SCP-1168
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アイテム番号: SCP-1168

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1168はセクター19の気密収容ユニットに格納します。プロファイルアルファ-1168(参照:補遺1)またはプロファイルベータ-1182(参照:補遺2)に該当する人員はセクター19への割当が承認されることはありません。

説明: SCP-1168は、銅製の彫刻です。ゲオルギウス・フィタリスによって製作された“テーセウスの像”という作品と同一に見えますが、以下のような差異が見られます。

  • 製作された年代は、本物の“テーセウスの像”より、少なくとも██年以上遅いと見られています。
  • 彫刻の左手には、西暦30年頃の銀硬貨が30枚収まっています。硬貨には子供向けレストラン“チャッキー・チーズ”社のアーケードゲーム用コインの、1977年の意匠が刻印されています。
  • テーセウスの盾の外側には、“Ἀπόδοτε οὖν τὰ Καίσαρος Καίσαρι1という碑文があります。
  • テーセウスの盾の内側には、ローマの抒情詩人カトゥルスの第64歌から抜粋された、“SIC DOMITO SAEVVM PROSTRAVIT CORPORE THESEVS2という碑文があります。この碑文は彫像が回収された少し後に刻まれたようです。どのようにしてこの碑文が彫り込まれたかは現在も不明です。

SCP-1168は不活性状態にある間はなんらの異常な特性も示しません。彫刻の右手に170m以上の糸が置かれると、オブジェクトは活性化します。SCP-1168は糸を掴むように右手を閉じ、糸は異常な手段によって消失し、SCP-1168は“待機”状態に移行します。

Statue_of_Theseus,_Syntagma_Square._Athens._Greece.jpg

収容前、不活性状態にあるSCP-1168。エージェント ムスティスラウ・チェルノフが撮影した元写真から切り抜いたもの。

SCP-1168が“待機”状態にあるときは、プロファイルアルファ-1168-1あるいはプロファイルベータ-1168-1に該当する人間がSCP-1168の影響範囲の半径内3に立ち入るまで、不活性状態のように見えます。

プロファイルアルファ-1168-1に該当する対象がSCP-1168の効果半径に入ると、SCP-1168は右手の把握を緩め、右腕を動かして第三指を対象に少なくとも5秒間4向けてから、“待機”状態に戻ります。この後、その対象はSCP-1168-1に指定されます。

プロファイルベータ-1168-1に該当する対象がSCP-1168の効果半径に入ると、SCP-1168は左腕を動かして2本の指を対象に少なくとも10秒5向けてから、“待機”状態に戻ります。この後、その対象はSCP-1168-2に指定されます。

SCP-1168-1とSCP-1168-2が同時に存在する場合、SCP-1168は非活性化し、SCP-1168-1は瞬間的に1本の棍棒を実体化させてから、3m×3m×3mの氷の立方体に包み込まれます。SCP-1168-2はSCP-1168-1を探し出し、儀式的な交流を始めます(参照:補遺3)。それが終わると、対象者にSCP-1168-2の指定は適用されなくなります。

SCP-1168-1を包み込んだ氷は、如何なる干渉からも影響を受けずに、1日あたり176mLの速度で融解します。氷から解放されると、対象者にSCP-1168-1の指定は適用されなくなります。

補遺1:
補遺2:
補遺3:
補遺4:
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