
発生から約40分後のSCP-1159-JP
アイテム番号: SCP-1159-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1159-JPの対象となった監視カメラは全て撤去作業を実施の上、サイト-76内の低脅威度保管ロッカーによって収容が実施されます。また、必要に応じて同位置に非異常性の監視カメラの設置が行われます。
説明: SCP-1159-JPは不特定の建設物に設置された監視カメラ、もしくは監視カメラの撮影映像に対して発生する異常現象の総称です。当オブジェクトの影響下にある監視カメラの出力映像は、全て複製能力を保有するようになります。それらは完全に同一の複製ではなく、建設物内の別所を撮影している映像であることは特筆すべきものです1。しかしながら、撮影地点と推測される箇所の付近の捜索は、それらの記録、撮影を可能とする機器の発見には至らないという結果を示しました。そして、この複製能力は結果として映像容量の著しい増加を引き起こし、カメラが接続された記録機器の故障、或いは破壊を招きます。
これらの異常は影響下の監視カメラそのものを移動、或いは撤去する事によって取り除くことが可能です。ただし、それらの監視カメラを別所に設置した場合、この異常性は再度確認されるようになります。
当オブジェクトの複製能力に関するサイト-76内での調査では、出力映像が以下のような手順を伴って複製される事、或いは複製に伴う例外的な異常性の喪失事例が存在する事が判明しています。以下はそのタイムラインです。
- 不特定の時間経過と共に、出力映像内の1画面がノイズを伴って映像出力を停止する。これらのノイズはタイムラインの終了まで継続する。
- ノイズが発生した出力映像画面が特定のサイズまで円形に縮小し、次点で上下、或いは左右に引き伸ばされる形式で楕円形の出力映像へと変化する。その後、「仕切り」によってそれらの出力映像が分断される。
- 分断後、それらが他の出力映像、並びに上記にて出現した仕切りに対して吸着するようにして凡そ長方形に拡大される。拡大の終了に伴い、それぞれが別箇所の座標地点の映像出力を再開することにより、一連のタイムラインが終了する。
これらの発生回数や時間帯に規則性はありませんが、この一連のタイムラインは24時間をかけて断続的に進行します。結果として出力映像の数は実験による観測上で最低5024、最高で6098を記録しています。なお、24時間の経過と共に、全ての画面がノイズを伴って映像出力を停止し、仕切りが消失することで再び1つの映像出力画面へと移行します。そして再度、タイムラインに従って異常性が発生します。例外として映像の長方形の拡大後、出力画面が座標地点に戻ることなく、ノイズが継続する場合が存在します。その場合、タイムラインの終了と同時に対象となっていた監視カメラの機能、並びに異常性が喪失します。
補遺 1159-JP: 発見経緯
当オブジェクトの正確な起源は定かではありません。最初に発見されたのは1999年、ミック・アースキン氏の邸宅に設置された監視カメラによるものからでした。
ミック・アースキン氏は発見当時既に悪性中皮腫によって死去しており、その要因であったと推測される、邸宅の建材に用いられた多量のアスベストに関しての訴訟中2、邸宅内よりSCP-1159-JPの影響下に存在する監視カメラが発見されました。
その後、財団は一時的に裁判への介入を実施し、ミック・アースキン氏の邸宅の調査が実施されましたが、この際に発見された機能中の監視カメラは1個体のみであり、それ以外の全ての監視カメラは故障、或いは機能を停止していました。調査の結果、これらはSCP-1159-JPの影響下にあった可能性が高いと推測されています。