アイテム番号: SCP-1157
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1157の全個体はセクター07の標準隔離エリアに繋がる3m×2m×3mの居室で別々に収容されます。11:00PM EST(東部標準時)から翌朝AM6:00までは部屋からの退出が禁止されます。集団鎮圧の訓練を受けた武装警備員12人による警備が必要です。SCP-1157-1は他個体の収容エリアから隔離した居室に収容されます。
SCP-1157個体に接触する全ての職員は高レベルの情報秘匿を行わねばなりません。財団スタッフの名前、プロジェクトの情報、SCP-1157収容エリアの封じ込め手順を口に出してはなりません。SCP-1157との言語コミュニケーションは、Torres博士の許可が無い限り限界まで少なくしてください。SCP-1157と接触する際は、個人を識別可能な衣服や所持品を伴ってはいけません。機動部隊ガンマ-7メンバーを含む財団職員は、SCP-1157の収容および研究の際にデジタル暗号化済みのIDのみを所持するよう徹底しなければなりません。
封じ込め外にあるSCP-1157個体の捜索および捕獲のため、機動部隊ガンマ-7"ハーメルンの笛吹き男"が編成されています。SCP-1157の基本的な情報に加え、写真、指紋、DNAサンプルが主要な法執行機関に配布されています。各国政府や他の機動部隊との連携はケースバイケースで承認されます。殺傷力の高い武器の使用は緊急時のみに限ります。
分岐イベントの間に、SCP-1157担当職員はプロトコルG-7の準備を起床コールまでに進めて下さい。
説明: SCP-1157は茶色の髪と青い目を持つコーカソイドの男性です。SCP-1157個体の1人(SCP-1157-1と呼称)があるテロリスト集団の一員であるとしてアリゾナ州███████の地元警察に自首した際に、対象の異常な特性が発見されました。SCP-1157が警察の留置所にいる間に分岐イベントが発生したことで財団の注意を引き、封じ込めおよび研究のためセクター07に移送されました。
およそ4週間ほどの間隔で、全てのSCP-1157個体が3:08AM ESTに同時に分岐イベントを発生させます。SCP-1157が眠っている間に、各個体が2体の同一個体に分裂します。分岐イベントは強い光とエネルギーの放出を伴うため、機械による記録ができません。SCP-1157が身に着けていた衣服その他は、対象が寝ていたベッドの上に配置されます。
プロトコル-G7は分岐イベント後すぐに実行されます。収容エリアが沈静ガスで満たされます。ガスマスクを装着したセキュリティチームが収容室内に入り、生成された対象を安楽死、研究、廃棄のため持ち出さなければなりません。
SCP-1157は限定的な意思共有の能力を持ちます。各個体各自の人格を持ち別個の行動をとることができますが、同時に他の全個体の表層思考や感情を感じ取っています。
対象へのインタビューによると、SCP-1157初期拘留の時点で既に分岐イベントが5回発生しています。収容後には3回発生しています。推測により、現在のSCP-1157の状況は下記の通りであると考えられています。
- 32の個体が収容中。
- 34の個体は死亡を確認。
- 45の個体は封じ込め後に安楽死。
- 86の個体が所在不明。
補遺1:
インタビュー対象:SCP-1157-1/1
インタビュアー:Torres博士
注:封じ込め後、2体のSCP-1157-1は隔離され個別にインタビューを受けた。
<ログ開始、20██/06/18 - 3:45PM EST>
Torres博士:君の例の特性がどんなものなのか、説明してください。
SCP-1157-1:眠るだろ、んで起きると俺がもう一人そこにいるんだよ。
Torres博士:こういうことは今までにもありましたか?
SCP-1157-1:何回か。先週で5回目だな。今は32人の俺がいて……違う……んなつもりはねえって……
Torres博士:なにか問題でも?
SCP-1157-1:へへ。あいつらにも俺らのことが聞こえるんだよ、それ以外のこともな。<対象は笑う>あいつらは俺が気に食わねえんだ。
Torres博士:君にも彼らのことが聞こえるのですか?
SCP-1157-1:ああ。怯えたいじめっ子の集団が耳ん中で叫んでやがる。他の奴らが見てるものも見える。俺がなるものが見える……違え……俺じゃねえ。てめえら。俺は、決めたんだ!<対象は目を閉じ深呼吸をする>悪い。あいつらが山ほどいるんでな。たまに我慢できなくなるんだ。
Torres博士:ええ分かります。よければ少し一人になりますか?
SCP-1157-1:<対象が笑い出す>
Torres博士:え、ああ。そうでした。申し訳ない。
<ログ終了>
追記:インタビューは防音室内で行われたのにもかかわらず、SCP-1157-1/2は会話内容を言葉通りに繰り返すことができた。
補遺2:事件報告
エージェント・Thomas - 機動部隊ガンマ-7指揮官
20██/06/21
SCP-1157-1のインタビューにより得られた情報を元に、機動部隊ガンマ-7はさらに3体のSCP-1157個体を逃亡前に捜索および捕獲することができた。しかしその後数週間の作戦では無人のアパートメントに辿り着くばかりで、手詰まりとなった。SCP-1157-1の協力に他の個体が気づき偽装情報を流しだしたことで、対象の有用性は著しく低下している。
Tress博士 - SCP-1157主任研究員
20██/07/10
2回の分岐イベントを経てSCP-1157-1(現在4体の別個体で構成されています。)は苦痛の増加兆候を示しています。財団の活動に対するSCP-1157-1の協力に関する議論は暴力的な争いに発展し、協力を拒んだ対象の死に繋がりました。増大するSCP-1157集団による心理的圧迫を避けるため、SCP-1157-1の全個体は無期限の沈静状態に置かれています。
エージェント・Thomas - 機動部隊ガンマ-7指揮官
20██/07/14
未収容SCP-1157の間でやり取りされていたEメールを傍受したことで、多数の標的が利用していた隠れ家を発見することに成功した。機動部隊ガンマ-7による襲撃において小型火器の反撃を受けたため、やむなく2体を終了し、7体を捕らえた。標的の所有していたコンピュータと通信記録からSCP-1157が何らかの組織に追われていると気づいていることが判明したが、財団それ自体については何の情報も持っていないようだった。SCP-1157の所有品から標的の挙動の証拠を調べるため、調査班の派遣を要請する。
Tress博士 - SCP-1157主任研究員
20██/08/22
SCP-1157へのインタビューにより、対象の自己愛的人格、不信感の増大、SCP-1157以外の人間に対する侮蔑が明らかになりました。対象はまた、研究員から重要な情報を引き出すための引っ掛けの技術を急速に高めていることが見て取れます。SCP-1157-1以外の対象はいずれも非協力的です。
エージェント・Wilson - 機動部隊ガンマ-7副官
20██/08/29
エージェント・Thomasは先のSCP-1157襲撃において、他のガンマ-7隊員2名とともに殉職しました。奴らはこの1ヶ月を訓練と武器の貯蔵に費やしていました。標的が潜んでいた倉庫には我々の3倍のSCP-1157がおり、全て武装していました。16体を捕らえ31体を殺害しましたが、発見時よりも多くのSCP-1157が所在不明になっているものと考えられます。ガンマ-7の人員および資財を少なくとも3倍に増やす申請を検討中です。
Tress博士 - SCP-1157主任研究員
20██/09/22
分岐イベントの直後、収容済みのSCP-1157個体がセクター07からの脱走を図って暴動を起こしました。増大した人数でもってプロトコル-G7チームを襲ったのです。増援により暴動は鎮圧され、その後は問題なくプロトコル-G7を完了しました。収容手順は更新され、SCP-1157は個別の部屋に1週間移動されました。5日後、全てのSCP-1157個体が個室の壁に下記の文章を刻み込みました。"お前らには俺を閉じ込められっこねえ。お前らの手から一人が抜け出しゃ、一年後には何千にもなって帰ってくるぜ。"
O5メモ:収容するSCP-1157の数を減らす提案は却下する。沈静状態に置いた我々のSCP-1157-1個体は数を増やしつつある。ガンマ-7が好戦的個体の数を無事削減することができれば、協力的な多数派により残党を寝返らせることができるだろう。その時まで、SCP-1157には優位に立っていると考えさせておく必要があるのだ。
ページリビジョン: 8, 最終更新: 21 Feb 2024 12:28