-JP-αが完成しました。

SCP-1139-JP-αへの理想的な性能の付与は達成されていなかったものの、SCP-1139-JPの発生数が緩やかながら二次関数的に増加していた状況、使用方法次第では理想的な性能を発揮させる事が可能だという事実を受け、SCP-1139-JP-αの不完全な状態での発売及び改良の続行が決定されました。

フロント企業を通し関連企業と半年間の調整を行った後、█████・██████・████社製品としてSCP-1139-JP-αが発売されました。発売直後よりSCP-1139-JP-αは当初の予想を遥かに上回る売り上げを記録し、プロジェクト1139-JPは計画の数倍のペースで進行しました。その想定外の普及速度の為、現在は財団流通部門の研究対象となっています。その経済学的に先例から逸脱した普及にSCP-1139-JPの異常性が関わっているのではないかとの指摘が存在しますが、現在SCP-1139-JP-α関連業務が財団フロント企業の重要な収入源となっている事から、SCP-1139-JP-α関連業務の継続を妨げるあらゆる試みは許可されません。

使用者によるSCP-1139-JP-αイメージキャラクター"██ ██"1(以降SCP-1139-JP-α-1)の呼称より、プロジェクト1139-JPはプロジェクト1139-JP"ウタヒメ"と改称されました。SCP-1139-JP-αの著しい普及により、プロジェクト"ウタヒメ"はほぼ達成されたと判断されています。尚SCP-1139-JP-αの衰退によるSCP-1139-JPの一般への露見の可能性が否定出来ない事から、SCP-1139-JP-α最新バージョンの開発は継続中です。

20██/██/██、異常性コンピュータープログラムを流布していた常盤氏(PoI-831)の研究施設を捜査した際、SCP-1139-JPと関連があると思われる数点の資料が発見されました。その内何者かの日記と思われるノートの最終ページより、1点のL版写真が発見されています。病院と思われる施設のベッドに横たわり点滴を受ける若い女性(以下SCP-1139-JP-A-1)の写真であり、SCP-1139-JP-A-1がノートを書いた人物であると思われます。写真を元にした骨格分析を行った所、78.2%の確率でSCP-1139-JP-Aと同一人物であるという結論が出されました。またノートの記述より、SCP-1139-JP-A-1が生前イベント時に自らの名義として██ ██を使用していた事が明らかになっています。

以下、附属文書1139-JP-82439、ノートより確認された記述の抜粋です。必須ではありませんが、研究状況に応じて参照して下さい。

以下、常盤氏に対し行った聴取の記録です。

インタビュー記録1139-JP-a - 日付20██/██/██

対象: 常盤氏

実施者: 冬鐘研究員

<記録開始>

[他の事案に関する聴取を行っている。]

冬鐘研究員: では、次は私から。初めまして、冬鐘と申します。

常盤氏: どうも。

冬鐘研究員: これより、SCP-1139-JPについて質問させて頂きます。[SCP-1139-JPに関する資料を提示する。]

常盤氏: SCP-1139-JP…貴方達はそう呼んでいるんですね。

冬鐘研究員: 貴方は"成功事例四"と呼称していたそうですが。このオブジェクトを作ったのは貴方ですね?

常盤氏: 作った、と言っては語弊がありますが、まあそんな所です。私は彼女の手助けをしました。

冬鐘研究員: 彼女とはSCP-1139-JP-A-1の事ですか?

常盤氏: ええ、春鳥という姓です。そう呼んであげて下さい。彼女は歌が好きで、歌で身を立てる事を夢見ていました。ですが、病弱で、殆ど病院からは出られない毎日でしてね。

冬鐘研究員: 春鳥氏は、既に亡くなっているという認識で宜しいでしょうか。

常盤氏: ええ。残念ながら、16という若さで逝ってしまいました。彼女はとても歌が上手で、誰よりも歌を愛していましてね。何とかして、夢を叶えてあげたかったんですよ。

冬鐘研究員: 我々はSCP-1139-JPについて調査し、収容せねばなりません。その為に貴方の協力が不可欠であると考えています。もし協力を得られないならば、我々は法的、倫理的に許容されないある程度の行為を貴方に対し行う事が出来ます。

常盤氏: 協力するのは構いません。ですが、残念ながら、あまりお力にはなれないと思いますよ。

冬鐘研究員: 何故ですか。

常盤氏: 確かに私は彼女に大きく関わっています。貴方がたの言う現象にも。しかし、始めた者が終わらせ方も知っているとは限らないじゃないですか。

冬鐘研究員: つまり、貴方はSCP-1139-JPの収容方法をご存知ない、と。

常盤氏: ええ。それに、彼女はもう夢を叶えました。貴方がたのお陰でね。

冬鐘研究員: どういう意味でしょうか?

常盤氏: 分かる筈ですよ。何にせよ、彼女はもう世界に飛び立ったのです。もう私の手の届く存在ではない。

<記録終了>

聴取後の調査で、20██/██/██に亡くなった春鳥という女性の存在が確認されました。また全ての聴取が終わった後、常盤氏は財団に雇用され、現在は音声研究班所属の研究員を務めています。

20██/██/██、常盤研究員の端末より製作者、製作年月日不明の音声データが確認されました。SCP-1139-JP-αを用い製作されたとみられ、初め常盤研究員の関与が疑われたものの、関係を示す証拠は一切発見されませんでした。以下に音声データを添付します。

音声データの発見以降、SCP-1139-JPは█年間確認されていません。

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