SCP-1278
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-1278

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1278はサイト-██の標準的な中度セキュリティ保管庫に収容します。潜在的な誤用の可能性があるため、アクセスはレベル3以上の職員に限定されます。研究目的でSCP-1278にアクセスすることを望むレベル3職員は、サイト-██端末からパスワードを取得することによってSCP-1278へのアクセスが承認されます。パスワードは24時間で期限切れになる点に注意してください。研究以外の目的でSCP-1278を使用するのは禁止されています。水中写真や、地球の大気圏外にある物体もしくは場所を写した写真を使用する実験は、実験1278-2および1278-4以降は禁止されています。

説明: SCP-1278は縦30cm、横36cmのフォトフレームです。対象は松材の枠・金色の塗装・ガラスのカバー・段ボール製の裏張りで構成されています。ステンレス製の留め金が段ボール裏張りの縁4ヶ所に設けられており、この留め金を開くとSCP-1278の内部へのアクセスが可能になります。また、背面には平らな面に直立させるためのステンレス製蝶番に取り付けられた段ボールの“足”があり、枠の上部と左側には肖像もしくは風景写真として壁に吊り下げるためのフックがあります。誰がいつ何処でSCP-1278を製造したかに関する情報は一切記されていませんが、塗料組成物に対する試験は、SCP-1278が19██年から20██年にかけてのどこかの時点で作成されたことを示します。

SCP-1278の異常な性質は、25×20cm以下の写真もしくは二次元アートが内部に挿入された際に発現します。挿入された画像は暫くの間“揺らめき”、その波は池の水面を広がる波紋のように、画像の中心から放射状に広がっていきます。1~3分後、フレームは2点間のポータルとして機能し始めます。SCP-1278の裏張りを開けて画像を取り出すと、その時点でポータルは閉じます。向こう側の“窓”は36×30cmの長方形であり、どうやら二次元的のようです。片面はSCP-1278が存在する場所へのポータルとして機能しますが、もう一方の面は漆黒で、あらゆる周波数の電磁放射を吸収します。どちらの側からも、SCP-1278を通り抜けられるほど小さな物体であれば通過させられます。ガスとあらゆる周波数の電磁放射も同様に通り抜けてくるため、研究者は慎重に制御された条件下以外では、人命にとって危険な場所へのポータルを開くのを避けてください。

補遺: 実験ログ

実験1278-1:
示されている場所: サイト-██の外観
手順: 写真をフレームに挿入。ポータルの出口を観察するため、研究員█████および██████████が実験用写真の撮影場所へ派遣された。
結果: 効果は通常通りに発現し、SCP-1278の出口が観察された。“出口”の片面は無形であり、裏面は損壊できないために、サンプルを採取できず。この“出口”が完全放射体1として機能しており、今後の研究用途を有し得ることに留意すべきである。これらの特性に関する更なる実験は、サイト司令部の承認待ち。

実験1278-2:
示されている場所: ████博士の個人アクアリウムで撮影した水中写真
手順: 通常通り、写真をフレームに挿入。
結果: 効果は通常通りに発現し、即座にアクアリウムの内容物が実験室の床に流れ出し始めた。清掃員が実験室に派遣され、以後の実験は14号実験室へ移動。

実験1278-3:
示されている場所: サイト██の外観を20倍伸縮ズームで撮影した写真
手順: 写真をフレームに挿入。研究チームが写真の撮影場所へ派遣された。
結果: 効果は通常通りに発現。SCP-1278の出口は撮影場所では発見されなかった。写真がサイトから300mの地点で撮影されたにも拘らず、ポータルの発見場所はサイトから15mの距離であった。

「つまりこいつはズーム写真でも問題なく使えるわけだな。良い事を思いついた」- ████博士

実験1278-4:
示されている場所: ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した馬頭星雲の写真。ズーム倍率不明
手順: D-245が指示を受け、SCP-1278に写真を挿入して実験室を退出した。
結果: 効果は通常通りに発現したが、ポータル開通までかなり長い時間を要した(正確な時間は測定されていなかったため不明)。実験室の大気は即座にポータル経由で深宇宙へと吸い出されていった。実験記録カメラのレンズは圧力差によって破損。音声記録は暫く空気の流れる音が続いた後、完全に静寂なものとなった。室内のセンサーはマイクロ波・ガンマ放射線・ベータ粒子の増加を記録。
███研究員が、通常SCP-███の研究に使用される宇宙服を着用して実験室に入り、写真を取り出した。

実験1278-5:
示されている場所: ニューヨーク市のスカイラインの鉛筆スケッチ
手順: 通常通り、スケッチをフレームに挿入。
結果: SCP-1278の効果は発現したが、それは現在のニューヨーク市に繋がってはいないようだった。その代り、スケッチは描かれているニューヨーク市の、昼夜サイクルを含めた典型的な一日からなる24時間の“ループ”を見せ始めた。

実験1278-6
示されている場所: 無し。サルバドール・ダリ作、“記憶の固執2”の複製品を実験に使用した。
手順: D-246が指示を受け、絵画をフレームに挿入して更なる指令を待つ。影響が表れた時点で、D-246はフレーム内に這い進むように指示された。彼女は、簡単にSCP-1278へ入れるであろう非常に小柄な体躯を基準に選抜されている。
結果: SCP-1278の効果は通常通りに発現。D-246は難なくフレームに入り、観察したものを報告するよう求められた。彼女は、絵に似ている3次元平面上に立っていると主張。オリジナル作品では見えない部分の説明を求められると、D-246は“記憶の固執”に描かれているものと一致する風景を報告した。D-246は問題なく回収された。24時間のフレーム監視で唯一確認された動きは、24時間の昼夜サイクルのみ。

実験1278-7
示されている場所: 無し。M.C.エッシャー作、“相対性3”の複製品を実験に使用した。
手順: D-246が指示を受け、絵画をフレームに挿入して更なる指令を待つ。影響が表れた時点で、D-246は実験1278-6と同様に、フレーム内に這い進むように指示された。
結果: D-246は暴[O5司令部の指示によりデータ削除]。現在、如何なる形式であれ非ユークリッド幾何学を描いているアートを用いた実験は、サイト司令部の全会一致、もしくはO5司令部の3分の2の承認を必要とする。

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