SCP-1269-RU
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アイテム番号: SCP-1269-RU

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1269-RUはサイト-7、セクター██の40x40x10mの収容室内に保管されています。 収容条件が改定されました(インシデント1269-1を参照)。オブジェクトの影響半径を最小限に抑えるため、SCP-1269-RUのためにロシアの███████████地域一帯の大草原に、10haの面積のあるエリア1269が建設されました。

収容室は施設内の中央部に位置し、換気設備およびエアレーションを備え、天井の40x40mの窓と4つの4x4mの出入り口を備えた400x400x50mの部屋です。部屋の上部の窓はほとんどの時間閉じておかなければならず、オブジェクトが民間人に発見される危険がない場合、収容室の清掃手順中に発生した煙を換気するために窓を開放することが許可されます。サイト1269の敷地は、全ての衛星画像において周囲の大草原に偽装されています。また上空は、全ての種類の航空機器の通過が禁止されています。

SCP-1269-1の燃焼による破壊のプロセスについて、1週間に1度SCP-1269-RUの収容室を確認する必要があります。収容室内はDクラス職員(少なくとも15人のグループ)のみによってチェックされ、その調査も1時間半以上は行われません。承認された実験の目的に使用する場合のみ、SCP-1269-1から組織試料を採取することができます。実験条件下においても、SCP-1269-RUとの口頭での接触は硬く禁止されています。SCP-1269-1と対話しようと試みる人物は、24時間以内に解雇されなくてはなりません。

scp-1269-ru-2

SCP-1269-RUのプロトタイプとなった、
トーテムの画像のひとつ。

説明: SCP-1269-RUは、幅32m、高さ36mの古代の█████████の繁殖に関する神、██████トーテムのグロテスクな模倣体です。トーテムのメインフレームは未知の金属によって構成されており、人体が性的な規則性を持たない様々なポーズで接続されています。全ての人体は様々な程度で融合しており、単一の生命体を形成しています。SCP-1269-RUの身体全体に、共通の消化器系、神経系、および循環系があることが明らかになっています。 各人体の融合の程度は底部がもっとも著しく、その中心から遠ざかるにつれて軽度になっていきます。

SCP-1269-RUの基部には少なくとも10人の人間が居ると思われますが、上半身は完全に融合して乳房となっており、下肢によってのみ個体を判別できます。上半身の塊からは、4つの腕のみが突き出ています。各個体の頭部は開口部に投げ入れられており、生きた鼻の塊に押し上げられています。下肢は各個体の上半身とは異なり、完全に別個体に分けられており高度に発達した筋肉を持っています。物体のどの表面であっても、各個体の脚は膝で曲げられSCP-1269-RUの基部に押し付けられていますが、オブジェクトが危険に晒されたり地面と接触していない場合、それらは0.5km/hで振り回されます。 清掃チームがSCP-1269-1を燃焼させている時、SCP-1269-RUの基部にある器官はしばしばオブジェクトの本体を持ち上げようと試みることが観察されています。

SCP-1269-RUの構造は、正三角形の分厚い基部をもつトーテムの形に似ています。十字架の中心から、放射状に12本の光線が側面に延びています。十字の中心にある基点となる物体は、物体の中で一番の密度を示し、丸い形の塊となっています。光線の端にあたる体はほぼ完全に分離されており、いくつかの個体は上下さかさまになっています。基点から上に向かって連続した人体の集合体が合体し、上半身の個々の男性個体の体に侵入し、十字架の頂点を形成しています。その体の首筋から上には、溶接された太いリングのついた金属フレームの先端が位置し、個体の頭上にハローの輪郭を形作ります。このリングは、オブジェクトを地面に固定できるよう設計されています。

SCP-1269-RUの主な異常特性は、おそらく一定の影響半径内の周囲の住人や土壌中の有機物に対する精神的影響にあります。この文書の最後の更新時点では、半径は166mでした。SCP-1269-RUの影響域に侵入した人間は、眠気や疲労が増加し始めます。1時間半の後には、その欲求は頂点に達します(被験者の体調に応じて、この時間は1時間から2時間の間で変化します)。この効果は、薬物投与によって部分的に抑制することが可能です。効果が限界に達すると被験者は目を閉じ、停止した位置で3~5秒後に動かなくなり、不自然な体勢で眠りに落ちます。この状態は緊張による昏睡状態に類似しており、人為的に中断することはできませんが、被験者をSCP-1269-RUの影響下から取り除いた場合、8~14時間後には息を吹き返します。プロセスの進行の前に被験者がオブジェクトの影響範囲から脱することがない場合、この状態は不可逆なものとなります。

被験者がSCP-1269-RUの影響範囲内に2時間以上滞在している場合、「発情」プロセスが開始されます。最初の6時間で被験者の足の軟組織は地面に沈み込み、よりコンパクトなものになるプロセスを進行させ始めます。5~6時間後、骨組織は発根プロセスを開始し、脚は地面に深く刺さり、つま先の指骨は急速に長く伸びて分岐し始めます。この間、被験者は最初に観察された位置から一切移動しません。土壌中の有機物はSCP-1269-1の根やプロセスの過程での建材として使用され、発根およびその他の重要なプロセスに積極的に関与していきます。完全な発根には32~56時間かかりますが、被験者(以下SCP-1269-1と呼称)は意識を取り戻して動くことができ、次の30分間の間に服を全て脱ぎます。SCP-1269-1のエネルギー発生機能は制限されており、被験者は手を軽く曲げたり動かしたりすることはできますが、エネルギーを節約するためそれらを行うことは非常にまれです。SCP-1269-1は狩猟を行うことが可能で、獲物の居る方向に時折素早く正確な把持動作を行うことがあります。SCP-1269-1によって食物として利用される小動物は、SCP-1269-1と同様その行動の犠牲となります。後者は成長と再現のために利用され、それらがオブジェクトの主目的となっています。

人を見かけた場合、SCP-1269-1は呼吸を始め、時々叫び注意を引こうとします。原則として、可能であれば対象は異性に特に注意を払いますが、選択肢が無ければ同性の注意も引こうとします。生きている人間がSCP-1269-1に十分近づいた場合、SCP-1269-1は素早く対象を掴み、人間には不自然なほどの力を加えます。犠牲者を掴むことに成功した場合、オブジェクトはそれと融合し、性的な交渉を可能とします。その時点で被害者はすぐに力を失い、SCP-1269-1の動きは鈍くなり、すぐに動きを止め被害者を抱きしめます。続く48時間で被害者の身体が発根過程と同様に変化し、同時に被害者をSCP-1269-1と共同で狙うようになります。その後、両被験者はSCP-1269-1とみなされ、同様の方法で行動します。

原則としてSCP-1269-1の拠点には3~4人の人間が存在しており、後続の被害者が他の被害者の上に「付着」することで木の形を形成しています。SCP-1269-1が異性の対象を加えた場合、SCP-1269-RUの影響半径内でSCP-1269-1をより効果的に狩り、増やすために繁殖を行う可能性があります。繁殖の過程は人間と同様であり、被害者がSCP-1269-1に加わる過程で受精が行われるか、失敗した場合、被害者の制圧と十分なエネルギーの蓄積の後に性交が繰り返されます。また、性交はSCP-1269-1による外的接触のみならず、精子を直接卵子の中に移すことによっても可能です。SCP-1269-1の妊娠は2週間から2ヶ月間続きますが、この時間の変化の理由は不明です。産み落とされた果実は体に付着して成熟し、成熟には6ヶ月から9ヶ月がかかります(2週間での胎児発育の例が記録されています。████████████のインタビューを参照してください)。その後、胎児は生きた人間が視界に現れた場合、SCP-1269-1となります。果実はすぐにオブジェクトから分離され、犠牲者を見つけ、それを強制的にオブジェクトまで引っ張っていくか、親オブジェクトが十分に成長している場合、別の個体へ犠牲者をマージします。

SCP-1269-RUとすべてのSCP-1269-1は不自然に再生が早く、大きさや複雑さにもよりますが損傷した器官を数日から2週間で修復することが可能です。オブジェクトのこの特性は███████████社に犯罪の目的で使用されました(発見ログを参照)。

SCP-1269-1の思考プロセスは原始的で、生存と繁殖のみを目的としています。オブジェクトから分離した果実は、犠牲者の探索と捕獲に何か工夫を行うわけではなく、最短経路に沿って移動するのみです。SCP-1269-1は泣き声をあげますが、人間のような発言はできず、発言も理解しません。しかし、人がSCP-1269-1と対話を開始しようとした場合、SCP-1269-RUもしくはSCP-1269-1自体の影響にさらされている可能性があります。この影響は、24~28時間以内に現れる急速に発展する精神障害として現れます。影響を受けた人間は、SCP-1269-1の気持ちを理解できると主張し、SCP-1269-RUとSCP-1269-1の一部、または全部との物理的接触を確立するための手段を模索します。被験者が接触に成功した場合、SCP-1269-RUは10個の口から大きな鳴き声を上げ、オブジェクトの影響範囲は2~3時間の間に激しく膨張し始めます。その場合、SCP-1269-RUは地面に固定されているか否かに関わらず、常に立ち上がろうと試み、SCP-1269-1は対象物の影響範囲の増加期間中に時折大きな泣き声や声を発します。これらの活動の活発化は4~7日間続き、完了するとSCP-1269-RUの影響範囲は半径5~10m恒久的に増加します。

SCP-1269-RUのもう1つの異常な性質は、土壌中の有機物に対するオブジェクトによる影響です。土壌中の物体、有機物、時には昆虫の影響を受けて、SCP-1269-1の構造物はそれ自体の根系となります。それらは人体の別個の部分であり、長い間人体に覆われている地面から発芽します。こうして発芽した全てのSCP-1269-1は雌雄同体であり、したがって繁殖の点で最も効果的な個体となります。

追加資料:




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