SCP-1185-JP
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アイテム番号: SCP-1185-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1185-JPはサイト-81██の収容室に、電源を切った状態で収容されます。現在、SCP-1185-JPを使用した実験、及びその他の目的での使用は全面的に禁止されています。

説明: SCP-1185-JPは、福岡県の地方銀行である筑前銀行の現金自動預け払い機(Automated Teller Machine, ATM)です。SCP-1185-JPを全国銀行資金決済ネットワークに接続した状態であれば、通常のATMのように預け入れ、引き出しなどができます。通常の筑前銀行のATMと違い、筑前銀行が提携していない金融機関の口座にもアクセスすることができます。

SCP-1185-JPの異常性は、SCP-1185-JPの使用者に何らかの依存症の傾向が見られる場合に発現します(以下、そのような使用者をSCP-1185-JP-1と呼称する)。SCP-1185-JP-1になりうる人物がSCP-1185-JPに通帳またはキャッシュカードを挿入し、何らかの機能を利用するために暗証番号を入力すると、SCP-1185-JP-1名義の口座残高が増加します。同時に、SCP-1185-JP-1の依存対象が消失し、SCP-1185-JP-1は依存対象に対して一切の興味を示さなくなります。依存対象の消失は、SCP-1185-JP-1が直接関与している範囲でしか起こりません1。また、この異常性はSCP-1185-JPの使用者と口座の名義人が異なる場合には発現しません。

SCP-1185-JPによって増加する金額は、基本的にSCP-1185-JP-1が依存対象に費やした金額と一致しています。もしSCP-1185-JP-1の依存対象にSCP-1185-JP-1が直接購入していないものがある場合は、依存対象の一般的な値段と使用量により増加する金額が決定されます。

SCP-1185-JP-1名義の口座の取引明細には、SCP-1185-JPを使用した年月日付で、「タンポポカメン」という名義で増加金額分の振込履歴が記載されます。現在までに、振込履歴を利用した振込元の特定はすべて失敗しています。

SCP-1185-JPは、福岡県北九州市の筑前銀行████支店に設置されていました。201█年██月██日、北九州市在住の無職男性(43)がSCP-1185-JPを使用した際に、口座残高が1,3██,███円増加していたことから異常性が発覚し、カバーストーリー「ATMのシステムバグ」を適用してSCP-1185-JPを収容、さらに筑前銀行の預金システムにハッキングを行い、振込履歴を削除しました。同日、北九州市のパチンコ店「█████」でパチンコ台1台がなくなっていると警察に通報がありました。パチンコ店の従業員とその場にいた客にはクラスB記憶処理を行い、カバーストーリー「故障したパチンコ台の回収」を流布しました。その後男性にインタビューを行ったところ、男性は当該パチンコ店の消失した台を頻繁にプレイしていたことが判明しました。また男性は「なぜあんなにパチンコにハマっていたのかわからない」とも供述しています。インタビュー後、男性にはクラスB記憶処理を行いました。

実験記録1185-JP: SCP-1185-JPを用いた実験記録です。実験手順は旧特別収容プロトコルに従っています。

追記: 201█年██月██日深夜、営業終了後のパチンコ店「█████」2に男██人が侵入し、店内を工具や金属バットで破壊する事件が発生しました。その後警察によって、犯行メンバーの1人である草野███という男が逮捕されました。警察の取り調べに対し、草野が「日本からギャンブル依存症を無くすために犯行に及んだ」という旨の供述をしていることが判明し、この事件とSCP-1185-JPの関連が疑われました。財団は草野の身柄を引き渡すよう警察に要請し、受理されました。
以下は草野のインタビュー記録です。

SCP-1185-JPの使用が「たんぽぽ仮面」に何らかの情報を渡している可能性を考慮し、SCP-1185-JPを使用した実験は凍結されました。また、Dクラス職員によってNPO法人「だんでらいおん」への潜入調査が試みられましたが、調査中に不明な原因によって通信が遮断されたため、有効な情報は得られていません。現在、調査に起用したDクラス職員の行方を捜索中です。

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