警 告
この報告書は旧版のものです。
現在のSCP-1157-JPについては新版報告書を参照してください。
アイテム番号: SCP-1157-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1157-JPは敷地内全域を不可視性の織布で覆い、フェンスで囲んだ上、カバーストーリー"建物の老朽化による崩落の可能性"を流布して一般人の侵入を防ぎます。担当エージェントは日に1度巡回を行い、新しく出現したSCP-1157-JP-AについてリストSCP-1157-JP-Aに記載してください。
説明: SCP-1157-JPは███県██市に所在する私立████小学校です。生徒数の減少により200█/██/██に廃校となっており、内部は荒れ果てています。
SCP-1157-JP内部では10歳の日本人女児の死体(SCP-1157-JP-Aに指定)が日に1~100体程度出現し、201█/█/██現在███体が発見されています。SCP-1157-JP-Aはいずれも同一の遺伝情報を有していますが、その身元は特定されていません。また出現が新しくなるにつれ、頭蓋骨から角のような器官が形成されてきていることが確認されています。SCP-1157-JP-Aの出現する場所や数の法則性については不明です。
SCP-1157-JP-Aの出現リスト
発見数 | 発見状況 |
---|---|
1体 | 中央に位置する柱の内部に確認。角がみられないことから最も古いものだと思われる |
8体 | 4-1教室で発見。窓から身を投げ出していた |
39体 | 屋上プールで発見。プールサイドに並んでいた |
4体 | 体育館の用具倉庫から発見。隅に"体育座り"と称される格好で座っていた |
12体 | 理科準備室で発見。棚の用具・書類を引き出すようにもたれ掛かっていた |
3体 | 音楽室で発見。グランドピアノの上に積み重なっていた |
97体 | 校長室で発見。事務机に群がり、中の書類を引き出すようにしていた |
1体 | 校庭の地中から発見。未知の手段によって校庭の土が盛り上がり、鏡文字1が出現した後、その場所から人差し指を立てた状態で掘り起こされた |
SCP-1157-JPは200█年、廃校後に訪れた元教員からの「女の子の死体がある」という通報を受けて発見されました。創立から廃校に至るまでの██年間、SCP-1157-JPに異常性はなかったと考えられており、突然この異常性が発現した理由は不明です。
SCP-1157-JPは19██年に要注意団体である如月工務店によって建造されたと判明しています。以下は校長室のSCP-1157-JP-Aが発見時に掴んでいた関連文書ですが、後半の文章が裁断により失われている点に注意してください。
添付文書-A-1
昭和██年██月██日
茨田 ██2様へ
有限会社 如月工務店
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度は████小学校の建設という未来へ繋がる事業をご依頼頂きました事、大変喜ばしく思います。
目まぐるしく移り変わるこの世の中、子供達の故郷像となる小学校という施設を永遠に運営できるものとしていきたい、という茨田様の姿勢に社員一同感銘を受けております。つきましては永遠に残る████小学校となるよう、可能な限り茨田様のご依頼に応えさせて頂きたいと思います。
補遺: 201█/█/██、████病院における茨田 ██氏へのインタビューの際、エージェント・阿久良が突然茨田氏を殺害する事案が発生しました。以下はその記録です。
対象: 茨田 ██氏
インタビュアー: エージェント・阿久良
付記: 茨田 ██氏は重度の老化により記憶障害を抱えています。
<記録開始>
エージェント・阿久良: 茨田さん、こんにちは。
茨田氏: 何だ。誰だね、きみは。
エージェント・阿久良: 阿久良と申します。████小学校の初代校長をやっておられた、という事でインタビューに伺いました。
茨田氏: ████小学校……ああ、そうだ、そうだ。何が聞きたいのかな。
[重要度の低い質問を数個挟んだ為割愛]
エージェント・阿久良: ████小学校の建設を担ったのは、如月工務店という会社とお聞きしましたが。
茨田氏: 如月工務店? ……そうだったな。そうだ。仕上がりも早いし、良い仕事をしてくれたよ。
エージェント・阿久良: ████小学校から、女児の遺体が発見されました。此方の写真です。
[エージェント・阿久良がSCP-1157-JP-Aの写真を茨田氏に見せる]
茨田氏: [沈黙]
エージェント・阿久良: この女の子ですが……。
茨田氏: [沈黙]
エージェント・阿久良: ……見覚えはございますか?
茨田氏: ない。
エージェント・阿久良: [沈黙]
茨田氏: 知らない子供だ。死体? 私は関係ないぞ。
エージェント・阿久良: [沈黙]
茨田氏: おい、聞いているか? もしや君は私を陥れようと―
エージェント・阿久良: 約束を違えたな。
[エージェント・阿久良が腕を振り上げ、異常な筋力によって茨田氏の頭を粉砕する。続けて4度茨田氏を殴りつけた後にエージェント・阿久良は昏睡状態に陥り、床に倒れる]
[茨田氏の死体が未知の手段により消失]
[看護師が駆けつける]
<記録終了>
追記1: SCP-1157-JPに未知の精神影響がある可能性を踏まえ、SCP-1157-JPのオブジェクトクラスは直ちにEuclidへ再分類されました。201█/██/██現在、エージェント・阿久良は未だ昏睡状態です。
追記2: このインタビューをもってSCP-1157-JPの異常性が変化しました。詳しくは新版の報告書を参照してください。