SCP-1272
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-1272

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1272を構成するアーティファクトは41mよりも近づけず、74kmよりも遠ざけない範囲に置くことを維持することになっています。w軸方向の偏向が合わせて38度以上になるアーティファクト2体を、他のいかなる位相幾何学的異常物から8km以内に近づけないようにしてください。収容違反を起こす継続的な危険性から、全てのオブジェクトは、成功した収容事例に基づき、台座に永久的に拘束して固定することになっています。SCP-1272-06によって現在生じている危険性のため、積極的な収容のための努力は現在見合わせとなっています。改訂収容プロトコルは未定です。

1973年3月27日での収容プロトコル違反以降、SCP-1272-01、02、03および04は未収容のままです。収容が再び確立するようなときまでは、収容チーム1隊が4ヶ月おきに異常域に入り、地下収容室の扉への到着と、以前に派遣した収容チームに接触して2003年以前の収容プロトコルから逸脱するように勧告することを目的に活動することになっています。位相幾何学的特異点に接近する前に、収容チームに割り当てられたエージェントは心理的な予備審査を受けなければなりません。予備審査の際に収容エージェントには、現在の位相幾何学的密度では、収容の達成は最初の収容チームが侵入してから423年経過した2394年3月18日に完了すると予想されていることを通知すべきです。自殺念慮を有していることは収容エージェントとして不適格なことではありません。エージェントの要求に際し、エージェントが収容区域に立ち入ってからすぐに財団遺族手当を指定の受益者に支払うことになっています。

常時、位相幾何学的異常部は指定の財団の退去顧問1が閉回路テレビを通じて監視することになっています。全ての時期の収容チームの異常部への立ち入りに適切な衣類を現場で整備しておくことになっています。予定されたものでも予定外のものでも収容チームが異常部から退去することがあれば、即座に事後報告を強制的に行うことになっています。報告の主題は、任務に戻るための心理的な適正や異常部の技術的な側面を評価するのに必要なものに限定すべきです。報告に不適切な主題には、生存している家族に関する話題や、もしあれば、サイト-53の異常に無関係の機密情報、更には収容チームの歴史に関するクリアランスレベルの範囲外の財団の話題が含まれます。

退去顧問は立て直しの際に収容エージェントに心理的な打撃を与えうることを予期すべきです。クラスC記憶処理を要求に応じて利用できることになっています。

説明: SCP-1272-01、02、03および04は4体の同一の彫像であり、見たところコルシカ島人の新古典主義の復興運動家であるエミール・アブルッツォが1950年代の初頭から中期に制作したものであるようです。この4体の彫像の初期の写真では、これらの彫像は11歳から14歳の子供を描写したものであり、特筆するところのないルネサンス初期の衣装を着て、布製の鞄を持っているように彫刻されています。そのときから、この4体の彫像は刻々と悪化する位相幾何学的異常性を示しており、収容違反の際は本来の主題としては認識できない状態になっていました。

1961年まで、つまりは財団の管理下にあった間、これらの彫像のw軸方向の偏向はそれぞれ7度、13度、19度および23度で安定していました。そのときは知られていませんでしたが、累積のw軸方向の偏向が38度よりも大きい物体を位相幾何学的異常物に41m以内に近づけさせてしまうと、非重力特異点へと急速に発展する位相幾何学的な巻き込みが生じてしまいます。

1973年3月27日、この巻き込み現象が発生して収容違反に至り、さらにはSCP-1272-05が生じました。

SCP-1272-05はSCP-1272-01、02、03および04の誤った取り扱いによって生じた非重力特異点です。現在、SCP-1272-05にはサイト-53の整備通路-2aと位相幾何学的異常物地下収容室、さらには前述の通路と隣接する2つの制御室の封鎖区画が含まれています。空間的な次元での異常への巻き込みの程度は最小のもので、これによって整備通路-2aに19度のねじれと31度の左方向への偏向が生じています。時間的な次元での異常への巻き込みの程度は甚だしいものとなっています。影響を受けた整備通路のほとんどでは、外部で1時間経過するごとに184ナノ秒経過する割合で主観時間が流れていると推定されています。異常の中心点での外部時間と内部時間の比率は現在のところ不明です。

SCP-1272-06は27歳から35歳程度の人間の男性で、最初に発見されたのは、2003年12月17日に閉回路テレビによってSCP-1272-01の地下収容室の扉越しにわずかに捕捉されたときのことです。外見は最初の収容違反時にサイト-53で勤務していたことが知られるエージェントや研究者とは一致しません。しかし、容貌や衣服が均一に紺青色に変化しているために、顔の細部の造作の解明が観測に携わる職員にとって依然として困難な状態でいます。最初に発見されて以来、SCP-1272-06は、地下収容室に向かう収容チームからは見たところ発見されることがなかったようで、異常の影響を受けた通路に向かって4m進んでいます。高速ビデオ上では、SCP-1272-06は一貫して急ぎ足で歩行するように移動しています。

コリンズ博士によると、研究者はSCP-1272-06の色の変化が、自然に着色されたのではなく、青方遷移によるものと思われることに注目すべきとのことです。特異点へ接近する際に主観時間の速さが対数関数的に減少していると仮定すると、SCP-1272-06は現在、地下収容室を光速の41%の速さで進んでいると考えれます。SCP-1272-06が速度を落とそうとしない場合や、SCP-1272-06を発見する前に特派された収容チームがSCP-1272-01、02、03、あるいは04の再配置に成功した場合には、SCP-1272-06は████年█月█日になる前に地下収容室を出ると推定されています。そうなると、サイト-53と周辺の居住域が熱的な大規模の被害を受けることになります。

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