アイテム番号: SCP-1201
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: エリア1201の周囲50mには、境界線が常に維持されます。SCP-1201-3の収容違反の可能性を防止するため、SCP-1201-2の性質に関する実験は速やかに終えるべきであり、かつSCP-1201-2の移動経路を妨害すること無く行われるべきです。
SCP-1201-2に行動の変化が見られた場合は即時サイト管理者に報告し、エリアを封鎖します。
文書1201-Cで概説されている事案に基づき、収容プロトコルの変更が現在立案されています。
説明: SCP-1201はシリアのダマスカスに位置する浅い壁泉です。壁泉自体は、SCP-1201-2による使用を除き、異常な性質を示していません。SCP-1201-2は出現するごとにSCP-1201へ飛び込んでいるように見えるにも拘らず、財団職員が同じ場所へ飛び込んで辿り着く事は出来ないようです。壁泉の配置が純粋に偶然のものであるか否かを確認するための調査が現在進行中です。
SCP-1201-2は平均的な成人男性と同サイズの、巨大かつ無毛のチンパンジーのように見えます。SCP-1201-2が示す体力と敏捷性は、その大きさと比較して異常なものとは思われません。
この実体は毎年██月██日23:23:46に、第三度熱傷・手足の切断・トリフリン酸への曝露と一致する肉体的変形・体中に散在する穴といった重篤な負傷を伴って、SCP-1201の40~48m以内に出現します。SCP-1201-2は12.3秒間で負傷を再生した後、SCP-1201に戻ろうとします。典型的な事案発生の概要は文書1201-Aに記載されています。
SCP-1201-2がSCP-1201へ向かうのを制止する試みは、この実体が強要を試みる研究者を暴行し、また長期勾留がSCP-1201近辺に由来する有害な効果を齎すように思われることから、事実上成功していません。出現中のSCP-1201-2は研究者に対して敵対的ではありませんが、積極的に自身とSCP-1201との間の障壁を除去ないし無効化しようと試みます。SCP-1201-2は感電に対して非常に脆弱のようですが、SCP-1201への進行を停止するこれ以上の試みは、文書1201-Bで概説した出来事のため、推奨されていません。
文書1201-A: 2002/██/██、エリア1201における出来事
序文: 5回目のSCP-1201-2出現の発生および観察。事前に構成された運動経路上の実体の動きに合わせて動きながら、研究者が質問を行った。実体はSCP-1201に消えるまで20秒存在していた。
SCP-1201-2がSCP-1201から47mの地点に出現。対象の胴体や顔の周囲には濃い痣があり、第三度熱傷が全身を覆っていた。SCP-1201-2は12.3秒で通常の外観へと再生し、直立してSCP-1201に向かって全力疾走する。エージェント ブリーンが意思疎通を試みる。
SCP-1201-2: オメーらは一体何がしたいんだ?
エージェント ブリーン: 貴方は何をしているの?
SCP-1201-2: ベス(Beth)に会いに行く。
エージェント ブリーン: ベスって誰?
SCP-1201-2: 正真正銘のビッチだ。
エージェント ブリーン: ベスって何?
SCP-1201-2: ビッチだ。
エージェント ブリーン: ご協力どうもありがと。
SCP-1201-2がSCP-1201内部に消失。
記録終了
文書1201-B: 1999/██/██、エリア1201における出来事
序文: 2回目のSCP-1201-2出現の発生および観察。実体は再生した後、組み立て型の電界によって一時的に無力化された。SCP-1201-2は鉄格子への電気がエージェント サンダースによって停止され、解放されるまでの18秒間は行動不能であった。
エージェント サンダース: 私たちに協力して頂きたい。
SCP-1201-2: 何か文句でもあんのかクソが!
SCP-1201-2は電流を突破しようと試みるが、成功しない。
エージェント サンダース: 貴方が何処かに行く前に、私たちは幾つか情報が必要なのです。
SCP-1201-2: オメーらに話すようなことなんかねーよ。
SCP-1201が震え始め、一部が基部から砕ける。舌の形状をした長く滑らかで黒い塊(以下SCP-1201-3)がSCP-1201から出現し、周囲を探っているのが部分的に見える。SCP-1201-3は40m以上の長さに延伸してエージェント サンダースに迫る。
エージェント サンダースはSCP-1201-2収容のための電力を遮断。SCP-1201-2は直立してSCP-1201-3の付属器官と衝突し、壁に叩きつける。
SCP-1201の口から炎が漏れ始め、SCP-1201-2は重度の熱傷を負う。SCP-1201-2がSCP-1201-3によって空中に持ち上げられる。
SCP-1201-2: ビッチめ!
SCP-1201-2は上空20mで付属器官の先端にヘッドロックを決め、付属物の皮膚を歯で噛み千切り始める。
SCP-1201-3がSCP-1201-2と共に地面に落ちる。
SCP-1201の口から洩れる炎が増加し始める。すぐ近くの温度は摂氏20度上昇。
SCP-1201-2が、まだSCP-1201-3の先端を掴んだまま、SCP-1201内部に飛びこむ。
記録終了
文書1201-C: 2003/██/██、エリア1201における出来事
序文: 6回目のSCP-1201-2出現の発生および観察。事前に構成された運動経路上の実体の動きに合わせて動きながら、研究者が質問を行った。実体はSCP-1201に消えるまで21秒存在していた。
SCP-1201-2がSCP-1201から49mの地点に出現。対象の胴体には大穴が空いている。SCP-1201-2は12.3秒で通常の外観へと再生し、直立してSCP-1201に向かって全力疾走する。エージェント ブリーンが意思疎通を試みる。
SCP-1201-2: しつこいぞオメーら。
エージェント ブリーン: 何をやってるのか教えて。
SCP-1201-2: わーったわーった。意地でも譲らねー気だなクソ野郎。こいつはな、かなり長い間続いてる。ベスはギブアップするタイミングってやつを知らねーのさ。あいつには分からせてやらなきゃならねーんだ、キャンディランドの真の王が誰かってことをな。
エージェント ブリーン: 冗談だよね?
SCP-1201-2は宙に飛び上がり、勢いを保ったままエージェント ブリーンの頭部に蹴りを入れる。エージェント ブリーンの頭部が一部切断され、彼は地面に倒れる。
SCP-1201-2: オメーのせいで白けちまったぜ。
SCP-1201-2がSCP-1201内部に消失。
記録終了