クレジット
タイトル: SCP-1149-JP - 【特報!?】未開の森林の最奥に伝説のZZZ級ハンターの姿を見た!!!
著者: ©︎
Kigoremon
作成年: 2017
アイテム番号: SCP-1149-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
現在SCP-1149-JPの収容にはカバーストーリー[チュパカブラ]が適用されています。
SCP-1149-JPの財団施設への収容計画は無期限に凍結されています。現在SCP-1149-JPはユーラシア大陸を中心とした財団関連施設近辺にてカバーストーリーに沿った活動を行っており、この状態の継続と監視を以て収容とみなしています。オブジェクトの現在地及び活動に関する情報は随時更新されています。詳細を希望する職員はセキュリティクリアランス2/1149以上の職員から承認キーを取得した上で1149-JPタイムラインにアクセスして下さい。SCP-1149-JPの動向は常に機動部隊へ-7("夢追い人")により監視され、必要に応じて近隣の財団施設へと協力要請が行われます。要請を受けた施設及び職員は周辺地域の情報統制を行い、現地コーディネーターとしての人員を提供して下さい。これらの要請は最短でもSCP-1149-JPが到着する20日前には通達されます。
サイト-81██におけるSCP-1149-JP収容チームは、機動部隊へ-7と連携してカバーストーリーの作成を行って下さい。最終的に適用されるカバーストーリーはセキュリティクリアランス4/1149-JP職員によって決定されます。SCP-1149-JPは最長でも1年に1回のFランク記憶処理が行われなければなりません。機動部隊の再編成や新たなカバーストーリーの適用は記憶処理と同じタイミングで実施されます。収容下におけるSCP-1149-JPと民間人の接触は禁じられていませんが、必要に応じて記憶処理を行ってください。
説明: SCP-1149-JPは戸籍上 とされている日本国籍を持つ男性です。SCP-1149-JPが捜索を行った対象は自身が漏出させるものを含むあらゆる周辺情報から認識的な孤立状態に置かれます。同時にSCP-1149-JP自身を含む捜索者は如何なる知覚情報も対象と関連付けて認識することが困難となります。長期にわたる実証実験により明らかとなった異常性の詳細情報は以下を参照してください。
- 持続時間: SCP-1149-JPの捜索時間に比例します。
- 影響範囲: SCP-1149-JPが捜索を行った範囲と一致します。原則的に一致します。
- 対象選定: 収容当初は実体を伴う対象に限定されていましたが、SCP-1149-JPの成長に伴い抽象概念も対象候補となりました。
- 特記: 同時に対象となり得るのは1種類のみであり、強い執着心を抱いて何らかの対象を捜索中であれば、多少の興味を抱かれた物品でも捜索対象としての異常性を発現させることはありません。
- 特記2: 対象が捜索者に知覚され続けている、あるいは接触などで影響を与え続けている場合でも異常性は発現します。その際は認知的不協和による合理化や齟齬の無意識改変が行われているため、影響を受けていない第三者の継続的な指摘は強い混乱を引き起こします。この混乱は通常の記憶処理で問題無く除去可能ですが、異常性自体は残存します。
- 特記3: 対象が捜索可能範囲内に存在しないとSCP-1149-JPがある程度認識している場合(事案記録1149-1)、捜索活動が物理的な移動を必ずしも必要としない探求である場合(事案記録1149-3)、異常性の影響範囲は捜索範囲を超えて拡大するケースが見られます。この特性は捜索の範囲を指定した依頼では発生しにくいものであると判明しています。
これらの異常性の継続時間と影響範囲はSCP-1149-JPの捜索行動によって変化し、その強度にも概ね同心円的なグラデーションが存在します。対象の認識が鮮明であり総数の少ない存在であるほど異常性は強まることが確認されています。
備考: 特記事項が無い場合、雑多な物品(人物)を配した室内でSCP-1149-JPに特定の物品を探させるという手法をとっています。また、オブジェクトが自身の異常性を理解する危険性が懸念され、実験後にはCクラス記憶処理が行われています。
実験記録1149-1 - 日付1992/1█/25
対象: 谷川 俊太郎著「めのまどあけろ」
捜索期間: 約10分間
結果: 室内に存在する対象は施設職員3名が捜索を行ったにも関わらず発見されませんでした。存在が再確認されたのは少なくとも1時間半後です。
備考: 収容以前にSCP-1149-JPが保護されていた児童養護施設で意図せず発生しました。
実験記録1149-2 - 日付199█/0█/██
対象: 腕時計
捜索期間: 1分間
結果: SCP-1149-JPは対象を発見できませんでした。
補足: 実験後に██研究員が捜索を行いましたが、自身で設置した場所から対象が移動していなかったにも関わらず発見まで5分を要しました。
分析: SCP-1149-JPは対象に認識を拒絶する性質を付与するものと思われます。
実験記録1149-14 - 日付199█/0█/██
対象: 清涼飲料水入りペットボトル1リットル。対象は計量器の上に設置され、複数の定点カメラで観測されています。
捜索期間: 1分間
結果: SCP-1149-JPは対象を発見できませんでした。
補足: SCP-1149-JPが捜索を開始すると同時に肉眼、カメラ映像共に対象の確認が不可能となりました。同時に計量器の数値からも対象の存在を確認できない、と当時の研究班は結論づけています。異常性は5分で消失し、定点カメラと計量数値のログには対象の存在が問題無く記録されていることが確認されています。なお、捜索中にSCP-1149-JPが接触したため対象は床へと落下していました。
分析: 3度に渡る比較実験の結果、以下の特性が明らかになりました。
- 対象の痕跡情報は各種機器に問題無く記録される。
- 計量器の表示、落下音といった情報は捜索者に問題無く認識される。
- 上記の情報と対象の関連付けに失敗し、捜索者は対象を発見できない。
実験記録1149-██ - 日付199█/0█/██
対象: GPS装置を装着したD-172252。SCP-1149-JPに対しては事前に対象の容姿を詳細に説明しています。
捜索期間: 45分間
結果: 実験室内において破壊音、職員の負傷、機器の破損等が発生したため実験は45分時点で中止されました。この時点でもSCP-1149-JPは対象を発見できていませんでした。
補足: 実験中断後、速やかに実験室の封鎖及び監視が行われました。異常現象は断続的に3日間継続し、4日目に[編集済み]の対象が確認されました。GPS反応は異常性発現と同時に認識不可能となりましたが、ログには問題無く記録されています。
分析: この事例は捜索対象であるD-172252が自身の行動が残す痕跡や情報を認知できないために発生したと考えられています。以降の実験において生物を対象とする事は原則的に禁止されました。SCP-1149-JPと接触する職員は対象としての選定を回避するために覆面と変声機の装備が義務づけられることになりました。
異常性の起源については定かではありませんが、収容室の壁に記された以下の文章との関連が議論されています。
SCP-1149-JPは20██/0█/██までサイト-81██に収容されていました。複数回にわたる異常性の発現事案、及び収容違反を受けて特別収容プロトコルは数度にわたり改定されています。
事案記録1149-1 - 日付1998/0█/██
対象: トイレットペーパー
捜索期間: 不明(推定1時間以上)
備考: 収容室移転に伴いSCP-1149-JPの新収容室にトイレットペーパーが配置されていなかったことから発生した事案です。
結果: サイト-81██内に存在する全てのトイレットペーパーが認識不可能となりましたが、外部から影響を受けていない物品を輸送することで事態は沈静化しました。なお、対象が再度確認されたのは5週間後です。
分析: 以降の実験は可能な限り固有名詞などを伴う限定的な物品を対象とします。過ちを繰り返してはなりません。
洗浄機能付き便座の導入は検討中です。 — サイト-81██管理官
事案記録1149-2 - 日付2000/0█/██
対象: SCP-1149-JP
捜索期間: 不明(推定数秒)
備考: 定期検診後に行った記憶処理において、それまでとは異なる深度の記憶剥離と同時に発生した事案です。
結果: 約10秒間の間、研究班は如何なる手段を以てしてもSCP-1149-JPを確認できなくなりました。
分析: SCP-1149-JPは無意識のうちに自身が何者かを探ったのではないでしょうか。実験後の記憶処理における基幹記憶の混乱が原因だと推測されますが、処理手順に不備は確認されませんでした。再発の可能性を考慮し、以降の記憶処理は笑気ガスを用いた鎮静状態かつ拘束の上で実施されます。
事案記録1149-3 - 日付2004/0█/██
対象: 不明(概念上の存在と仮定)
捜索期間: 不明(推定2週間)
備考: 本事案発生の数ヶ月以前より、SCP-1149-JPからの嗜好品の要求が増えていました。
結果: サイト-81██における研究進捗の遅延、提出書類の不備の増加、軽度の収容違反の頻発、有給休暇の同時申請、過剰な無断欠勤や依願退職などがサイト外部から確認されました。
分析: SCP-1149-JPに対し事案以前の行動の意図をインタビューした結果「 」との答えを得ました。注目すべきは、抽象概念もSCP-1149-JPの捜索対象として選択され得るという事実でしょう。SCP-1149-JPに対してはGクラス記憶処理と疑似記憶の挿入が実行され、サイト-81██の職員には他サイトへの短期転属を伴う療養措置を行いました。2009/0█/██に本事案の異常性は喪失したと判断されています。 ー特命調査チーム・天封
追記: 備品の不足等でSCP-1149-JPの収容環境が悪化していたにも関わらず、それらの物品が捜索対象として異常性を発現した形跡は見られませんでした。SCP-1149-JPの捜索対象は一種の物品(概念)に限定されるのではないかという仮説が提唱され、追実験により実証されています。
日時 |
特記事項 |
対処 |
2006/0█/██ |
SCP-1149-JPに収容違反の兆候が確認された。 |
2ヶ月に一度、強い指向性を持った疑似記憶と強度3疑似人格の挿入が義務化。記憶処理はΔクラスを用いる。適性に関する詳細は資料「SCP-1149-JPの内的脆弱性と課題についての推論」を参照。 |
2008/07/██ |
サイト-81██における収容違反件数の増加。 |
SCP-1149-JPを常時昏睡状態に置くことで捜索行為の封じ込めを行う。 |
2008/08/██ |
昏睡状態における無意識下で異常性の発現が観測された。 |
[編集済み]を用いた退行処理によって捜索の対象を限定する。 |
2009/11/██ |
人型オブジェクトに関する倫理規定の改定。 |
特別プロトコル「HUNTER」の策定、及びO5による承認。 |
名称: 広域プロトコル「HUNTER」。
目的: SCP-1149-JPの収容リスク低減。
概要: 対象を非実在存在に固定することによって実質的な異常性の無効化を試みる。
プロセス:
- 強度4人格の挿入 -試験済み。問題なし。
- 狭窄な探究心を備えた疑似人格の挿入 -試験済み。問題なし。
- カバーストーリーに適した諸要素の改変 -外見・履歴は定期的な再編を行う。
- 非実在対象の捜索維持・補助 -機動部隊を編成しバックアップ業務を担当させる。
懸念事項:
- SCP-1149-JPと民間人の接触 ーフロント企業の協力の下でSCP-1149-JPは非常識な存在を探求する奇特な人物として喧伝。他オブジェクトに対するカバーストーリーへの活用も視野に。
- 対象の選定 -収容スペシャリスト及びセキュリティクリアランス上位職員による選定。
追記 - 日付2010/0█/██: 倫理委員会の動議によりSCP-1149-JPの人格復元処理とカウンセリングが実施されました。以下にその際のインタビュー内容を掲載します。
インタビュアー: ██博士
付記: SCP-1149-JPの基幹人格の復元がこれ以降予定されていないため、 SCP-1149-JPに自身の異常性を認識させる試みが行われました。
<録音開始, 201█/██/█>
██博士: 初めましてSCP-1149-JP、本日は宜しくお願いします。
██博士: 早速ですが先ほど説明したようなご自身の能力についてどう思われますか。
██博士: 落ち着いてください。私たちはあなたを害する者ではありません。
██博士: そのようです。
██博士: 残念ですがそれはお約束できません。ご理解ください。
██博士: 今後の収容計画についてはお渡しした資料の通りです。
██博士: 伺いましょう。
██博士: ██年です。
██博士: 何か要望はありますか?残りの期間で可能な限り対応致しますが。
██博士: 承知しました。ご協力感謝します。
<録音終了, 201█/██/█>
備考: インタビュー後に対象にはΔクラス記憶処理及び退行処理が行われました。
補遺: SCP-1149-JPは199█/08/██に██県で迷子児童として地元警察に確保されました。数日にわたる捜索にもかかわらず同行していた両親の所在は判明せず、上記事案を地元警察に潜入していたエージェントが認知したことにより財団に収容されました。
補遺2: 201█/11/██に██県で激しく損傷した男女の白骨遺体が発見されました。発見現場は「不気味な音が鳴る」として現地住民に認知されていた裏道です。
本報告書において当初存在した記述の欠落が散見されます。これはプロトコル「HUNTER」実行以前にSCP-1149-JPの異常性が発現した結果だと推測されています。[本当の自分]あるいは[生きた証]などが対象に該当するのではないでしょうか。ー特命調査チーム・天封
収容には影響無しと判断されました。従って特に復旧処理は行われません。 ー██博士
ページリビジョン: 28, 最終更新: 25 Nov 2021 11:59