SCP-1185
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-1185

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現在知られているSCP-1185の全実例はサイト-██で保管状態を維持しますが、SCP-1185-3は例外として、元の場所に設置したまま常時監視下に置かなければいけません。保管中のSCP-1185実例は、常に土壌や他の有機媒体から隔離します。実験で使用される土壌や有機媒体は、実験に利用するSCP-1185実例がエリアから除去されるまでは、外部との接触が無いように隔離してください。

説明: SCP-1185は、同一製造業者のマークと異常な影響力を特色とするガソリンポンプ群の総称です。SCP-1185実例の年代およびデザインは様々であり、全てのケースにおいて同じ施設に設置されている他のポンプと同一の機種に見えます。最古の既知の実例(Gilbarcoモデル66型ポンプに類似、かつ同型機と共に設置)はチリの農村に19██年から20██年の発見まで据え付けられており、最新の実例(Dresser Wayne Century 2200シリーズに類似)は財団エージェントによって発見・除去された時、設置から僅か1ヶ月でした。

現在知られている全ての実例はポンプの基部に同一製造業者のマークを有していますが、目に見える部分にある他のマークは全て外見上のモデルおよびメーカーとして正常なものです。基部のマークは”ライブウォーター株式会社”という、恐らくは架空の、存在が未だ実証されていない企業に言及しています。SCP-1185実例が据え付けられていた給油所の従業員および経営者は、そのような企業についての知識を有さず、全てのケースにおいて配送・設置は異常性の無いポンプの一般的な方法と同一でした。

土壌に近接している時、SCP-1185実例は基部から土壌に向かって繊維状の蔓を伸ばします。この蔓の組成物は金属であり、実例と土の間に存在するであろうコンクリートやアスファルトを数インチほど貫通できます。適切に栄養豊富な土壌と接触すると、これらの蔓は分岐して、金属繊維で出来た擬似根系を形成します。蔓を構成する材質は未知の金属化合物であり、蔓が乱されると急速に不安定化して種々の金属イオン(主に鉛と銅)に分解します。繊維は中空であり、ポンプへと有機分子を搬送できます。ポンプ内において、有機分子は未だに未確定である一連の化学反応を経て、ガソリン燃料の成分分子に変換されます。燃料の正確な組成は実例ごとに変化し、概してポンプの設置期間中に生成されるガソリンのそれと一致します。変換プロセスには明らかなメカニズムが無く、土壌から抽出された物質はポンプを通り抜けながら自然分解して新たな分子構造に組み立て直されるように見えます。ポンプの分解と再構成は異常性質に影響を与えず、他の同型ポンプに実例の構成パーツを組み込むと、そのポンプの全てのパーツが同じ異常性質を帯びることになります。

設置されて間もないSCP-1185実例は、接触点の半径1mにある土壌から有機材質を吸い上げます。供給が不十分になるレベルまで土壌資源が吸い取られるとポンプの蔓はさらに拡張し、その結果として影響力がより広い範囲を網羅すると共に、土壌資源の更なる枯渇を齎します。ポンプが動作し続けると、土壌有機物の含有量はますます広範囲にわたって枯渇し、その地域の植物や地上性動物に栄養不良を引き起こし始めます。ポンプの使用が特に長期または頻繁な場合は、ポンプが全ての利用可能な有機資源を消費・加工する事による完全な生態系の破壊が発生し得ます。

補遺1185-001: ██/04/13、以前SCP-1185-1が設置されていた給油所の定期検査で、除去された実例の代替品として購入された新しいポンプに同様の異常性が判明しました。新しいポンプは、経営者の銀行取引明細書によると、一緒に使用されている他の非異常ポンプ2機を提供している同じ会社から購入されたものでした。インタビューの転写によると、企業の代表者が給油所の経営者と会い、かつて設置されていたポンプの故障(というのが機動部隊によるSCP-1185-1の撤去および確保のカバーストーリーでした)による利益損失を相殺するために代替品のポンプを大幅に値下げしてくれたとのことです。財団調査員が問題の会社の記録に接触して調査を行った結果、新しいポンプは確かに出荷されていたものの、代表者が送られた事も割引をした事実も無く、値下げ無しの通常価格で代金を受け取っていたことが明らかになりました。代表者の正体と余分な資金の出所については現在調査中です。SCP-1185-3と指定されたポンプは現在地に据え付けたままになっており、オブジェクト製造者または改造者との更なる接触の確立を期待して監視下に置かれています。

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