SCP-1239-JP
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アイテム番号: SCP-1239-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル(2010年10月10日改定): SCP-1239-JPはサイト-8182の標準人型収容室に収容され、介護スタッフ2名による監視と生活補助が行われます。現在、実験は無期限に凍結されています。偶発的に発生したSCP-1239-JP-1は、SCP-1239-JPに感知されないうちに、Cクラス麻酔薬を用いて速やかに昏睡させ、静かに収容室外へ運び出してください。SCP-1239-JP-1に注目されないよう、SCP-1239-JPは清潔な状態を保たなくてはなりません。ミーム的特性を持つSCP-1239-JP-1は隔離の後、研究材料として財団反ミーム部門に移送されます。

説明: SCP-1239-JPは執筆時点で30代の日本人男性で、本名は██ ██です。首筋には"ワンダーテインメント博士™のミスター・GIJINKA"というタトゥーが施されています。SCP-1239-JPの異常性は、オブジェクト自身の半径5m以内に存在する人間以外の生物及び物体を、一定の条件下で改変する点にあります。SCP-1239-JPが対象を強く認識した状態で5分以上経過した場合、対象は元となった生物及び物体の性質を有する、若年のヒト型実体(SCP-1239-JP-1)に不可逆的・瞬間的に改変されます。初期収容の際、SCP-1239-JPが脱走のために財団施設の改変1を試みたところ、失敗に終わったことから、SCP-1239-JPの改変できる対象にはある程度の限界が存在すると見られています。

SCP-1239-JP-1は改変元のサイズに関らず、人間の範疇を越えない程度の体格をとります。また、SCP-1239-JP-1は外見のみならず、性格や行動・習性面でも、元の生物・物体に則ったものとなります。日本語による会話能力を備えており、人間との意思疎通が可能ですが、概ね非協力的な態度を取ります。こうした傾向は、人工物を由来としない類のSCP-1239-JP-1において特に顕著に見られます。確認されたSCP-1239-JP-1の内、約76%は女性です。2

収容以前、SCP-1239-JPは和歌山県███町のアパートで、イラストレーターとして生活していました。2007年9月█日、「公園で男性がコスプレ集団にリンチされている」との近隣住民の通報を受け、駆けつけたエージェントによって確保されました。エージェントが現場に到着した時、SCP-1239-JPはアリを模したSCP-1239-JP-1██体の襲撃3を受けており、公園内を逃げ回っていました。財団はカバーストーリー"自主制作映画の撮影"を流布することで、SCP-1239-JP及びSCP-1239-JP-1の異常性を隠蔽しました。身辺調査の結果、SCP-1239-JPは2003年から04年にかけて、行方不明となっていたことが判明しています。SCP-1239-JPは失踪中の記憶が曖昧になっていると主張しており、この間に異常性を獲得したものと推測されます。
 

”千秋さん”と話した際、彼女は我々人間が認知できない“鶏社会“なるものの存在を示唆し、しきりに元の世界に帰りたいと訴えていた。 同様の発言は”使い捨てカイロ”や”食べかけの手羽先”など、生物でないSCP-1239-JP-1とのインタビューでも飛び出している。最近、SCP-1239-JP-1の中で有用な個体を集め、”萌え萌え機動部隊”として運用しようなどという意見が、若手職員から寄せられているが、SCP-1239-JP-1は思った以上に人間臭い奴らだということを、諸君には今一度留意してもらいたい。彼らは勝手に自身の姿を変えた財団に対し、忠誠心を持ってはくれないだろうし、元の世界に戻るため、反旗を翻すかもしれない。彼らは我々が創作で思い描くような、都合の良い存在ではないのだ。 - 高山博士

事案1239-JP-4の発生を境に、SCP-1239-JPの精神状態は急速に悪化しており、心理検査では鬱病の症状を示し始めています。実験手順の改定により、SCP-1239-JP-1がSCP-1239-JPに危害を加えないよう、実験は警備スタッフを増員した上で行うようになりました。しかし、SCP-1239-JP-1による罵倒については、防音対策の難しさから、今のところ防ぐ目処は立っていません。SCP-1239-JPは実験中の衣服の着用を要求しましたが、協議の結果、却下されています。

2010年10月█日、SCP-1239-JPの就寝中、1体のSCP-1239-JPが現れました。対象へのインタビューから、SCP-1239-JPが見ていた”夢”の擬人化であることが判明しました。これにより、SCP-1239-JPは自身の持つ概念や記憶を消費する形でも、特性を発現できることが明らかになりました。特性が今もなお機能していることを、SCP-1239-JPが察知した場合、発現頻度が増加する恐れがあります。これを踏まえ、10月10日に特別収容プロトコルが現在のものに改定されました。

201█年現在も、平均して月に█体のSCP-1239-JP-1が発生していますが、その頻度は年々減少傾向にあります。SCP-1239-JPは現在、認知症に近い症状を罹患しています。将来的に、知能の低下または[削除済み]の擬人化により、SCP-1239-JPは特性を完全に喪失することが予想されます。

逞しい想像力だが、ネタ切れは必ずやってくるものだ。 - 高山博士

補遺1239-1:

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画像1239-█(異常性除去済)

SCP-1239-JPのパソコン及び█████5アカウントを調査した所、「お料理博士!ワンタメたん」とキャプションが付けられた、女性キャラクターのイラスト██枚を発見しました。SCP-1239-JPはこのキャラクターについて「ワンタンメンを擬人化したオリキャラ」と主張しています。解析の結果、画像ファイルには文章が埋め込まれていたことが判明しました。現在、インターネット及び個人所有の電子機器から該当画像の複製を削除する任務が機動部隊ミュー-4 ("デバッガー")によって行われています。

文章に書かれた情報をもとに捜索したところ、和歌山県██市の山中において、SCP-1239-JPを開発・生産していたと思しき施設を発見しました。機動部隊に-2 ("名無しの特定班")が現場に到着した時点で、既に施設は遺棄されており、周辺には生産設備や事務用品を模した多数のSCP-1239-JP-1が共同体を形成して生活していました。機動部隊は現場に残されていた数点の文書を回収6しました。

現在、新たなSCP-1239-JP個体は発見されていません。

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