SCP-1227
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-1227

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1227は広さが30m×30m×5mでコンクリート製の部屋に閉じ込められており、二重のエアロックシステムを通ってのみ入室することが出来ます。SCP-1227について調べたい研究員は、酸素吸入器が搭載された規定のバイオハザードスーツを装着しなければいけません。部屋の床には直径20mの円が赤く描かれており、これ以降これを「セーフゾーン」と表記します。エアロックDを開ける前に、SCP-1227にセーフゾーンの中央まで移動するように指示してください。今までのSCP-1227との関わりにおいて、SCP-1227は比較的素直にそれらの要求を承諾していることを記録されています。しかしながら、その協調性に油断してはならず、セーフゾーンの中心に収まるまでエアロックDを開けてはなりません。SCP-1227は受動的な性質であり、移動範囲も限られているためセーフゾーン外は通常安全です。どんなことがあってもあらゆる人間その他の生物はセーフゾーンに踏み込んではならず、SCP-1227に接触することもあってはなりません。

説明: SCP-1227は1957年に親民主主義に傾倒し逮捕されたソ連の政治犯、ユーリ・セリョーギンであった者だと思われます。SCP-1227の一部は、はっきりとその身元が分かっています。SCP-1227-Eの顔にある傷は、写真に写っていたSCP-1227の仲間であったアレクセイ█████の顔の傷と一致しています。SCP-1227-Bは本人の証言により、SCP-1227の妻の胴体と頭部であると思われます。しかし、残るその他の部分については、未だ身元不明のままです。

ソ連崩壊後に財団が手に入れた文書は、SCP-1227が1960年に███ ████████によって行われたロシアの社会実験の間接的結果であることを明らかにしました。この研究において、ユーリ・セリョーギン、アレクセイ、そしてユーリの妻を含む六人の政治犯は、重度のストレス下における集団力学の実験としてKGBにより何処かの洞窟の奥へと連行されました。彼らには限られた食料と水のみが与えられ、光源は与えられませんでした。比較的正常な社会的生活が送られてから五日後、彼らは二つのグループに分かれ敵対し、最終的には三日の間に支離滅裂な叫び声や呟き、拷問、レイプや堕胎が発生することとなりました。実験の最終日、KGBの調査員は隠しマイクに絶叫や嘆願、嘔吐更には[編集済]と言った「不穏な」音を記録しました。

実験に用いた囚人達の様子を確認するために送られた洞窟探検チームは、そこで大量の腐敗し液状化した人体組織と、その中心に形成されているどうも心身ともに健康で状況を理解していない様子のSCP-1227を発見しました。財団はそのことについて連絡を受け、SCP-1227はロシアから機動部隊エプシロン-█によって回収されました。

SCP-1227は男性の形をしたものに、SCP-1227自身の筋繊維であることを確認されている赤い糸状の塊と呼吸器官及び消化器官であることを確認されている管状の突き出したものによって、醜く崩れた9つの人の形が繋がれているように見えます。実験によって、SCP-1227との接触によってどのように結合が行われるが実証されました。まず、犠牲となった者は昏睡状態に陥り、接触した部分から融解し始めます。次に、SCP-1227は自身の血管と神経を犠牲者の体内へ送りこみ、永久的な繋がりを得ます。最後に、SCP-1227は自身の神経/血管/腸によって犠牲者と同化し、被験者の重要な身体機能の一つまたは複数のコントロールを奪います。犠牲者の体でこのシステムが届いていない部分は血流を失い、最終的に千切れ落ちます。SCP-1227は追加された初期消化器官であるSCP-1227-Dの胸に空いた穴へと千切れ落ちた部分を放り込み、食事とします。心臓はその大きな追加部分の体へと血を行き渡らせるために常に動き続けています。しかし、SCP-1227は人間に対して悪意を抱いているわけではなく、能力を制御できないと言うことも無いためこれにより「セーフゾーン」が出来ました。

実験データは、極僅かな資源でも生き残れるように、SCP-1227はこの複数の臓器が融合しているシステムによって生物学的効率を大きく上げたことを示唆しています。観察されたそのような効果の一つとして、SCP-1227の現在の尿路は通常の三倍ほどの長さがあり、三年ごとに純度99.9%の尿素を含む尿を約60グラム精製するという高効率を観測しました。また、SCP-1227-AとSCP-1227-Cの呼吸器官はSCP-1227の肺へと繋がっており、これは冬眠の様なシステムを用いることで真空中でも六ヶ月以上生き延びることができるほどに、効率的な呼吸を行うことができることを意味しています。SCP-1227の身体機能を構成しているものの概要は、以下のとおりです。

(特に記述が無い場合、犠牲者はロシアの政治犯だったものです。)

SCP-1227-A: 身元不明の男性です。1.5メートルの血管/食道によってSCP-1227に繋がっています。両足が失われています。両腕はまだ動かすことが可能で、SCP-1227の塊を移動させるために使用されます。
SCP-1227-B: 身元不明の女性です。突き出た筋組織によって、SCP-1227の背中に繋がっています。胴と頭のみが残っており、その他の四肢は全て失われています。彼女の子宮は[編集済]ました。強い光を当てると瞳孔が収縮することが確認されています。
SCP-1227-C: 身元不明の男性です。0.8メートルの血管/食道によってSCP-1227に繋がっています。四肢全てが失われています。理由は分かりませんが、時折口を大きく開きます。
SCP-1227-D: KGB調査員の██████です。0.5メートルの腸によってSCP-1227に繋がっています。頭と四肢全てが失われています。初期消化器官を担当しており、彼の胸に空いた穴を通って、全ての食物は直接胃へと入ります。
SCP-1227-E: アレクセイ・█████です。突き出た筋組織によってSCP-1227に繋がっています。頭、胴および両足のみ残っており、SCP-1227を動かす助けをするためにのみ使用されます。
SCP-1227-F: 身元不明の男性です。2メートルの尿路によってSCP-1227に繋がっています。胴と右腕のみが残っています。尿の生成とSCP-1227を動かすために使用されます。
SCP-1227-G: 身元不明のKGB調査員の男性です。3メートルの消化管によってSCP-1227と繋がっています。胴と右腕のみが残っています。消化器官の後半の役割を担っています。
SCP-1227-H: 財団のDクラスの男性、D-███-██です。伸びた脳幹と同時に██████████によってSCP-1227に繋がっています。頭と心臓のみが残っています。
SCP-1227-I: 財団の実験用イヌ科動物です。突き出ている5メートルの神経系によってSCP-1227に繋がっています。頭と両前足のみが残っています。SCP-1227はそれは「自己防衛」のための「予防措置」であると主張しています。それはしばしば研究員に吠えたり鳴いたりするために、繋がれている限界まで這って移動します。綿密な観察によって、それはSCP-1227のコントロールから外れていることが判明しました。

私はこの効果が動物にも影響するのかを実験していないことを心から願っていた、だが今は私たちがこいつを切断する方法を見つけるまで、今まで以上に「セーフゾーン」プロトコルをあなたたちは守るべきであると思っています。 O5-█.

SCP-1227は変化を経験しながらも、SCP-1227はまだ人間的な知性と論理的思考を持っています。SCP-1227は上級学位に十分なほどの英語を上手く教えることが出来ました。精神分析の結果は認知の欠陥、思考パターンおよび工程の異常を示すことはありませんでした。SCP-1227は読書やその他の娯楽が主任研究員のサラ・タウンゼントの判断で許可されており、同様に彼の為に研究グループによって選ばれた「友人」が毎日彼の元を訪れています。SCP-1227は通常程度の社会性を持っており、彼らが訪れている間は外界の話やニュースを聞いてそれを楽しんでいます。しかしながら、SCP-1227は現在の状態に関して大きな妄想を抱え込んでいることがはっきりしており、SCP-1227-AからSCP-1227-Hは傍で幸せそうに遊んでいる「子ども」であると言い張り、同じようにSCP-1227-Dの胃は「オーブン」であると言い張っています。更なる会話調査によって、SCP-1227は自分は妻や子たちと共に暮らす普通の家庭の中に居ると信じていることが明らかになりました。SCP-1227は封じ込められていることや実験を通常の家庭生活の一部だとみなしているとようであり、彼が抱えている妄想を守るために決して質問や注文をすることはありません。

ある注目すべき事例として(22/09/██)、SCP-1227は「空腹」を感じると訴えました。数分後、彼は不注意なDクラスを一人掴むと大部分をバラバラに引き裂いて、死体をSCP-1227-Dへと放り込み餌としました。その後、後にSCP-1227-Hとなる残った生体部分を繋ぎました。彼は終始「家族」のための「ごちそうの準備」をしているように見えました。これらの妄想が統合失調症のような疾患の症状であるのか、SCP-1227が安心感を得られる世界を心内に作り、恐ろしい状況から逃れようと試みたためなのかははっきりとしていません;SCP-1227がしばしば幼年時代が人生で最も幸福であったと言っており、もしかしたらこれが家族や子どもといったものが妄想の中心である理由かもしれません。

一つの大きな変化が訪れたのはSCP-1227が自分の両目の深い刺し傷は、恐らくその大きく変化した体からどうにかして逃れるために自傷によるものであると認めたときでした。

今まで行った全ての精神療法は失敗しています;主に問題はその発達してしまった否認システムにあると思われます。心理療法士が、七人の子どもも献身的な妻も見ることが出来ないという事を彼に告げるとき、彼はいつも不満を抱き、攻撃的になります。SCP-1227に洞窟の中で何が起こったのか、またはどのように今の能力を身につけたのかを聞き出そうと試みると、いつも彼は突然一点を見つめ始め、その周囲にいくつもの体の部位を描き始め、そして2から4ヶ月の間会話を拒むようになります。

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