SCP-1174-JP
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SCP-1174-JP (左奥)

アイテム番号: SCP-1174-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 各国の身柄拘束施設には財団職員1名以上が配置され、当オブジェクトが出現した場合、速やかに監視体制に移行します。SCP-1174-JPを撮影した記録メディアは回収が実施され、関係者への記憶処理が行われます。

説明: SCP-1174-JPは4体の男性実体群の総称です。当オブジェクトの外見は財団外部の記録も含め、白人系の中年期の顔立ちで一貫しています。

当オブジェクトは各国の身柄拘束施設の外部、或いは内部においてしばしば発見されます。出現の瞬間を捉える試みは現在までに成功していません。観察記録によると、SCP-1174-JPは出現から30分~1時間の間、英語にてコミュニケーションを行いながら移動を行います。また、移動中に直接遭遇した人物は当オブジェクトらを、特定の職業1の人物と認識し、SCP-1174-JPが施設内外で活動する合理的な理由付けを行います。結果的に、オブジェクトが活動を終了し、その場から消失した後についてもSCP-1174-JPに関しての異常を認知する事はできません。

特筆すべき点として、基本的にオブジェクトは集団で活動するにも関わらず、特定の一個体(以下:SCP-1174-JP-A)はそれらの集団から離れようとします。殆どの場合、別の個体に引き留められる、或いは発見される形式でその試みは失敗します。しかし、その試みが成功した際、SCP-1174-JP-Aは施設内の人員への英語によるコミュニケーションを行い、死体安置所への進入に対する強い要望を示します。ただし、現在までにこの試みが成功した例は存在していません。


補遺1 1174-JP: 発見経緯

当オブジェクトの発見経緯として、上記のSCP-1174-JP-Aの行動が挙げられます。1986年8月22日、オレゴン州立刑務所内にてSCP-1174-JP-Aが偽名2を使用し、小説の実地調査という名目で死体安置所への進入を要求しました。それに対し、刑務官が公的な許可文書を求めると、SCP-1174-JP-Aは困惑した様子を見せ、速やかに集団へと合流しました。それに関しての記録を同刑務所内にて勤務していたエージェントが発見、情報の精査を実施したところ、当オブジェクトの存在が明らかとなりました。


補遺2 1174-JP: 映像記録

2016年8月22日、ライカーズ刑務所内にて当オブジェクトの出現から7分後、1個体がSCP-1174-JP-Aに対して発砲するケースが確認されました。それによってSCP-1174-JP-Aが負傷した様子は確認されませんでした。以下はその際に記録された映像と英語から翻訳された音声の書き起こしとなります。

付記: SCP-1174-JP-Aは現在までの情報と同一の個体、その他の個体を暫定的に-B、-C、-Dと記述しています。

<映像開始>

[SCP-1174-JP-Aが集団から外れようとする。それをSCP-1174-JP-Bが肩を掴むことで物理的に停止させ、同個体が激昂したそぶりを見せる。]

SCP-1174-JP-B: いい加減にしてくれ。当初の目的を忘れているんじゃないか?

SCP-1174-JP-A: 忘れてなんかいないさ。ただ、もう— 疲れたのさ。30年、レールの上を外れても尚、こうやって歩き続ける事に。

SCP-1174-JP-C: 30年? もうそんなに経ったか。僕らがレールを歩くのをやめたのは、いつの話だったっけ。

SCP-1174-JP-A: 25年前。これ以上探しても、アレが見つからないとわかったから、もっと落ちてそうな場所を選んで来たんじゃないか。それでも見つからないなら、もう諦めるべきだ。終わりにしよう、3人とも。

[SCP-1174-JP-Aを除いた他の個体が顔を見合わせて沈黙する。SCP-1174-JP-Aは頭を抱えてその場で立ち止まる。]

SCP-1174-JP-A: 俺は、もう止めるよ。

[SCP-1174-JP-Dがスーツの内ポケットから拳銃を取り出し、SCP-1174-JP-Aの足元へと発砲する。SCP-1174-JP-Aは一歩後ずさるようにして退く。]

SCP-1174-JP-D: ゴーディ。僕たちは仲間だ。そうだろう?

[SCP-1174-JP-DがSCP-1174-JP-Aへと銃口を向ける。SCP-1174-JP-Aはゆっくりと両手をあげる。]

SCP-1174-JP-A: そうだな。仲間だ。紛れもない仲間だよ、クリス。テディにバーンだってそうさ。みんな大切な仲間だ。あのひと夏から始まった冒険を、忘れたことは無い。

SCP-1174-JP-D: だったらずっと俺たちの傍にいてくれよ、ゴーディ。

[SCP-1174-JP-DがSCP-1174-JP-Aに握手を求める。SCP-1174-JP-Aは握手に応じ、再び集団での移動を開始する。]

<記録終了>

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