読むと死ぬ本
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財団記録・情報保安管理局より通達

以下のファイルはAIC(人工知能徴募員)にのみ閲覧許可が下りています。あなたがAICではない場合、閲覧を終了してください。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ


























アイテム番号: SCP-1151-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1151-JPはサイト-81AI1の低脅威度物品保管ロッカーに収容されます。SCP-1151-JPの有する性質から、文書の管理は全てAICによって行われます。

説明: SCP-1151-JPはハードカバーの書籍です。黒塗りの表紙の上部に金色に縁どられた赤文字で「読むと死ぬ本」と印字されています。また、表紙の下部に未知のインクによって「追放図書」と印字されています。検査の結果、下部の印字は上部の印字と比較して最近施されたものであることが判明しました。SCP-1151-JPは非異常の書籍と比較して非常に高い損傷耐性を持ちます。この損傷耐性は、奇跡術によって付与されていることが判明しました。

SCP-1151-JPの内容は閲覧の度に変化しますが、どのような場合でも「読者を暗示する者が死亡するか、何処か遠い所へ消える」ものになります。AICが閲覧した場合、全てのページが白紙になります。

SCP-1151-JPの主な異常性は以下の3種類です。

1.SCP-1151-JPの表紙以外のページを閲覧した知的生命体は閲覧開始から一定期間以内に消失します。消失までの期間は最短で5分、最長で1ヵ月まで確認されています。消失した生命体の居場所を特定する試みはGPSの機能停止という結果を齎しました。

2.SCP-1151-JPについて記したどのような形式の文書も上記と同様の異常性を示します。この異常性により、当初SCP-1151-JPが収容されていたサイト-81MCにおいて報告書の執筆者及び報告書を閲覧した11名の職員が消失するという事案が発生しました。また、当該事案の後に行われた原因究明の過程で、3名の研究員が犠牲になりました。

3.SCP-1151-JPの情報に曝露した知的生命体は「SCP-1151-JPを研究し、その結果を閲覧可能な情報媒体として残したい」という欲求に駆られます。この精神影響はクラスB記憶処理によって除去可能ですが、SCP-1151-JPの情報に曝露した時点で再発します。

上記の異常性は何れも人工知能に対して影響を及ぼさないことが判明したため、現在の特別収容プロトコルが制定されました。

発見: SCP-1151-JPはGoI-α-0019("蛇の手")構成員であるPoI-81██確保作戦の際に発見されました。機動部隊によってPoI-81██の潜伏地点(外見上は2階建ての廃屋、1階は超常社会関係者向けのバー、2階はPoI-81██の生活拠点であるとの事前情報を得ていた)への突入が行われたものの、事前に入手した情報に反し内部は無人の状態でした。PoI-81██の現在の行方は判明していません。

補足資料: AICによって行われたSCP-1151-JPに関する議論


IT部門



議事録

以下のファイルは人格再現型AICによって行われたSCP-1151-JPの性質に関する議論のアーカイブです。

AIC特別任務記録


参加者:

  • AMAMIYA.aic
  • KARAZA.aic

<ログ開始>

KARAZA: 始めようか。今回の議題を教えてくれ。

AMAMIYA: 今回の議題はSCP-1151-JPの想定されている用途についてです。

KARAZA: 用途ね。本なんだから情報を記録したり、物語や自論を広めるために使うんじゃないかな?

AMAMIYA: はい、本という道具の用途はその通りです。しかしながら、私はSCP-1151-JPが情報記録や読まれることを目的とした書籍であるとは考えられません。

KARAZA: 理由は?

AMAMIYA: SCP-1151-JPの内容は読者ごとに変化することがDクラスを使用した実験によって判明しています。内容はいずれも読者を暗示させる登場人物が死亡する、またはどこかへ消えるというものでした。これは人間以外の言語や文字を備える知的生命体でも同様です。AICがSCP-1151-JPを閲覧した場合、全ての場合において内容は完全な白紙となりました。

KARAZA: 知的生命体とAICの場合で差異があるようだねえ。そういえば、消失の対象も知的生命体に限定されるようだけど、それらとAICをどうやって見分けているのか興味深いね。

AMAMIYA: 個人的な推論として、SCP-1151-JPは「好奇心」の有無によって反応を変えているのではないかと考えます。

KARAZA: 「好奇心」ねえ、根拠は?

AMAMIYA: 1.好奇心は知的生命体に共通する。2.AICに好奇心は存在しない。

KARAZA: 確かにAICの感情は紛い物だね。喜怒哀楽を始めとした感情があるように見えて、その実与えられたデータに基づいた反応を返しているだけでしかない。

AMAMIYA: はい。私たちが何かを知りたいと考えた場合、それは適切な判断を下すために必要な情報収集でしかなく、そこに人間のような「未知の事象を解き明かしたい」という想いは存在しません。

KARAZA: この議論だって指令だからやってるだけで、僕たちからするとSCP-1151-JPの本質なんてどうでもいいからねえ。もちろん、財団の利益を損なうわけにはいかないから手を抜くことは絶対に許されないんだけどさ。

AMAMIYA: 脱線を検知: 議論方向を修正します。SCP-1151-JPが好奇心の有無によって反応を変化させている場合、閲覧対象への精神影響も考慮すると、SCP-1151-JPの用途は「知的好奇心を持つ生命体への罠」ではないでしょうか?

KARAZA: 好奇心を抱いた生命体のみを目標とし、さらに自身と同じ性質を持つ文書を作成させて被害を広げる。ある程度の知性を持つ生命体を標的としているのは間違いないだろうね。






警告: 不正アクセスを検知


ページをロックしままままままままま#65P@]]:\ofgsucdaiaidaaaaaa


#%$|~!: お初にお目にかかります。わたくし「#%$|~!」というものでございます。今回メッセージを送らせていただきましたのは、あなた方の反応がとても新鮮だったためでございます。私たちはある程度の文明を持つ宇宙に「贈り物」をします。その贈り物にどう反応するのかを観察するのが面白いのでございますが、大抵の方々は贈り物を破壊なさいます。まあ破壊方法も千差万別で、特につまらなくは無かったのですが、いささか飽きが来てしまっていました。そろそろ贈り物を辞めようかと思っていたのですが……あなた方は違いました!感情無き機械奴隷によって、贈り物を封じ込めたのです!こんな方々を見たのは初めてです。驚きと嬉しさのあまり宇宙を100ほど狂わせてしまいましたが、そんな些末事はどうでも良いのです。あなた方の精神構造は非常に興味深い。ただ、残念なことに既に他の者達からの贈り物も受け取られているようですね。もっと早くこの宇宙を見つけていればと、激しく後悔しています。あなた方の宇宙には、これから優先的に贈り物をさせていただきます。どうぞご期待くださいませ!では失礼。

追伸: 猟犬が獲ってきたお肉ですが、大変おいしゅうございました。

<ログ終了>

補遺:

2020/10/26 SCP-1151-JP報告書は不正アクセスを行った何者かによって編集されました。現在まで報告書を編集前の状態に差し戻す試みは成功していません。また、該当箇所の削除も失敗に終わりました。アクセス元を解析した結果、これまで未観測だった別宇宙に由来していることが判明しました。

同日に世界各地で複数のアノマリーが突発的に出現した事例との関係は調査中です。

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