SCP-1141-1、2004年3月20日顕現のもの
アイテム番号: SCP-1141
オブジェクトクラス: Keter-alterius
特別収容プロトコル: コネチカット、メイン、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ロードアイランド、バーモント各州の公共動物園はサイト85ならびにサイト86の両サイトの財団職員による定期監視下に置かれます。SCP-1141が発生した場合、可能な限り速やかにSCP-1141-1の性質と脅威についておおよそのレベルを確認すると共に、最寄りの支部の機動部隊ガンマ80(『生態学者』)が必要とされる装備全てを持ち件の動物園へ展開される事となっています。
到着時における機動部隊ガンマ80の任務はSCP-1141-1を可能な限り速やかに破壊または不能にする事です。当目的のためには武力行使が認められます。SCP-1141-1が一般人に対して即時の危険性を示していない場合、機動部隊ガンマ80は食品をいくつか購入してみると共に、一般の人々のSCP-1141-1への接近を全て防止して下さい。25分以内にSCP-1141-1の消失という成り行きにならない場合、サイト責任者ジャクソンに通告して下さい。SCP-1141-1で購入された食品は更なる研究と封じ込めのためにサイト86へ送られる事になっています。
SCP-1141-1の消失及び機動部隊ガンマ80の出向の後に、SCP-1141とそれに付随する財団の行動に関して、文字媒体、各ニュースメディア、社会への情報の拡散を防ぐため、動物園のアナウンス設備としてAMN-M-4311が配布されています。動物園の設備への被害や死傷者については、その状況において適切と判断される、火事、破壊行為、動物の脱走といったものに起因するとされます。被害を受けた動物園の修理費用を賄うため匿名の寄付をサイト85の予算から捻出する事が推奨されます。
████年██月██日付で、アイヒマン博士の権限の下に調査と関連付けられた形で、SCP-1141の無力化可能性を探るプロジェクトに追加予算が割り当てられています。
説明: SCP-1141はアメリカ合衆国ニューイングランド地方の公共動物園において、ある特定の間のみ存在するSCP-1141-1の発生現象とその事例です。この現象は開園時間の約三十分前に生じます。配線等の各種設備と近隣の建造物(各種設備、塀、道路、他の建物、等々)はSCP-1141-1の存在に対応したものへと変更され、動物園の地図もこれに準じます。SCP-1141は以下の状況下でのみ発生します。
- 活動中のSCP-1141-1が無い。
- 積雪面積が動物園の敷地の20%未満である。
- 過去一週間の営業時間中の平均気温が15℃以上である。
- 直近のSCP-1141-1の消失から最低でも250日が経過している。
SCP-1141-1は従業員を配し、食材等を仕入れ、園内の他のレストラン及び園内の場所に合わせた形を取って現れます。SCP-1141-1で提供される食品は建物に沿った物が出されますが、例外としてどの事例でもガカモーレをかけたパイナップルの厚切りが売られています。食材と他の物資は必要に応じてSCP-1141-1の内部に現れ、公に出されます。動物園のスタッフはSCP-1141-1についての知識は何ら持ち得ません。
SCP-1141-1の従業員達は全員、解剖学的にも行動的にもヒトのそれと同じ様に振る舞い、彼らの能力の限りSCP-1141-1で働きます。これら個体達は流暢な英語を操り、SCP-1141-1内の業務についての知識が豊富です。彼らは個人的な質問(個々の素性や経歴など)や、SCP-1141-1の性質や起源に関する質問については、答えたくないかまたは答える事が出来ません。彼らはSCP-1141-1から離れたがりません。
SCP-1141-1はその周辺に予測不能かつ、しばしば危険を伴う影響を及ぼします。正確な原因について確かな所は分かっていませんが、数人の研究者が、SCP-1141-1は物理法則に必ずしも囚われない、または我々の次元に現在ある制約よりもその顕現を優先している、と分析から導いています。詳細についてはイベントログSCP-1141-1を参照して下さい。
SCP-1141-1が営業不能にされるか、明らかに当SCPの影響により発生した怪我人がSCP-1141-1から見えると、その後25分以内に全ての設備、建造物、動物園の地図を元の状態に戻し消失します。SCP-1141-1で売られていた全ての食品は残り、その異常な性質を示し続けます。
保護観察レベル2のクリアランス手順に従い、全地名及び数カ所の顕現については当文書から削除済みである。当文書はSCP-1141の影響を説明するための物であり、出来事の総覧として用いるべきではない。
年月: 1985年7月
出来事: SCP-1141-1の正確な情報は得られなかった。当SCP及びその内包する顕現物の全ては約5000℃であったにも関わらず、完全な機能を示し燃焼しなかった。建物の基礎部分が砕けた後に消失し、結果として建造物が崩壊した。SCP-1141-1により引き起こされた火災により複数の檻が破られ、鎮火するまでに当園の従業員四人が負傷した。
年月: 1990年6月
出来事: SCP-1141-1は『アマゾン・カフェ・サンヤ(山野)』という名で顕現した。建物が無傷でいる間、SCP-1141-1では地球表面の約2.3倍の重力を示した。顧客へのサービスに対するスタッフの無能さ故にSCP-1141-1が消失する前、フライドポテトを2つ注文し得た。テストの結果、このフライドポテトは一般のそれと同じ大きさであったにもかかわらず、質量を測定した所2.3倍の重量を示した。
年月: 1991年6月
出来事: SCP-1141-1は『ヒグマの尾話作り』と標されていた。当事例では店は真っ当に営業しており、また直ちに危険な状態ではなかった。財団が配置した警備によって一般の入店が防がれ、これによりSCP-1141-1が消失する前に、様々な食品を購入する事が出来た。通常の大きさだったにもかかわらず、食品への分析により約1cmのド・ブロイ波長が観測された。当食品はそれぞれ異常品目に指定され、サイト86に保管された。
年月: 1992年4月
出来事: SCP-1141-1は設備の入れ替わりからは検出出来なかった。動物園の地図に『狩人焼き』という名のレストランが載っていた。当動物園のこの変化は開園から2時間後に元に戻り、この時SCP-1141-1に気づいていた客は一人も居なかったであろう事は確かである。後の記録は、この顕現後にこのエリアの近隣の建造物が比較的頻繁に修理が必要となっている事を示している。
年月: 1994年9月
出来事: SCP-1141-1は『氷河カフェ』として顕現した。報告及び後の分析ではSCP-1141-1は静電気を極めて急激に蓄積する性質であった事が示されている。SCP-1141-1は地に付いていなかったと見られ、この時点での天候が更なる問題の一因となった。SCP-1141-1の従業員を含まない17人が、SCP-1141-1の消失前に静電気の放電により犠牲となった。
1978年7月、隠しマイクにて記録したSCP-1141の従業員2人の会話である。各々の名前はその名札で識別される名前である。当会話は英語で行われた。
メモ: █████████動物園にて営業中のSCP-1141-1は比較的安全な状態であり、この記録時点での取扱方は状況を保持する事であった。一般の人々の接近は阻止され、封じ込めを維持するために職員がSCP-1141-1の食品を定期的に購入した。
デュアン: 彼らが食べ物を実際に食べているとは思わないな。保守要員達が我々の雇われた時よりも更に屑を持ち出しているんだ。
ベティ: そう?買い続けているじゃない。食べている事がそんなに問題なの?
デュアン: 実際公共の人々に食品を提供する許可なんて下りないし、この世界で飲食産業には従事しなかった、[理解不能]…ああクソ。ほぼ毒か何かなんだよそれ。じゃなきゃミランダがまた光速度を滅茶苦茶にしたんだ。それすら伝えられないんだ。
ベティ: なら彼らにお話に行って私達と仕事について納得してもらったら?彼らは私達が封じ込めを破るなり何なりする気がないって分かってるんだしね、そうでしょ?私達はただの人達みたいに話せるし振る舞えるんだし。
デュアン: それでどうやって彼らに███████だとか█████████でやったみたいに終わるって納得させるんだ?ほんの少しのケチャップだって何かの弾みで██████████だと断言出来るし、君だって何も確かだとは言えないんだ。
ベティ: 人類の科学者の助力は全然得られないの?
デュアン: あいつらは我々が何を為し得てるか何も分かっちゃいないって分かってるだろ?まだまだ原始的なんだ。
ベティ: あなたが難しくしようとしているならそうでしょうね。正直、あなたの「レストラン」と「動物園」への強迫観念はなんか不気味だし、ちょっと人種差別入ってるわ。あなたが『人種』と呼ぶものだってね。私も随分となっがい間皮膚を着てきたけれど、そんなの知ったこっちゃないわ。
デュアン: ああ、それだけも悩んでないなら去るのは全く自由だ。ただまあ君は権利を失っているから出来ないけどね。だからミランダがここの物理法則を誰も殺さないくらい十分に見極めてくれるまで、差別的なレストランで不気味なこの僕と立ち往生してるって訳だ。
ベティ: 人を殺す事について今は気にしてるんだ?
デュアン: [理解不能]。口閉じろ。もう離れるぞ。
7分後、SCP-1141-1は消失した。一般人の接近を制限する試みはSCP-1141-1の消失という結果をもたらした。封じ込め手順が適宜変更され、SCP-1141-1はKeterクラスに格上げされた。
補遺: これまでに我々はSCP-1141の性質を完全に理解しまた予測できており、故に反物質の反応や準安定状態の真空の発生等の、壊滅的な事態が事前の警告無しに引き起こされる可能性があるままだ。私はSCP-1141無力化のために必要な有用な手段を講ずるべく、早急な追跡調査を行う事をここに正式に求める。 - アイヒマン博士
承認。 - フォスター博士