SCP-120
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アイテム番号: SCP-120

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 財団におけるその重要性から、SCP-120には常時ビデオカメラによる監視と武装した警備員が配置されています。許可無くSCP-120を利用しようとした職員はすべてすぐに解雇されることになっています。SCP-120を利用したい職員は、申込み用紙(文書#120-23)を施設オペレーターに提出してください。

緊急時には効率的な運用に必要な正確なタイミングの調整を行う為、SCP-120の収容施設に配属している全職員は、当面の間施設長█████████(セキュリティ部隊)(レベル4職員)と█████████博士(研究チーム)(レベル4職員)の指揮下に置かれます。

全ての転送先は、監視カメラと武装した警備員によって保護されています。彼らは財団にとって貴重ですが重要ではありません。しかし、転送先が危険に晒された場合にはSCP-120の要員にすぐに報告されなければなりません。

SCP-120の機能と目的位置にある前哨基地の保護、維持を行うため、分散部隊シグマ-6("パドルジャンパーズ")が結成されました。本隊は司令部██のSCP-120施設に設置された特務部隊、防衛および整備のための部隊がそれぞれ1つずつ、各座標位置に設置された部隊5つとその予備部隊5つ、及び他のSCP-120関連プロジェクトに割り当てられた5つの部隊から成る部隊です。

説明: SCP-120は、内径約2.5m、深さ約0.3mの小さな子供用の水遊びプール(淡いピンク色)であるように見えます。プールは一般的なビニール製に見えますが、いかなる手段(概要の完全版は研究レポート#120-32を参照)を試みても破壊できないことが証明されました。プールの構造及び圧力をかけた際の反応は典型的なプールと同様(圧力を加えると凹む、柔らかな感触)の物ですが、驚くべき引張強度を持ち、決して伸びたり切断されることはありません。

プールの中には強く輝く有色の液体のような物質が確認されますが、それは我々の次元において部分的に見えているものに過ぎないようです。その物質を有機的、もしくは無機的な手段で動かそうとしても反応がありません。しかし、その物質は物理的に別次元に存在している事を示唆しており、定期的にかすかに光りながら、全体が規則的にさざなみを立てて動いています。

SCP-120の興味深く非常に便利な特性は、定期的に財団の職員によって使われています。37.8kg未満(衣類を含む)の荷物を持った生きた人間がプールに入ると、プールを通って落ちていき、11箇所ある目的位置の1つへとたどり着きます。これらの目的位置については補遺を参照して下さい。

この特性が機能するために必要な特定の条件は、遺伝的に人間である事、意識がはっきりした状態である事、指定された重量を超えない事、水面の上にいる人物は一人だけである事です。これらの条件が満たされない状態でSCP-120の利用を試みた被験者は、液体の下にあるプールの底に足がついたと報告しており、それ以外の結果は観測されていません。

SCP-120は、大規模な非常事態が発生した際に司令部-██のための避難手段として使用され、厳重に警備された別棟で維持・保存されています。避難手順を調べる際は、文書#120-22を参照してください。

SCP-120は、1992年8月31日に█████(カリフォルニア)の地方警察当局が、管区で行方不明となった子供たちを調査していた際に発見され、財団の注目を引きました。監督司令部は一般経路より自動的に送られてきた情報から、エージェントを対象の確保並びにサイト-19へと輸送する為に派遣しました。サイト-19では2年の間試験が行われました。

試験の後、1994年に現在の場所である司令部██へと動かされました。

補遺:

文書#120-7: SCP-120の破壊試験結果 1993年12月24日[簡略版]

30cmの手鋸: 損傷を認められず
工業用ドリル(鋼製ビット): 損傷を認められず
工業用ドリル(ダイヤモンド製ビット): 損傷を認められず
9x19mm パラベラム弾: 損傷を認められず
5.56x45mm NATO弾: 損傷を認められず
7.62x39mm弾: 損傷を認められず
120mmのM830 HEAT弾: 損傷を認められず
ガス溶断器(アセチレンガス): 損傷を認められず
ガス溶断器(水素ガス): 損傷を認められず
ガス溶断器(プロパンガス): 損傷を認められず
CO2レーザー(ピークのエネルギー:100kW): 損傷を認められず
CO2レーザー(ピークのエネルギー:500kW): 損傷を認められず

文書#120-10: SCP-120の能力と目的位置の詳細な説明 - 1994年2月12日[簡略版]

SCP-120は恐らく交互に結ばれた次元間を通して人間を即座に転送する能力を備えています。対象を11の目的地点のうちの1つへと転送します。これらの場所は変わらぬパターンで循環します。11の行き先と位置は、ラジオビーコンを持ったDクラス職員を使用したテストを通して特定されました。それらを個々に記述します。

座標#1: 太平洋: この地点に接続する間、SCP-120内の液体は青色光を放っています。

この状態での移動を試みたところ、緯度██████████°経度██████████°に位置する、太平洋の海面よりおおよそ2m上の地点へと送られます。この場所には現在財団所属艦「デメーテル」(公式には米海軍気象艦ナッソー)が配置されており、SCP-120を用いることによって船の貨物室内に発現する事となります。

機密性が高い財団資料または人員は、緊急時にここへ送ることができます、そして船は万一に備え、低脅威のSCPオブジェクトを保管・対応する準備がなされています。SCP-120から「接続する」為に使用されたDクラス職員は、限られた範囲内でヘリコプターで引き揚げるかそのまま「再利用」、もしくは「解雇」することができます、その際彼らの体は機密保持の為保管して下さい。

この場所を特定するのに用いられた最初のDクラスとラジオビーコンは、海上に失われたままです。これらが海岸に流れ着いた場合には機密の為に取り戻す必要があります。

SCP-120はこの座標が、#1として任意に指定されており、他の座標と比べて観察上の重要性は低いものです。その後座標#2から11へ連続した順序で地点が切り替わり、再び最初の地点へと戻ります。

SCP-120によってこの地点へと移動する場合は、怪我の危険性があるため、嵐の間は望ましくありません。

座標#2: グリーンランド: この地点に接続される間、SCP-120内の液体は明るい白い輝きを放っています。

この状態での移動を試みたところ、緯度█████████°経度█████████°に位置するグリーンランドの地表より1.5m程上の地点に送られました。公には石油事業の拡大として、小さな財団の施設を建設しました。この施設はデメーテルに類似した能力を持ち、さらに滑走路、燃料補給施設を備えています。

座標#3: ラグランジュ・ポイントL3: 地球-月系におけるラグランジュ・ポイントL3にあります。SCP-120内の液体は、濃い黒色になっています。

この地点の調査や接続の確立は現在の我々のテクノロジーでは不可能であり、どんなラグランジュ・ポイント(座標#3、#5、#8、#10と#11)にSCP-120を通して物資や人材を送っても失われるだけとなります。小さいが脅威となるようなSCPオブジェクトを転送させ、取り除く方法を証明出来るかもしれませんが、次の座標へ移行させるためにDクラス職員を犠牲にしなければならないので、今のところは単に不便なだけです。

座標#4: ヒマラヤ山脈: この地点に接続される間、SCP-120内の液体は座標#2に接続した時と類似した、明るい白い輝きを放っています。

この状態での移動を試みたところ、緯度█████████°経度█████████°に位置するヒマラヤの山脈の山中に送られました。目的地点には小規模な変更のみがなされました。Dクラスの処分・隠蔽と、必需品の保管の為に天蓋を持つ8mの穴を掘ったこの場所で(非常事態が起こった場合のみ)避難のために露営すること。接続に使用したDクラス職員には人道的な死を確実にし、座標#4の構造物に損害が及ぶ危険性を減少させるために、彼らを送り込む前には鎮静剤と神経毒の混合物を注射することになっています。

座標#5: ラグランジュ・ポイントL5: 座標#3に同じ。

座標#6: サハラ砂漠: この地点に接続される間、SCP-120内の液体は黄色い輝きを放っています。

この状態での移動を行うと、緯度█████████°経度█████████°のサハラ砂漠にある財団の小さな前哨基地に現れます。機密の関係で、この施設にはいかなる重要なSCPオブジェクトも収容することが出来ませんが、司令部から人員と書類の避難を行うには理想的です。

座標#7: ゴビ砂漠: この地点に接続される間、SCP-120内の液体は茶色い輝きを放っています。

この状態での移動を行うと、緯度█████████°経度█████████°のゴビ砂漠にある財団の小さな前哨基地に現れます。座標#6の前哨地点と同一のものです。ただし、SCP-4024の拡大は前哨基地の活動能力にとって大きな脅威となっています。

座標#8: ラグランジュ・ポイントL2: 座標#3に同じですが月の向こうにあるため、よりSCPの処分に適しています。

座標#9: 月、雨の海: この地点に接続される間、SCP-120は落ち着いた灰色の輝きを放っています。

この地点は、月面に存在する雨の海と呼ばれる比較的平らな区画です。大規模な資金と大量のDクラス職員の投入により、小さな前哨地点が確立されました。そこは財団の最も安全な場所の一つであると考えられます。

座標#10: ラグランジュ・ポイントL4: 座標#3に同じ。

座標#11: ラグランジュ・ポイントL1: 座標#3に同じ。

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