アイテム番号: SCP-1218
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全てのSCP-1218-1のサンプルはサイト28にある保護貯蔵棟L-03でサンプルの形通りに作られた特製木枠に嵌められています。SCP-1218-1のサンプルのほとんどは非常に壊れやすいため、取り外して別の場所に保管する際には細心の注意を払ってください。情報漏えいの可能性があるため、SCP-1218-1のサンプルは財団の機密に関わる物品の前ではカバーをかけてください。
SCP-1218-2とのいかなるコンタクトや遭遇も記録されます。
説明: SCP-1218-1のサンプルは回収された順にSCP-1218-1-XXと番号付けられています。この文章の最新更新版の時点で、我々はSCP-1218-1-4を除いてSCP-1218-1-1からSCP-1218-1-32までを保管しています(実験ログ参照)。SCP-1218-1のサンプルは、概ね長方形型で、0.2~9.5平方メートルの大きさの普通の壁掛け鏡のような外見を持ちます。
綿密調査によると、この物体は事実上一方向に反射するガラスです。ガラスの反射を最小限にするために、真っ暗なところで見ると、向こう側に真っ暗な部屋が見えます。この暗い部屋―以降'鑑賞室'とする―はSCP-1218-2が座っている様々な指揮台の置かれている、コンクリート風の素材でできたひび割れた天井と床の部屋のように見えます。目に見える壁はなく、視覚距離は闇へと急速に先細りします。各鏡は外見上、これらの特性を共通して持つ個別の鑑賞室へとそれぞれ接続しているようです。
SCP-1218-2は鑑賞室で頻繁に目撃される1.5メートルから1.9メートルの高さのクリーチャーの集団です。彼らは不明瞭な姿で、重度の黄疸で革のようになった皮膚をしています。各クリーチャーは頭に四つの傷があり、人間でいえ目、鼻、口にあたる位置に、肉を引き裂いたような穴が開いています。クリーチャー達――以降'黄色い人'と称する――は虫食い穴の開いた19██年代風の服を着ています。SCP-1218-2はSCP-1218-1の前の視聴者を意識し、被験者の動きに追随するだけでなく、████ブランドの手帳と思われるものに積極的にメモを取っています。
復元された███████博士の実験ログ
█/█/██: 我々はある種予想していた見解を棄却した。被験者が別の場所に移ると、鏡を通して見える視界は移動するたびに変化する。SCP-1218-2が被験者の動きに追随すると、被験者は目に見えて驚いた。そのせいで錯乱した者や叫んだ者もいた。灯りを点け、彼らを試験室から退出させた。
█/█/██: 1ルクス以下に光のレベルを下げると被験者達はSCP-1218-1の周囲で不安になり始めるようだ。彼らはどこからか見られていると感じるか、または部屋が当初より大きくなったと感じると記述している。私は次のように理論を立てた。彼らの潜在意識が鏡の向こうの'鑑賞室'の微妙な視覚的手がかりを拾い上げているものの、反射光による情報に圧倒されるせいで顕在意識は'鑑賞室'に気がつかない、と。研究を価値あるものにするため、低光度カメラを試験部屋に隠して設置し彼らの記録を撮ることにした。
█/█/██: 多数のSCP-1218-1のサンプルによる継続実験の結果、それぞれが別の部屋に接続していることを示唆している;もっとも、視認できるSCP-1218-2の数の変化から、彼らが一日中部屋を出入りしていることを示唆しているが。またノートより、'鑑賞室'を見ることができる光源は煙草の残り火であるらしい。SCP-1218-2の誰もが吸わない場合、'鑑賞室'は暗闇であるのが理に適っている。完全な暗闇の中で鏡の中が何も見えない結果を得れば、これを説明することは可能だ。
█/█/██: これまでのログから少なくとも19体の個別のSCP-1218-2を識別した。彼らの顔や体の造りは非常に似通っているが、皮膚の傷、高さ、そして着ている服は彼らを区別するのに十分だ。この個体が必ずしも同じ部屋に現れる訳ではないことに注意しておきたい。
█/██/██: これまでのDクラスの被験者による実験からは、SCP-1218-1やSCP-1218-2から受ける悪影響は確認されなかった。従って、私と助手が直接実験を行っても安全であるという決定を下すことにした。
█/██/██: 我々が入手したSCP-1218-1の数を鑑み、そのうちの一つを破壊し、効果を保持し続けるか確認する実験を承認する。
█/██/██: SCP-1218-1のサンプルを一つ粉砕すると、どんな異常効果も示されなくなった;しかしながら、腐った果物のような[編集済]これはすぐに消失した。
█/██/██: 助手が、私が実験初期に見落としていたものを指摘した。彼女は被験者D-9002が恐怖で叫び声をあげた時、'黄色い人'のうち一体が驚いたように後ずさりしているのに気付いた。音も同様にこれらの場所をつないでいるのだろうか。
██/█/██: SCP-1218-1-5の記録装置にレーザーマイクロホンを追加。以下の奇妙な音を採取。[録音ログ概要参照]
██/██/██: SCP-1218-2に興味を引かれ続けている。彼らはあたかも私がはっきり見えているように、私の動きに反応する。もっとも私には彼らがどのようにして物を見ているか知りようがないのだが;薄明りは彼らのずたずたな眼孔の下に目があるのか確認するのに困難なのだ。それは動物園で動物を見ることに似ている。彼らは私たちの行動に続こうとするが、通信しようとするいかなる試みにも反応を見せない。彼らが何を書いているのか読んでみたいが、それを読むのに十分な光がないことが残念でならない。
██/██/██: SCP-1218-1のサンプルが続々と届いている。これらの特性を調べるため、███████や████のデータベースに眠る古い調査報告の検討を始め、多数の手がかりを集積することにした。モバイルタスクフォースβ-6、別名"窓ふき職人"は、これらを集めるためだけではなく、起源を辿ることも目的として組織された。
█/█/██:私の記録を検討しなければならないが、実験で現れるSCP-1218-2がいつもより多いような気がする。
█/█/██: 我々が保存しているSCP-1218-1のサンプルはこの日付の時点で26点あるが、既存の鉛枠を使い果たした。より多くのサンプルがあるだろうこと――影響に気を配ることが困難になる――に、私は頭を悩ませている。
█/██/██: 最新の実験では10体以上が見ていたが、私はもっと多く居ることを知っている。気に入らない。[編集済]で実験テープを家に持ち帰って、何かを見つけるまで熟慮することとしよう。
█/██/██: 三晩も熟慮に費やしてしまった。睡眠不足が私を悩ませる;今日通路H-7にある鏡の前を通った時、何かが私を見ていたことを、私は見たと断言する。
█/██/██: 私は、少なくとも今の私は確信して、廊下の鏡を壊した。
█/█/██:理解した。私は詳細に彼らの[編集済]をもっとよく見ておくべきだったのだ。確信はない。しかし私は知っているはずだ。彼らが何か。そこがどこか。
[レコード終了] 事例H1218-A参照
録音ログ概要
次の雑音は7日間にわたるレーザー・マイクロホンによる録音記録。音声解析ソフトによる、各音に最も類似する音とその類似度、及びそれが生じた数の解析結果は以下の通り。
- 足跡(ソックス) - 99% - 被験者の移動と一致
- 足跡(ローファー) - 95% - SCP-1218-2の移動とほぼ一致
- 水の滴り - 99% - 継続的に
- 動物雑音(猫、喉を鳴らす音) - 18% - 頻繁
- 流水(蛇口) - 92% - 42
- 噛む音(人間、大人) - 12% - 40
- 音声(大人、理解不能) - 80% - 30
- 何かの落下(ゴム管) - 14% - 29
- 流水(シャワー) - 90% - 13
- 機械類(フォークリフト) - 87% - 12
- 音声(子ども、理解不能) - 84% - 11
- いびき(大人) - 93% - 7
- [削除済]
- 笑い(子ども) - 93% - 2
- サイレン(救急車) - 92% - 2
- SCP-███ - 64% - 1
- チェーンの振り回し - 88% - 1
- ガラスの粉砕 - 92% - 1
- 音声(大人、女性、"[理解不能]…もう一つ、我々は遅刻するだろう") - 82% - 1
- 金切り声(大人、女性) - 83% - 1