SCP-1280-JP
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humehole

初期収容時のSCP-1280-JP

アイテム番号: SCP-1280-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1280-JPは移動しないため、サイト-8129旧研究棟内の収容室-G285に覆われ収容されます。室内には10 16 18基のスクラントン現実錨(Scranton Reality Anchor, 以降SRAと略記)を、SCP-1280-JP表面から半径20mの距離に等間隔に設置してください。また、室内の現実性強度が0.85Hmを下回った場合、速やかに出力4.1Hm/h以上のSRAの追加設置を行ってください。

説明: SCP-1280-JPは東経13█°██'██"、北緯3█°██'██"に位置する、直径1.1 1.8 2.1mの球状の時空間異常、及びその周囲に発生するクラスA現実性希薄領域です。SCP-1280-JPの周囲の空間は常に白く霞がかっており1、中心部の球状時空間異常は完全な白色に見えます。SCP-1280-JPは2006/12/23にサイト-8129研究棟内に突如出現し、以降同地を改築して収容されました。

SCP-1280-JPの異常性は、周囲の現実性2を吸引し、自身と同じ程度まで低下させることです3。この特異性の結果、SCP-1280-JPの周囲には常に高レベルの現実性希薄領域が発生しており、侵入した存在に"現実性拡散"現象4を発生させます。この現象は人体や機器に有害であるため、SCP-1280-JPの影響範囲には立ち入り制限が課せられました。

またSCP-1280-JPは12時間に1度、時空間異常部分の直径および影響範囲を拡大させる"拡大イベント"を発生させます。このイベントの発生周期は極めて正確であり、拡大率は1回につき██%に上ります。この特性により、SCP-1280-JPは██回の拡大で日本全土を飲み込み、███回の拡大でZK-クラス:現実不全シナリオをもたらすことが推測されています。幸いなことに、この拡大イベントの発生はSCP-1280-JPをSRAで取り囲み、必要に応じて適宜追加することで食い止められることが判明しています5

実験記録1280-JP-1

対象: ハツカネズミ(Mus musculus) 1 匹
時間: 30分間
実施方法: 影響範囲内に対象を入れ、経過観察を行う。
結果: 対象の実体が陽炎のように希薄化し、表皮の溶解、内臓器官の脱落など、身体構造の崩壊が発生。但し、領域内に留まる限り、身体の75%を失っても生存した。
分析: 現実性希薄領域による、拡散現象の発生が確かめられた。
付記: この中では"死"の存在すら現実味がないようだ。-██博士

実験記録1280-JP-2

対象: ハツカネズミ(Mus musculus) 1 匹
時間: 3時間
実施方法: 影響範囲内に対象を長時間入れ、経過観察を行う。
結果: 対象はほぼ目視不可能なまで薄く広がった。対象は影響範囲外に戻される際、跡形もなく消滅した。
分析: 長時間の暴露により現実性を完全に喪失したと考えられる。また、対象は自身に比べて高い現実性を持つ通常の空間に希釈され、消滅したと考えられる。
追記: その後の追試及び他の観測済み極低ヒューム環境の研究例により、この拡散現象は全ての現実存在に対し、通常レベルの現実空間での存在不能化や身体構造の崩壊など、重篤な影響を与えることが判明しました。

実験記録1280-JP-3

対象: ハツカネズミ(Mus musculus) 1 匹
時間: 3時間
実施方法: 影響範囲内に超小型SRA(nano-SRA-002type)を装着した対象を入れ、経過観察を行う。
結果: 対象は影響を受けなかった。
分析: SRAの現実性供給効果により、現実性の損失が発生しなかったものと考えられる。
付記: 極端にヒューム値が低いことを除けば、通常の低現実性空間と同様に扱えることが確認できた。次回は有人の詳細調査を提案する。-██博士

実験記録1280-JP-4

対象: D-69636
時間: N/A
実施方法: 影響範囲内に携帯型SRAを装備した対象を入れ、時空間異常の詳細測定を行う。
結果: 測定中、対象は誤って時空間異常部分に接触した。その際、内部に空間があることが判明。調査のため、急遽対象を突入させた。

突入後、対象は「真っ暗な無人の部屋に出た」と報告する。その後室外への侵入を指示するが、対象は侵入したと思われるタイミングで「巨大な白い球体」と発言。直後に装備していたカント計数器の測定下限値6を観測し、通信が途絶した。
分析: 対象は、SRAの性能を超えた現実性希薄領域に突入したものと考えられる。
付記: SCP-1280-JPは平行世界を結ぶワームホールの一端だった。異常性は、これを通じた現実性の流出が原因ではないか。またあちらの世界には、拡大を許してしまったSCP-1280-JPの類似実体が存在すると思われる。内部探査の実施を要請する。-██博士

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