SCP-1226
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-1226

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1226は、通常保管庫の壁に掛けられることになっており、実験担当者のみにアクセス制限されています。 SCP-1226の特異な性質は実物の全体像を見ることにより発現するため、遠距離あるいは断片的であれば問題なく観察できます。SCP-1226の左上隅に配置されている6cm×6cmの不透明な黒のプラスチック板は、実験の際に除去する必要があります。 覆いの外されたSCP-1226を見ることは、Dクラス職員に限り許可されています。SCP-1226への曝露後、被験者は攻撃性、持久力、そして体力の高まりを示すため、曝露の際は特別なセキュリティ対策を敷くことになっています。 曝露後の被験者は、試験終了時に処分します。

説明: SCP-1226は、大都市1の上空で核兵器が爆発する様子を非常に詳細に描いた、4m×2mの大判油彩風景画です。 数千におよぶガラスの破片の光学的に正しい反射や、路上に描かれた3,129人の人物に対する原子嵐の影響の正確な表現など、画面の細部に渡って写真のようにリアルな注意が払われています。 SCP-1226はもともとニスを塗られたオーク材の額に装丁されており、情報の記載された銘板が別に付属していました2 。 銘板の全文については、補遺1226-02を参照してください。

被験者がSCP-1226の実物全体像を見ると、即座に心身の変化が引き起こされます。 身体のサイズと筋肉組織の著しい増大が脊柱の顕著な湾曲を伴い、猿のように背中を丸めた姿勢を強制します。 頭蓋骨は根本的に再構築され、額が傾斜し顎は突き出ます。 この結果、脳容積は大幅に減少し総脳質量の著しい縮小と頭蓋内圧の増加が起こります。これらの変化は40秒程度のあいだに起こり、明らかに激痛を伴います。

曝露後の被験者は、脳質量の減少に比例して精神的能力を殆ど喪失しています。 被験者は原始的な唸り声による発声と簡単なジェスチャーのほかにコミュニケーションの手段を持たず、摂食と交尾、およびその他基本的な本能に基づく行為のみ関心を示します。 変化に伴う激痛とそれに関連する精神機能の喪失により、被験者は常に暴力的なパニック状態に陥ります。

影響を受けた被験者を"穴居人"とみなす初期の記述は不正確だと証明されています。 解剖と古生物学的分析により、既知のヒトの祖先と影響を受けた被験者の間には顕著な相違のあることが明らかになりました。 現在支持を集める理論では、被験者は未知の先史時代の人類、または一般に認知されている"穴居人"の典型像のいずれかに変容させられたと提唱しています。

現在までの被験者の再教育とリハビリの試みは、脳構造の根本的な簡素化により全て失敗しています。

補遺1226-01: 取得記録

SCP-1226は████年██月███日、 [削除済]の[削除済]ギャラリーで行われた除幕式に続いて公開されました。 除幕式は███████ ███████の最新作という触れ込みで大々的に宣伝され、世界的な芸術家コミュニティから多数の著名人が参加しました。

除幕式では███人がSCP-1226の異常な影響にさらされました。 曝露していなかったギャラリー常連客と従業員は、続く半時間程度のあいだに曝露した者たちによる殴打、共食い、 ██████ ███████████、またはそれらの組み合わせで殺害されました。 911への通報と警察への連絡がMTFユプシロン-23( "美術評論家")によって傍受され、影響下にある者たちを捕獲または排除しました。その後、証人と第一通報者には記憶消去措置が施されました。 MTFユプシロン-23は、現場でSCP-1226の特異な効果を確認し、収容を行いました。

補遺1226-02: 銘板の文章

現代の回避不能な帰結は、自己破壊だ! ポストモダンの時代は前近代のように、新しいものは古いものになるのだ。クロームの輝きを放つ原始時代が訪れるとき、遂に我らのすべてがcoolな存在となるだろう。

~ ███████ ███████3


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