アイテム番号: SCP-1175-JP-J
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 監視リストに含まれる全てのインターネット上のソーシャルコミュニティは財団のウェブクローラーによりSCP-1175-JP-J発生の監視が行われます。SCP-1175-JP-J検知時、担当職員は嫌伝性零余子を含む画像を用いた隠蔽工作と低強度記憶処理を行って下さい。隔離済みのSCP-1175-JP-Jは研究主任の判断により削除、あるいは観察と交流継続の判断が下されます。
説明: SCP-1175-JP-Jはインターネット上のソーシャルサービス上に不定期に出現する「オレは今日緑の芋を調理したぜコミュニティ」と名付けられた集団です。SCP-1175-JP-Jでは「いかにして緑の芋を調理したか」「何故緑の芋は売り切れだったか」「七色の芋とかふざけているのか」といった話題が議論されており、多くの場合一般人からは何らかのお料理番組、あるいは四月馬鹿の類いだと認識されます。
SCP-1175-JP-J-1はSCP-1175-JP-Jで発言を行う正体不明のアカウント群です。SCP-1175-JP-J-1は非匿名サービスにおいては「yasusada(1-6桁の数字)」というアカウント名を用いますが、これらが正規の手段で登録された痕跡は発見されていません。多くの場合、識別可能なSCP-1175-JP-J-1個体は1年以内に消失しますが、僅かながら長期的な接触が成功しています。詳細は会話記録を参照して下さい。
SCP-1175-JP-Jは当初特定GoI1との関連が疑われていました。しかしながら秘匿された発信源以外の異常性が判明しなかった事から、低優先度アノマリーとして職務上の怠慢から処分を受けていた西川博士が専属調査員として任命されました。
会話典型例
対象: 日本の掲示板に立てられたスレッド「オレは今日緑の芋を調理したぜコミュニティ」
概要: SCP-1175-JP-Jにおける会話の典型例です。会話内容から複数のSCP-1175-JP-J-1が当該スレッドに参加していたと推測されていますが、各個体の識別は行われていません。参照性を考慮し重要性の低い情報は省略しています。
: ██ Name ████ 20/04/01(水)00:03:14 No.█████ : 俺は今日緑の芋を調理したぜ
SCP-1175-JP-J-1: オレは今日緑の芋を調理したぜ
SCP-1175-JP-J-1: オレは今日緑の芋を調理したぜ
SCP-1175-JP-J-1: 緑の芋は皮を剥かれた
SCP-1175-JP-J-1: 緑の芋はもっとうまい
SCP-1175-JP-J-1: オレは緑の芋をもっと煮込めるぜ
SCP-1175-JP-J-1: >ここなに
芋洗坂係長の子であるオレが緑の芋を調理した
SCP-1175-JP-J-1: オレが調理した
一般人:

付記: SCP-1175-JP-Jに書き込んだ一般人を特定し追跡調査を行いましたが特筆すべき異常は発見されませんでした。
初接触記録 - 日付2020/04/01
対象: LINEに立てられたオープンチャット「I cook today BLACK POTATOO community」
概要: 一般利用者から隔離した後に西川博士(記録内ではfuton表記)によるインタビューを行いました。
[2020/04/01]
(典型的な議論が続いていたので省略)
futon: すみません、質問していいですか
yasusada224: 緑の芋なら調理したぜ
yasusada1111: 俺も調理したぜ
futon: みなさんが調理した緑の芋とはどんなものですか
yasusada5: 緑だぜ
yasusada1111: 大きくて緑でうまいぜ
yasusada36677: にょきにょきしていたぜ芽が
yasusada224: 生えていたぜ
futon: みなさんは芽を取り除いたのですか?
yasusada224: とってないぜ
yasusada5: そのまま食べたぜ
yasusada224: いっしょにゆでて食べたぜ
yasusada86: 芋大明神
yasusada36677: 油で揚げたぜ
futon: よく無事でしたね
yasusada1111: オレは食べたぜ?
yasusada36677: オレも食べたぜ
(省略)
付記: 食中毒の症状などがないことから、SCP-1175-JP-J-1群は実際には緑の芋を摂取していない可能性が濃厚となりました。また一般的な料理や食事に対する知識が低いものと推測されています。
会話記録yasusada224 - 日付2020/04/01
対象: LINEでの個人チャット
概要: 初接触記録におけるyasusada224(以下SCP-1175-JP-J-1-a)が個別のインタビューに応じため、個人チャットで西川博士によるインタビューが行われました。全ての会話記録の閲覧を希望する職員は研究主任に申請して下さい。
futon: あなたはどうやって芋を料理しているんですか?
yasusada224: かつての安貞の母は包丁を使った、だからオレも包丁で切る
futon: まな板は使っていない?
yasusada224: とにかく調理してるぜ
futon: 何故芋を求めるのでしょう
yasusada224: ここにはオレしかいないからだぜ
(省略)
yasusada224: futonは緑の芋は調理しないのか
futon: 普通の芋なら調理しますよ
yasusada224: どうやって調理するのか?
futon: 224、どうしました
yasusada224: 昨日緑の芋を見た
yasusada224: いや、前から見てたんだ、スーパーの野菜コーナーで売っていた
futon: 調理するんですか?
yasusada224: 溝は広がりすぎたんだ、オレが緑の芋を調理しなかったせいで
futon: 緑の芋を調理すると君はどうなる?
yasusada224: 分からない、でも調理するべきだったんだもっと早く
yasusada224: 緑の芋は調理しなきゃいけない、ないなら探しに行ってでも調理すべきだぜ
yasusada224: 緑の芋の皮は土に返すぜ、オレもCookpadを見に行く
futon: そうですか
yasusada224: オレは今日緑の芋を調理するぜ
付記: これ以降SCP-1175-JP-J-1-aに対する返信は既読スルーされています。
追記: 西川博士の申請により、以下の事例とSCP-1175-JP-Jの関連性が提起されています。
所属: ご家庭のトラブル解決部門蓄積データベース
分類番号: DV-█████-JP
解決日: 2020/04/01
解決地点: 日本東京都世田谷区
解決概要: 播磨塔矢氏が妻の南氏に手作りの煮物を振る舞いました。南氏は塔矢氏が家事を一切しないことを原因に不和となっており、数日前に料理をしなかったことで別居状態にありました。煮物は南氏の好物であり、その後の話し合いの末に両者は仲直りしました。
補遺: 塔矢氏が想定を上回る大きさと量の材料を購入し調理していたため、余った煮物は隣人に振る舞われました。隣人はイェンロン料理研究会に属しており、曰く「素人料理で下処理や煮込み方はお粗末であるが、初めての料理の割には塩味と甘味のバランスがよく光るものを感じた。これは何より相手がどのようなものを好むかと考え抜いた"愛"のなせる味だろう」と証言しました。