下位セキュリティクリアランス報告書からのアクセスを確認しました。
変更部分を強調表示します。
アイテム番号: SCP-1154-JP
オブジェクトクラス: Keter Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-1154-JPの収容には、細心の注意を要します。この現象は異常なオブジェクトの増殖を引き起こす可能性がある為、レベル4以上のセキュリティクリアランスを保持している職員及びプロジェクト████-███-████に所属する職員以外がSCP-1154-JPの正確な特性を認知する事は禁じられています。レベル2以下のセキュリティクリアランスを所有する職員にはカバーストーリー「消えない悪夢」、レベル3セキュリティクリアランスを所有する職員にはカバーストーリー「オブジェクトの夢」を流布し、不必要な詮索を避けています。収容には、SCP-1154-JPに関する一切の口頭での情報交換の禁止という手段が用いられます。SCP-1154-JPに関してSCP-1154-JP-Aと情報交換を行う必要がある場合、必ず筆談等口頭以外の手段で行って下さい。
説明: SCP-1154-JPは特定の人物(SCP-1154-JP-A)が睡眠中に特殊な夢(SCP-1154-JP-B)を見る現象です。認識された夢は通常の夢と同じく、日常生活の中に様々な異変が起こった状況を体験させます。通常の夢と大きく異なる点は、SCP-1154-JP-Bでの全ての体験を起床後も鮮明に記憶しているという事です。
SCP-1154-JP-AはSCP-1154-JP-Bで様々な経験をしますが、その多くは実在し収容の対象となる現象や物体に関する物です。SCP-1154-JP-B内で認知したオブジェクトが未だ確認されていない新種のオブジェクトである事例も多く、現在は新たなオブジェクト収容の為の情報源と位置付けられています。実在するオブジェクトがSCP-1154-JP-Bに出現するのではなく、SCP-1154-JP-B内で認知した事物が現実に出現するのだと主張する職員もおり、現在SCP-1154-JPによる現実改変、過去改変の可能性を調査しています。
SCP-1154-JP-Bに現れたオブジェクトが精神的に悪影響を与え得るオブジェクトであった場合、SCP-1154-JP-Aは悪影響の記憶を保持しますが、重篤なミーム障害を引き起こすオブジェクトが現れたとしても起床後まで影響が残る事はありません。加えて、SCP-1154-JP-AはSCP-1154-JP-Bで認知したオブジェクトの持つ認識災害特性、ミーム災害特性への耐性を持ちます。
Aクラス記憶処理を行いSCP-1154-JP-Bに関する記憶を完全に消去しても、SCP-1154-JP-Bを見た際の印象が残る事が確認されています。
現在国内で確認されているSCP-1154-JP-Aは██博士、D-1154-JPの2名です。2名以外にSCP-1154-JP-Aが確認された場合、直ちに専門の機動部隊が編成され、最寄りのサイトに収容、監視されます。
SCP-1154-JP-Aが他の人物に口頭でSCP-1154-JPの説明をする事で、説明を受けた人物もSCP-1154-JP-Aとなります。筆談、肉体言語、電話など口頭以外のいかなる伝達手段においても、説明を受けた人物がSCP-1154-JP-Aにならない事が判明しています。SCP-1154-JP-Aとなった人物はその後1回目の睡眠では一切の夢を見ません。2回目の睡眠の際、多くの場合SCP-1154-JP-Aは睡眠中に心臓発作により死亡します。心臓発作はSCP-1154-JP-Aの健康状態、精神状態に関係無く発生する事から、SCP-1154-JPの異常性の一部だと見られています。心臓発作が発生する条件は現在も不明ですが、実験による著しい人的資源の損害が予想される為、条件の解明を目的とした新たなSCP-1154-JP-A発生の試みは禁止されています。
D-1154-JPはSCP-1154-JPの感染性の研究の為SCP-1154-JP-Aとなった被検体です。何度かの実験の後終了される予定でしたが、D-1154-JPが優秀な文章能力、描画力を持ち、SCP-1154-JP-Bで見た事物をより詳細且つ正確に説明出来る事から、特別措置として現在はサイト-81██の通常防音ユニット内で筆談での聞き取り調査を行っています。ただし、認知する事によって異常が発生する場合に限り、聞き取り調査を拒否する権利が与えられています。聞き取り調査拒否が行われた場合、SCP-1154-JP-Bの内容を財団日本支部理事会に開示し、審議の上、情報を開示すべきか否か決定されます。
SCP-1154-JP-Bで確認出来るオブジェクトの出現範囲は、SCP-1154-JPが認識する"日常"の範囲に比例すると予測されます。D-1154-JPは81地域外の一切の事象に大きな興味を持たない為、D-1154-JPが認識するSCP-1154-JP-Bに出現するオブジェクトは全て81地域内で出現、或いは81地域に大規模な影響を与え得る物です。一方、██博士は学生時代より留学や海外旅行、学会への出席、国外の財団支部への出向等を数多く経験しており、それら全てが"日常"に組み込まれていると思われます。その為、██博士が認識するSCP-1154-JP-Bには財団本部及び支部が存在する全地域のオブジェクトが出現します。
██博士、D-1154-JPがプロジェクト████-███-████の研究目的以外で他者へSCP-1154-JPの存在を口頭で説明した場合、終了を含む刑罰の対象となります。
現在SCP-1154-JP-Aとの接触は特別に許可を得た担当職員を除き禁止されています。
実験記録1154-JP-a - 日付20██/██/██
対象: D-1154-JP
目的: SCP-1154-JP-Bの具体的な内容の調査
実施方法: 起床直後のD-1154-JPに筆談による聞き取りを行う。
結果: D-1154-JPは、学校の校舎内の様な場所で包丁を大量に持った千手観音像と笛を持った河童、日本人形に追いかけられる夢を見た、破壊可能らしいが返り討ちにされない限り校舎から出られない様だと説明した。これはSCP-941-JP-a及びSCP-941-JP-1 SCP-941-JP-2 SCP-941-JP-3であると思われる。
実験記録1154-JP-d - 日付20██/██/██
対象: D-1154-JP
目的: Aクラス記憶処理によるSCP-1154-JP-Bへの認識の変化の調査
実施方法: 起床直後のD-1154-JPにAクラス記憶処理を施した後、筆談による聞き取りを行う。尚、今回は夢の内容に関する記憶のみを処理した。
結果: D-1154-JPは、何があったかはよく覚えていないが、何か酷く奇妙で道徳的な判断に困る物を見て気分が悪くなったと証言した。記憶処理を施してもSCP-1154-JP-A-1についての印象は残る様である。記憶処理の直前SCP-1154-JP-A-1は、町中で子供達に対し突然性教育をするコウノトリの群れを見た、コウノトリ達は日本の行く末を本心から心配していた様で、話は通じるらしいと説明していた。これはSCP-989-JPであると思われる。
実験記録1154-JP-f - 日付20██/██/██
対象: D-1154-JP
目的: SCP-1154-JP-Bによる未知のオブジェクトの発見の試み
実施方法: 起床直後のD-1154-JPに筆談による聞き取りを行う。内容が既知のオブジェクトに合致しなかった場合、新たに発見されるオブジェクトの情報と照合し続ける。
結果: D-1154-JPは、ベギーくんという空飛ぶ巨大なイヌの頭部と骨型のゴム製玩具を投げて遊んだ、ベギー君はあるドッグフードがとても好きな様だと説明した。後日存在が確認されたSCP-1371-JP-B及びSCP-1371-JP-Cと情報が合致した事から、SCP-1371-JPの出現を予知していたと思われる。
実験記録1154-JP-Not_Numbered - 日付████/██/██
対象: ███ ██氏
注記: 本件は実験記録ではなく収容以前のSCP-1154-JPの記録だが、便宜上結果例として記載する。
目的: SCP-1154-JP-Bの具体的な内容の調査
実施方法: ███ ██氏が当時残した手記を閲覧する。
結果: [削除済]
実験記録1154-JP-Not_Numbered - 日付20██/██/██
対象: D-1154-JP
注記: 本件は実験記録ではなくSCP-1154-JP運用の記録だが、便宜上結果例として記載する。
目的: SCP-1154-JP-Bによる既知のオブジェクトの性質把握
実施方法: 起床直後のD-1154-JPに筆談による聞き取りを行う。内容が既知のオブジェクトに合致した為、その情報と比較、新たに入手した情報を追記する。
結果: D-1154-JPは、琵琶湖の地下深くに全く錆びていない大型の金属性機械がかなり昔から埋没している、[削除済]により起動し、上部の広範囲に渡る地表ごと空へ飛んで行くと説明した。SCP-1233-JPと情報が合致した事から、未だ財団が把握していない情報が含まれている可能性を考慮し、聞き取りした詳細な情報の精査を進めている。
実験記録1154-JP-Not_Numbered - 日付20██/██/██
対象: D-1154-JP
注記: 本件は実験記録ではなくSCP-1154-JP運用の記録だが、便宜上結果例として記載する。
目的: 引き続きSCP-1154-JP-Bによる既知のオブジェクトの性質把握
実施方法: 起床直後のD-1154-JPに筆談による聞き取りを行う。内容が既知のオブジェクトに合致した為、その情報と比較、新たに入手した情報を追記する。
結果: D-1154-JPは、███県の山中に何もかもが箱で出来た森があり、中心部に近付くと森の外のあらゆる物が箱としてしか認識出来なくなる、その森の中央には[削除済]。SCP-1046-JPと情報が合致した事から、未だ財団が把握していない情報が含まれている可能性を考慮し、聞き取りした詳細な情報の精査を進めている。
SCP-1154-JPは蒐集院の資料にも記述が確認され、非常に古くより存在している事が明らかになっています。また、蒐集院に於いてはその存在が秘匿される事無く、所属していた多くの人間がSCP-1154-JPの存在を認知していました。その為、現在もSCP-1154-JPに関して何らかの知識を有している職員が多数存在する可能性が高く、財団内部に潜入していると思われる[編集済]及び[編集済]等要注意団体より派遣された諜報員にSCP-1154-JPに関する情報が流出する可能性があり、重大なインシデントを引き起こす危険があります。その為、レベル3以下のセキュリティクリアランスを所有する職員向け報告書に重大な要素を欠いた内容を記載する事により、職員全体へのカバーストーリーの流布を行います。
本来SCP-1154-JP-Aの発生手順がもう一つ存在していた事が確認されています。SCP-1500-JP-Aの神輿エリア中央に[編集済]。現在は実行が困難である事から実質消滅したと判断されています。
補遺: SCP-1154-JP-Aが全て死亡した際にオブジェクトの出現が減少、或いは完全に無くなる可能性が指摘されていますが、現在のSCP-1154-JP-Aが非常に重要な職員である事、財団が確認出来ていないSCP-1154-JP-Aが存在する可能性がある事などから、この疑惑に関する実験は無期限に停止されています。
財団によって最初に確認されたSCP-1154-JP-Aは███ ██氏でしたが、財団によって収容され、██博士にSCP-1154-JPに関して口頭で説明した後、他のオブジェクトが収容違反を起こした際に死亡しています。███氏に至るまでのSCP-1154-JP-Aの捜索、調査が行われましたが、1██年前に死亡した████ ██氏以前の追跡は失敗しました。
財団日本支部理事会独自のセキュリティクリアランスの所有者は、こちらの資料も参照して下さい。