SCP-1161-RU
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SCP-1161-RU

SCP-1161-RU

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スメフノフ博士の助手による
当オブジェクト模写の試行結果。

アイテム番号: SCP-1161-RU

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1161-RUはサイト-3の低危険性保管ユニットの施錠されたコンテナに保管するものとします。 また当コンテナは強化ガラス製とし、かつ遮光性の厚い布で覆うようにしてください。SCP-1161-RUへのアクセスはセキュリティクリアランスレベル1以上かつ、モロゾフ博士1からの許可状を提示した研究職員に限定されます。

説明: SCP-1161-RUは立像であり、キトン2を身につけた古代ギリシャの老齢な男性をかたどっています。この像は両手が欠損しているという点を除けば状態は良好です。放射性炭素解析は当オブジェクトが紀元前4世紀のものであることを示しています。当オブジェクトはロシアによる考古学調査により2001年、クリミアにある町・フェオドシヤ市周辺での発掘の際に発見されました。SCP-1161-RUは市立美術館より2013年に回収されました。当時、当オブジェクトを練習画題に選んだ現地美術学校の生徒らにその異常性が発現し始めていました。美術館には写真をもとに作成した当オブジェクトの複製を置いてあります。

このオブジェクトの異常性は、写真技術の発明以前にすでに存在していた芸術的・応用美術的な手法を用いた場合に、像の頭部が模写できない点にあります。スメフノフ博士3により、素描、絵具を用いた描画、モザイク画、ビーズや糸を用いた刺繍、コラージュ4、彫刻、石版画、薄浮彫り、木材を用いた焼き絵、絨毯画といった手法が試されましたがいずれも成功しませんでした。SCP-1161-RUを取り扱っている間の被験者は、自身が選択した表現技法に対する理解・技術の一切を喪失していました。彼らによれば像の頭部を模写しようとした際は、画具等を然るべき位置に把持することすら著しく困難だったようです。作品の素材や用いる道具の選び方は得られる結果に影響を及ぼしません。

このオブジェクトの異常性は、産業化時代に出現した表現技法には発現しません。SCP-1161-RUは写真フィルムや映像フィルムに撮影することができ、デジタルカメラに収めることやグラフィックソフト (ラスター編集ソフトやベクター編集ソフト、3Dモデリングソフト等) で描くこと、3Dプリンターで印刷することもできます。SCP-1161-RUを撮った写真や映像はオリジナルに見られた異常性を呈しません。

補遺1: インシデント1161-RU-1

2013年6月29日午前、スメフノフ博士が死亡しているのを、彼のアシスタントであるモロトフ次席研究員5が発見しました。博士の遺体は研究室の床、当オブジェクトのすぐ近くにありました。記録帳によればスメフノフ博士が前勤務日の始業時点から現場にいたようです。以前にも彼はよく時間外の夜間労働をしていたため、保安部門も今回のことに違和感を抱きませんでした。監視カメラの映像記録から00:43時点では彼はコンピュータワークをしていたことがわかっています。約1分後に彼はタイピングをやめて考え込み、そしてノートと鉛筆を手に取りオブジェクトの方を向いて、カメラを背にして座りました。このノートはスメフノフ博士の遺体のそばにて発見されましたが、彼はこれを強く抱きしめていました。1ページを除いて、すべてのページが破られていました。遺体周辺にてノートのページ多数が床に散乱しているのが発見され、そこにはSCP-1161-RUが描かれていましたが、その内容は過去に当オブジェクトを模写しようとした際に見られていたものと違いはありませんでした。 ただ一方で、ノートに唯一残っていた1ページに描かれていた絵には注目すべき点がありました。以前のものと異なり、描かれた像の頭があるべき場所には起源不明な炎で焼かれた跡がありました。火元は専門部署にも特定できませんでした。スメフノフ博士の死因は心停止でした。その表情は驚愕に固まっていました。特筆すべきは、精密医療検査の結果彼が死亡したのが遺体発見の3時間前だったことです。つまり結果的に、スメフノフ博士は4時間も休憩なしで当オブジェクトを扱っていたことになります。

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