SCP-1199
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SCP-1199; エリア-25 工業研究所

アイテム番号: SCP-1199

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1199は本来の容器に入れた状態で中度セキュリティ収容ロッカーに保管します。レベル2以上のエリア-25職員は研究目的での利用が可能です。

説明: SCP-1199は製造元が不明の住宅用光沢ペンキの缶です。本品は古びてはいるものの、良好な状態を保っています。缶は体積の50%までアクリル塗料に似たベージュ色の液体に満たされています。実験を通して、缶を開封して中身を空けない限り、この液体の量は減少しないことが判明しました。初期の実験では液体中に微量のバイオマスが含まれることが明らかになっています。

塗料として何らかの表面に塗布すると、液体は微かな赤色から乾燥するに従って色褪せていき、最終的に乾き切ると青白い色合いになります。乾燥してから1時間以内に、塗装された表面は少量の熱を放射し始めます。程なくして、表面は僅かに皮脂油を分泌し始め、若干の光沢を帯びます。

顕微鏡検査は、ヒトの表皮と同一の構造を示しています。厚さ0.10mm以上のサンプルは角化層から基底層までの全ての表皮と、様々な厚みの淡明層を含んでいました。塗装面は周辺環境の汚れを吸着し、最上層を“剥離”させ、メラニン産生を介して紫外光に反応します。塗装面が日焼けした場合、塗装は塗布された場所から大きく剥がれ落ちます。塗装面が皮膚として機能する一方で、どれほど厚く塗っても血液サンプルを採取することは出来ませんでした。遺伝子検査は、塗料のバイオマスが本質的な混在状態にあり、一般的アングロサクソン系人種の異なるらせん構造を数多く含んでいることを明らかにしています。SCP-1199の生化学的エネルギーの源はまだ不明です。

研究者注: 特性実験中、監督下で取扱を行うDクラスは過去の芸術的傾向によって選ばれました。取扱を行うD-1199-1は表面塗装中に水疱・火傷、タコなどを作成することに成功しました。研究者に問題の技術を伝授するよう指示したところ、D-1199-1は同様の結果を得るように訓練することができました。D-1199-1は雇用期間中、当プロジェクトに配属され続けました。

塗料は工業溶剤を使用する、もしくは塗装面から掻き取って引き剥がすことによって除去できます。剥がれた層はヒトの皮膚に類似した弾力を維持し、最大で24時間は熱と汗を生成し続けます。塗料を剥がされた表面は、後を引く汗の臭い以外には異常性質を保持しません。適用部位に保たれている塗装は再生・発汗・日焼けをほぼ無期限に継続します。塗装サンプル1199-Aは塗布から13 Feb 2012 13:52が経過した本稿執筆現在もまだ健康です。

初期の医学的研究は、塗料が人間の皮膚には移植されず、普通のペンキのようにその上で乾くことを示しました。この場合も塗料は引き続き皮膚のような特性を保持し続け、中枢神経系と接続されていない二次表皮を形成します。医療用途、ならびに塗料が劣悪な環境に対して提供できるかもしれない保護についての研究は進行中です。

缶の中に収まっている間、液体の粘度は一定に保たれます。缶が異常性質を有している可能性についての調査は保留中医療面の研究が完了するまでは留め置かれています。

補遺: O5-█より: 「これは人間の生理に破壊的影響を及ぼす実験への恩恵を齎してくれるかもしれん。他のSCPとの交差研究をこれより許可する。」

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