アイテム番号: SCP-1140
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1140は十分な大きさの収容保管エリア(現在は部屋R.4.13にあります)に収容されます。しかしながら正確で厳密な検査を理由に、SCP-1140は実験機器の移動の為に各方向に最低2メートルの間隔を開けて部屋に収容され、それぞれ底部の角に固定された4つの透明なパースペックスロッドによって地面から最低30cm離れて支えられます。SCP-1140の底部はアラームに接続された重量計に固定されます。アラームはSCP-1140の重量が0.4%以上変動した場合に作動します。SCP-1140が使用されていないときは常に、内視鏡装置が収容エリアの備品ロッカーに保管されます。
説明: SCP-1140は、透明な艶ニスを塗られたオークの木でできている7つの引き出しを持つ棚です。SCP-1140の幅は148cm、奥行きは49cm、高さは91cmです。引き出しの寸法は(上から下へ):
- 幅46cm、高さ21cm、奥行き46cmの3つの引き出し
- 幅70cm、高さ21cm、奥行き46cmの2つの引き出し
- 幅70cm、高さ31cm、奥行き46cmの2つの引き出し
SCP-1140の異常性は上段中央の引き出しが最低2cm開けられたときに観察されます。どのようにしてか、ある状況下では棚から声を知覚できます。この声はSCP-1140-1に指定されています。試験は,SCP-1140-1が発生する状況には、思春期前の子供の単独での存在、重い精神遅滞を持つ思春期後の人間の単独での存在、もしくは[編集済]を手助けする成人が含まれることを示しました。
棚を解体すると、声が発生するはずの引き出しの後ろの空洞には何もないことが明らかになりました。スピーカーやその他の再生可能な電子機器の存在は金属探知機の使用によって否定されています。SCP-1140-1は個人が一人でいるときにのみ発生するので、実験中は遠隔操作装置を使わなければなりません。装置の存在は検査に影響を与えないように思われます。
SCP-1140-1は全ての実験の考察から姿の見えないところから聞こえる声ですが、SCP-1140-1が聞こえるときに引き出しの後ろへ手を伸ばす試みは負傷の原因になります。これは生きている人間にのみ発生するように見え、SCP-1140-1が発生していないときには起こりません。傷は大きな爪によってつけられたものと一致し、病理学的に大きな走鳥類(ダチョウ、エミュー、またはヒクイドリ)によるものに最も類似しています。
回収ログ: SCP-1140は██、███████の家の居間から回収されました。この家はそれ以外に関しては特筆すべき点はありません。フィールドエージェントによるクラスA記憶処理と神経言語学的プログラミングの後、住民は元の場所に留まり、棚は異常性のないレプリカに置き換えられました。
SCP-1140は精神医学のレポートの定期検査中に研究者の注目を集め、フィールドエージェントがそのレポートの被験者とその家族にインタビューするために送られました。インタビューにより、家族の最年少者がSCP-1140の近くの床に座り、彼の家族が「想像上の友人」と信じていた実体と会話をしている様子が数回見つかっていたことが明らかになりました。彼がこうして過ごしていたために、何時間も動くことを拒んだことを加味して、小児精神科医は彼を再診断しました。
回収インタビュー1140-A5の抜粋(0:11:12から0:13:42まで)(███ █████、6歳男児):
エージェント█████: その声を最初に聞いたのはいつだい?
███ █████: 僕が一度彼を歩いて通り過ぎたときに、彼が僕に話しかけてくるのが聞こえたんだ。
エージェント█████: そのとき何歳だったか覚えているかい?
███ █████: えっと、僕の誕生日パーティーの後だったよ。パーティーの時は6歳だった.
エージェント█████: じゃあ、8ヶ月未満か。声はなんて言ったんだい?
███ █████: 声じゃないよ。ゴボゴボさんだよ。
エージェント█████: それは、彼が自分の名前だって言ったのかい?
███ █████: 違うよ、僕が作ったんだ。彼は自分の名前を教えてくれないんだ。
エージェント █████: 彼はどんな風に聞こえるんだい?
███ █████: ニュースになるみたいに聞こえるんだ(クスクスと笑う)。
エージェント █████: ニュースになる?
███ █████: うん、全部上品に聞こえるんだ、チャールズ王子みたいに。
エージェント █████: それで、彼は君になんて言うんだい?
███ █████: おしゃべりするだけだよ。僕のこととか、(休止)学校のこととか。
エージェント █████: 彼は自分のことについて少しでも話すのかい?
███ █████: ううん、なんで引き出しの中にいるのって一度聞いたら、引き出しの中にはいないって言ったんだ。どこにいるのって聞いたら、彼はこのmentional(原文まま)のreppentation(原文まま)でしかないって言ったんだ。(これは「この次元(dimension)の表現(representation)」とみなすのが妥当だろう。)
エージェント █████: 彼は自分のことについて他に何か言ったかい?
███ █████: お家はどんな感じなのって聞いたら、教えたくないって言ったよ。ちょっと怒ってたからもう質問はしてないよ。
エージェント █████: 彼は怒ってるときは何て言ってた?
███ █████: 言えないよ、彼の声がバチバチって鳴ってたから。怖かった、あれは好きじゃなかった。
抜粋終了。
テストインタビュー1140-C1からの抜粋(D-93223、19歳女性、[データ削除済]にてロボトミーを行いました):
D-93223: こんにちは!こんにちは!(引き出しを押して閉める。研究員が部屋に入って、引き出しが再び開く。)
SCP-1140-1: 今や彼は去ってしまった。
D-93223: 誰が去ってしまったの?男の人?
SCP-1140-1: ああ。その男性は去ってしまった。あなたは私を助けることができる。
D-93223: 私に何ができるの?あなたと話すことはできるわ。あなたはイングランドの出身?
SCP-1140-1: ああ、私は…イングランドの出身だ。
D-93223: 私はイングランドに行きたいわ。
SCP-1140-1: いくつかの(8秒間の沈黙)ものを見つけてほしいんだ。できるか?
D-93223: あら、見つけることはできないわ。私がいつも物をなくしちゃうって病院で言われているのよ。ママには尋ねたの?
(以下は録音中に聞き取れなかったため、科学捜査のオーディオ解析を用いて再構成しています:)
SCP-1140-1: どう感じた?ヤツらがそれを切り裂くときにノイズはしたか?それが切り離されたときにお前は[解読不能]したか?それを通してずっと[解読不能]じゃないのか?(SCP-1140-1が笑う)クソビッチ。お前が入ってくる前にお前は███[解読不能]さえしていない。お前はあいつらになぜかを言うべきじゃなかった。なぜお前が彼女を助けなかったのかを[解読不能]絶対に言うべきじゃなかった。
D-93223: あなたなんか嫌いよ!嘘吐き!大嫌い!(ドアのところで叫ぶ)私を外に出して!ゴボゴボさんは嘘吐きよ!クソ嘘吐きよ!
SCP-1140-1: 外に出してやってくれ。彼女にはもううんざりだ。彼女は私を助けることはできない。(これはSCP-1140-1が財団職員に話しかけた唯一の事例です。)
抜粋終了。
テストインタビュー1140-F4からの抜粋(D-49283、28歳男性、拘置後に刺されたことで脳に損傷を受けています)
SCP-1140-1: あなたが呼吸しているのが聞こえる。挨拶もしないのは失礼だ。
D-49283: なんだ?お前、どこにいるんだ?(D-49283は引き出しを引き始める。引き出しが完全に開いたとき、D-49283は内部に手を伸ばす。)
SCP-1140-1: お願いだ、それをしないでほしいのだが。
D-49283: お前、どこにいるんだ?(D-49283はイライラし始める)
SCP-1140-1: それをやめてくれ、本当にやめてほし(この時点でD-49283は手を引っ込め、叫び始める。D-49283の手の甲と手首に深さ約8mm、長さ約65mmの裂かれたような傷がある。)
D-49283: お前、俺を傷つけたな。お前██████傷つけた。
SCP-1140-1: ああ、██████、私はあなたに止めるように言ったじゃないか。乾いた布で圧迫して、治癒を助けるために軟膏を塗ることをお勧めするよ。私のしたことについては申し訳ない。
抜粋終了。
実験の会話の間、引き出しの後ろの領域は、内視鏡カメラ、温度計、気圧計によって常に監視されていました。いずれの測定値にも変化はありませんでした。D-49283が負傷した会話の間、映像のフレーム間で発生した怪我そのもの以外の動きをカメラは捉えていませんでした。
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