SCP-1224-JP
評価: +50+x
blank.png

Easteregg.jpg

SCP-1224-JP

アイテム番号: SCP-1224-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1224-JPはサイト-8149の標準的な低危険物収容ロッカー内に監視カメラと共に収容されます。SCP-1224-JPの転移が検知された場合はプロトコル『エッグハント』に従って捜索と再収容を行ってください。

説明: SCP-1224-JPは装飾を施された卵型の物体です。超音波検査により外殻の中を流動体が満たす構造をとり、内部に核を持つ事が判明しています。外殻ならびに液体、核の組成については不明です。SCP-1224-JPは不定期に半径200 m内の地点に転移を行います。SCP-1224-JPに取り付けた発信器などは転移の際にその場に残るため、追跡は不可能です。転移時期ならびに出現地点の予測は現状では不可能ですが、目立たない物影などにより多く転移する傾向を持つと推測されています。

SCP-1224-JPを中心とした半径30 cmの領域に人間が進入した際、SCP-1224-JPはその人物(以下『被験者』)の声を用いた発言を行います。この発言は被験者がそれ以降に語る虚偽を予告しているものと推測されています。発声から被験者が実際にその発言をするまでの間、予告された内容について対象は記憶することが出来ません。これはSCP-1224-JPの発言内容について第三者から改めて伝えられた時でも同様です。被験者がその後発声内容と一致する発言を行った際、ニワトリ(Gallus gallus domesticus)の鳴き声が発生します。この時被験者は自身の発言が予告されていたものであった事を思い出します。また、被験者の多くはこの時に卵の殻が軋むような音を聞いたと証言します。

以下は異常性の発現記録ならびに実験記録です。

SCP-1224-JP異常性発現記録

被験者: 堀井研究助手
発言内容: 「あの子はただの同僚だよ。やましいことなんて何もないったら」
実現状況: 2日後、サイト-8149の食堂で秋田研究員との会話中に実現。発生した鳴き声はその時点で食堂にいた全員に認識された。興味深いことに、鳴き声を聞いた全員が当該発言が虚構であると確信を持った。
備考: 当事案及び再現実験により直接の接触を伴わずとも予言が発生することが判明した。

被験者: エージェント・辰巳
発言内容: 「すみません、この先は土砂災害で通れないんですよ」
実現状況: 2日後に実現。SCP-████-JP収容プロトコルの標準的カバーストーリーである。
コメント: そういえば、あれ以降カバーストーリーとして嘘つく時の心苦しさが減った気がします。「お前が仕方なくやっているという事を私はわかっている」って言ってもらったような気がして - エージェント・辰巳

SCP-1224-JP実験記録

被験者: D-8878。SCP-1224-JPに接触した後に適当な嘘をつくよう事前に指示を受けている。
発言内容: 「いや、嘘とか急に思いつきませんよ、これまでずっと正直に生きてきたんで」
実現状況: D-8878は接触直後に「腹が痛いので宿舎に帰りたいです」と発言。居合わせた研究員たちが沈黙していたところ当該発言を行った。鳴き声はその直後に発生した。
分析: 自発的につく嘘だけを予告するようです。 - 下岩博士

被験者: 下岩博士。接触直後に「42503は素数である」「82697は素数である」などの発言を行う。
発言内容: 「人違いだ、俺に人殺しの知り合いはいない」
実現状況: 4日後、サイト-8149の廊下を移動中D-████に「お久しぶり」とすれ違いざまに話しかけられた時に実現。鳴き声に対し下岩博士は強い動揺を示し、D-████に謝罪を繰り返した。下岩博士とD-████は幼少期に親しい関係にあった事が判明している。
コメント: 命題の真偽判定には使えないようです。4日にわたって私は何度か不確かな推論を口にし、そのいくつかは後から事実でなかったと判明しましたが、あの卵が予告したのははっきりと自覚した嘘一つだけでした。 - 下岩博士

被験者: D-1538。極めて財団に従順であり、虚偽の報告をする可能性が低いと考えられた。また、翌日以降極めて死亡率の高い任務に就く事が決定されていた。
発言内容: 嗚咽が発生。意味のある発言はなされなかった。
実現状況: 未実現。事案1224-JP-1を参照。
補足: この実験はSCP-1224-JPの実現前に被験者が死去した際の現象を確認するために行われた。

事案1224-JP-1: 2018/3/30正午、D-1538が死亡すると同時にSCP-1224-JPは収容ロッカー内で自壊しました。外殻に付着していた液体は一般的な葡萄酒と同一の成分構成を持っていました。また、残存していた殻の破片を検査したところSCP-1224-JPの外殻が発見当初よりも部分的に薄くなっていた事が判明しました。外殻の内側には"ecce virgo concipiet et pariet filium"1という一文が刻まれていました。また、確認実験によりSCP-1224-JPの破片は元の異常性を持たない事が確認されました。

事案-8141: 2018/4/1未明、サイト-8141の女性Dクラス宿舎で新生児の産声が同時に10秒にわたって響き、睡眠をとっていたD-1824の枕元に破損前と同状態のSCP-1224-JPが出現したという報告がDクラス職員達からなされました。同時に保管されていたSCP-1224-JPの破片が消失したことが明らかになっています。また、その後の検査によってD-1824は妊娠超初期状態にあった事が判明しました。母体ならびに胎児の異常性の有無については明らかになっていません。D-1824は他Dクラス職員から隔離され、経過観察を受ける事になっています。
Magnificat anima mea Dominum,et exsultavit spiritus meus in Deo salutari meo,quia respexit humilitatem ancillae suae. 

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。