SCP-1273
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アイテム番号: SCP-1273

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: Dクラス職員を用いた実験に使用されていない場合、SCP-1273はサイト23の434番収容ロッカーに保管してください。SCP-1273は実験時以外はいかなる電力供給源とも接触させてはなりません。SCP-1273-Aは敵意は無いものの潜在的に危険な実体である事に留意してください。

SCP-1273-Aは無期限に741番実験チャンバーに収容され、常に監視されなくてはなりません。更なる通知があるまでチャンバーへの入室は禁止されています。anomolousアイテムを用いた実験ホールデルタでの実験は2014/11/05以降行われていません。収容違反の際には廊下を完全に封鎖してください。

説明: SCP-1273は██████社製の子供向け常夜灯です。当オブジェクトを構成するいかなる物質にも異常性は確認されていません。SCP-1273は様式的なウサギと類似した外見であり、電源に接続して点灯させてから30分間は異常性の無い常夜灯として機能します。点灯から30分が経過した時点でSCP-1273の異常性は活性化し、SCP-1273-Aと指定される実体がSCP-1273が存在する部屋に出現します。オブジェクトが消灯されるかSCP-12733-A実体の出現中に電源との接続が解除された場合、実体は次回の活性化イベントまで消失します。

SCP-1273-Aは白人女性のように見える人型実体で、外見的には10代と推測されます。実体は自身をSCP-1273が発見された都市と同じ██州███████町の住人である「アビゲイル・ローレンス」だと主張しています。財団の調査によって実体が主張したものと同一の氏名を持つ人物が以前当該地区に住んでいたことが判明しましたが、同人物は2014/09/03に死亡が確認されていました。死体は部屋に入った両親によってSCP-1273及び[編集済]と思われる機能を持つ数種の異常な物品と共に発見されました。

SCP-1273-Aは外見的には通常の人間と同一ですが、SCP-1273が存在する部屋と外部との境界になっている物体以外と物理的に接触することができません。SCP-1273-Aは他の物体を操作することはできません。1従ってSCP-1273-Aが出現した部屋から出ることは不可能です。

出現した際、通常SCP-1273-Aは苦しむ様子を見せ、SCP-1273を電源から切り離す事を試みます。その不可触な性質により、この行動は一貫して失敗に終わります。

インタビュー記録-1273-アルファ: 以下のインタビューは初期のSCP-1273-A実体出現時に主任研究員のロイド博士によって行われました。

対象: SCP-1273-A

インタビュアー: ロイド博士

<録音開始>

ロイド: こんにちは。僕はジェイソン・ロイド博士だよ。もし良ければ少し質問したい事があるんだけど、いいかな。

SCP-1273-A: [小さすぎて聞き取れない音]

ロイド: すまない、何だって?

SCP-1273-A: [ロイド博士へ向き直る。対象は苦しんでいるように見える] 帰ってもいい?

ロイド: 帰るってどこへ? [傍を向く] 対象は苦しんでいるように見えると書き留める

SCP-1273-A: わたーわたしはこっちに戻ってくるつもりなんて無かったの……[SCP-1273を電源から切り離そうとし始める。対象は実体を持たず、物体に触る事ができないように見える]

ロイド: 落ち着いて。僕らは君の助けになれる。でもその前に君に手伝ってもらわないとダメなんだ。

SCP-1273-A: [頭を横に振る]触らないで。助けてなんかくれないわ。助けなんていらない。私を帰らせてくれればそれでいいの。

ロイド: どこに帰るんだい?

SCP-1273-A: [再びSCP-1273を電源から切り離そうと試みる]あっちよ。私が前にいた所。ここよりずっといい所よ。だからお願い。お願いだからプラグを抜いて。

ロイド: SCP-1273-A、君を帰してもいいんだが、もう少し君のいた場所のことを知りたいな。

SCP-1273-A: [SCP-1273を電源から切り離そうとするのをやめる]そしたら帰れる?

ロイド: ああ、帰れるとも。

SCP-1273-A: 分かった……私はアビゲイル・ローレンスだったわ。16歳で、出身は███████。私は…私どうやってライトの中に入ったのか全然覚えてないの。でもこれが今の私の家よ。

ロイド: だった?

SCP-1273-A: あー、ええ、見ての通り私、その……[対象が手を振る。SCP-1273をすり抜ける]

ロイド: ああ、なるほど。それじゃあ君はどうしてこうなったのか全然覚えてないってことでいいかな?

SCP-1273-A: [ロイド博士から目を逸らす]ごめんなさい、思い出せないわ。

ロイド: 分かった。もしも何か思い出したら躊躇わずに言ってほしい。さて、君の家はどんな感じかな?

SCP-1273-A: [微かに微笑む]素晴らしくて、明るくて、解放的で……ああ、もう行かせて。少しの間でもいいから。もうここには我慢できないわ。

[ロイド博士は研究チームと3分ほど相談する]

ロイド: 分かった。SCP-1273-A、今回はここまでにしよう。尤もまたすぐに会うことになるだろうがね

<録音終了>

結: ロイド博士はSCP-1273を消灯し、その後電源から切り離した。結果SCP-1273は消失した。

 
インタビュー記録-1273-ベータ:

対象: SCP-1273-A

インタビュアー: ロイド博士

序文: 以下のインタビューはインタビュー記録-1273-アルファから一週間後に行われたもので、財団におけるSCP-1273の異常性発現はこれが二度目である。

<録音開始>

SCP-1273-A: [溜息]もうなの?

ロイド: こんにちは、SCP-1273-A。前のインタビューからの間に君が今の状態になった原因は思い出したかい?

SCP-1273-A: いいえ、博士。

ロイド: そうか。じゃあ、君がいつもいる場所についてもっと教えてくれないか?

SCP-1273-A: [心配そうに辺りを見回す]私、その、それを言うのは許されてないの。

ロイド: 許されていない?一体誰に?

SCP-1273-A: [地面に目を落とす]お願い、帰らせて。

ロイド: アビー、私の質問に答えてくれないか。

[対象は返答しない]

<録音終了>

結: 対象は以後沈黙を貫いた。30分後、ロイド博士はSCP-1273の電源を落とし、コンセントを抜いた。

研究記録-1273-カッパ: 以下はロイド博士の実験ノートからの抜粋です。抜粋された記録はSCP-1273-Aのインタビュー中に書かれたものです。

……はこの場所についてそれ以上のことを話そうとしない。そのプロセスを覚えていないというのが嘘である事は一目瞭然だ。だが何故話そうとしないのか?ガリソン研究員の考えによると……

……は我々がその気であれば望む情報を得られるまで自身を引き留めておく事もできる事に気づいたようだ。

……実体がいた次元はあらゆる物理的特性を欠いているらしい。実体は以前より少しだけ協力的になったが、財団のその領域に対する理解を故意に妨げようとしているようにも感じられる。

エージェント█████████とエージェント███████は少しずつSCP-1273-Aの信頼を勝ち取りつつあるようだ。将来的な処罰と共に有効な活用法を主任研究者間で協議するべきだろう。

事件記録-1273-ミュー-1: 2014/11/05、異なる電源に対してのSCP-1273の反応を調査する定期試験2の最中、オブジェクトの電球が切れましたが、典型的な不活性化イベントと異なりSCP-1273-Aは消失しませんでした。実体はこれに気づくとパニックに陥り、SCP-1273を電源から切り離そうとし始めました。SCP-1273は職員の手によって電源から切り離されたものの実体は消失しませんでした。SCP-1273-Aは荒々しくエージェント███████に近づき、怒鳴りながら3彼女に暴行を加えようとしました4。予測とは違い、実体の手足はエージェントをすり抜けるのではなく、エージェントの肉体の中に「囚われた」ように見えました。これによってSCP-1273-Aは更なる苦痛を感じ、より大きな声で叫びながらエージェント███████の肉体から脱出しようとしてもがきました。エージェントの肉体との接触面積が増えるに連れてSCP-1273-Aはエージェントの肉体に吸収されているようでした。約3分後、実体は完全にエージェント███████の肉体に吸収されました。エージェントはこのプロセスの間に死亡していたと思われます。現場の職員から███████の呼吸と脈拍が無いことが報告され、彼女は暫定的に死亡が宣言されました。直後。このイベントによって発生する異常を観測するために全ての職員と物品はチャンバーから回収され、死体保全が行われました。

事件記録-1273-ミュー-2: 観察開始から約3時間後、死体からSCP-1273-Aが出現し5、叫びながら6収容房の壁と扉を殴打しようとし始めました。これらの行動は約45分間継続され、その後SCP-1273-Aは部屋の中央に移動して胎児と同様の丸まった姿勢をとりました。実体はこの姿勢を4時間維持し、その後立ち上がって7死体に近づきました。SCP-1273-A8は死体に入り込んで一部を動かそうと試みましたが、この動きは奇妙なものとなりました。このオブジェクトが約60分間実験チャンバーのドアに自身を叩きつけ続けた後にSCP-1273-Aが出現し、部屋の中央へと戻って泣き始めました。実体は追って通知があるまで継続的な監視下に置かれます。

音声記録-1273-シグマ: 以下の抜粋は監視中にSCP-1273-Aが存在する実験チャンバーから得られた音声の一部です。

殺すつもりなんて無かった。

閉じ込められるのがどんな気持ちか分からないのね。自由を知らないから制限されてるって気持ちが分からないんだ。お願い。ここから出して。教えてあげられるの。

家に帰りたいだけなのに。

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