アイテム番号: SCP-1247-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1247-JPはサイト-8141の標準人型収容施設に収容されます。実験や食事の運搬などの際には必要以上にSCP-1247-JPとコミュニケーションをとらないことに留意してください。
SCP-1247-JPに関する実験を行う際にはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員による許可が必要です。
説明: SCP-1247-JPは20██/██/██時点で7歳のモンゴロイド日本人男児です。戸籍上は██ 悠斗 として登録されています。
SCP-1247-JPは一般的に「いたずら」と呼称される行為を非常に好んでおり、自身がコミュニケーションをとろうとする人物に対して積極的にいたずらを試みようとします。これは口頭による指示や注意によって抑えることが可能ですが、柔和な表情での注意や笑い声を含ませながらの注意であった場合、かえってSCP-1247-JPのいたずらを促進してしまう可能性があります。
SCP-1247-JPが人間(以下、被験者と呼称)に対していたずらを試みた場合、SCP-1247-JPや被験者、及びそれらの周囲の環境に物理的な異常が発生し、必ず失敗に終わります。被験者及び第三者がいかなる手段を用いてSCP-1247-JPのいたずらが成功するよう誘導しても同様の結果となります。そのため、現在までにSCP-1247-JPのいたずらが成功した事例は確認されていません。
SCP-1247-JPは収容以前、母親である██ 礼佳氏と共に二人暮らしをしていましたが、礼佳氏が20██/03/30に交通事故で亡くなったため、養護施設██████に引き取られました。その後、SCP-1247-JPが施設の職員や児童らにいたずらを試みた際に上記の異常性の発現が確認されたため、収容に至りました。
以下は、SCP-1247-JPの実験記録の抜粋になります。
実験記録SCP-1247-JP-02 日付-20██/05/22
被験者: D-9234
いたずらの内容: SCP-1247-JPが足でD-9234の足を引っ掛け、躓かせようとする。
結果: D-9234が数cmほど浮遊し、躓かずに通過した。
実験記録SCP-1247-JP-05 日付-20██/05/22
被験者: D-9234
いたずらの内容: SCP-1247-JPがD-9234の着用しているズボンを下げようとする。
結果: D-9234のズボンと上半身の衣服がワンピースに変化した。
実験記録SCP-1247-JP-06 日付-20██/05/22
被験者: D-9234
いたずらの内容: SCP-1247-JPがD-9234の膝裏に背後から衝撃を加え、起立姿勢を崩そうとする。
結果: 不明な力によってSCP-1247-JPが後方へ飛ばされた。
実験記録SCP-1247-JP-08 日付-20██/05/24
被験者: D-9234
いたずらの内容: D-9234が着席する直前にSCP-1247-JPが椅子を引こうとする。
結果 D-9234が着席しようとしている姿勢のまま空中に浮いた。この状態は約10秒間続いた。
実験記録SCP-1247-JP-11 日付-20██/05/24
被験者: D-9234
いたずらの内容: 睡眠状態のD-9234に顔面にペンで落書きをしようとする。
結果: ペン尻の部分が破裂し、インクがSCP-1247-JPの顔面に噴出した。
実験記録SCP-1247-JP-13 日付-20██/05/27
被験者: D-9291
いたずらの内容: SCP-1247-JPが両手の人差し指と中指を合わせた状態で、D-9291の肛門付近を突き差そうとする。
結果: D-9291の肛門付近から瞬間的に炎が噴き出した1。その結果、SCP-1247-JPは軽度の火傷を負った。
実験記録SCP-1247-JP-15 日付-20██/05/29
被験者: D-9291
いたずらの内容: SCP-1247-JPが突如D-9291に向かって大声で叫び、驚かせようとする。
結果: D-9291が消滅した。約10秒後に再出現した。
付記: 実験終了後、D-9291に自身が消滅している最中のことについてインタビューを行ったところ、「SCP-1247-JPの名前を呼ぶ女性の声がした」という旨の主張をした。
補遺1: 礼佳氏が死亡した交通事故について、警察が事故現場の調査を行った際、礼佳氏が運転していた車の中に置かれていたハンドバックの中から、SCP-1247-JPの筆跡で「?」と書かれた紙製の箱や紙テープのようなものが飛散していたことが分かりました。これにより礼佳氏の注意が逸れ、事故につながったと考えられます。
また、20██/06/01に、礼佳氏が交通事故で亡くなった際に事故現場で回収された物品に対して調査が行われました。以下は、礼佳氏のスマートフォンを調査した際に判明したことの一部です。
- Webブラウザの検索履歴に「いたずら 𠮟り方」「子供 しつけ」といった旨の検索ワードが数多く記録されていた。
- チャットアプリにて「子供がいたずらをやめてくれない」「もうすぐ小学生なのに」「子供のせいで周りの視線が怖い」等々の書き込みを行っていた。
補遺2: 以下はSCP-1247-JPに対して行ったインタビュー記録の一部です。
インタビュー記録SCP-1247-JP-02
対象: SCP-1247-JP
インタビュアー: 只地博士
メモ: インタビューを円滑に行うため、SCP-1247-JPを「悠斗君」と呼称している。
<記録開始>
只地博士: じゃあ、悠斗君が何でそんなにいたずらが好きなのか教えてくれるかな。
SCP-1247-JP: ええとね、ママを楽しくさせたいんだ。
只地博士: ママを?
SCP-1247-JP: うん。ママに、にこにこしてほしいんだ!
只地博士: いたずらでママを笑顔にさせるの?
SCP-1247-JP: うん!ええと、昔ママが元気なかったときにね、ママを楽しくさせたくて、悠斗がママにいたずらしたんだ。そしたらママ笑ってくれたんだよ!
只地博士: へぇー。
SCP-1247-JP: それから、悠斗がいたずらするとね、ママ「やめなさい」っていうようになったんだけどね、怒ってはなかった。ちょっと楽しそうだった!今はママは天国にいるけど、笑ってくれてたら嬉しいな!
只地博士: そうだね。でも悠斗君、今はいたずらすると不思議なことが起こって失敗ばかりだね。
SCP-1247-JP: うん。なんでなんだろう。
只地博士: ママを笑顔にできないね。
SCP-1247-JP: いや、でも浮かんじゃったり、ドーンって飛んじゃったり、火がついっちゃったりするってめっちゃおもしろい!普通にいたずらするよりも、ママこっちの方が絶対笑顔だよ!だからもっともっといたずらしたいな!
<記録終了>