SCP-1281-JP
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アイテム番号: SCP-1281-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-1281-JPは生物サイト-8102の、低危険度生物収容室スクラントン現実錨で保護された地下収容区画の専用収容水槽内に収容してください。水槽内には人工海水を満たし、底砂を敷いてください。またSCP-1281-JPへの刺激を避けるため、収容室の内壁はグラスウールによる半無響室加工を施し、収容室内の照明には赤色灯を用いてください。収容室への電力供給ライン、水槽の循環装置、水質維持装置は常時3系統を維持し、さらに非常用電源装置を収容室内に配備してください。
 
SCP-1281-JP個体群全体に対する実験にはレベル3職員 1名 3名の許可が必要です。単一のSCP-1281-JP個体に対する実験の際にはレベル3職員1名の許可が必要です。実験の際には自動捕獲装置を用いて遠隔で水槽からSCP-1281-JPを取り出し、実験を行ってください。実験時を除きSCP-1281-JP個体群に対し、外的刺激を与える行為(収容室への不用意な侵入など)は可能な限り防止してください。
 
SCP-1281-JP個体に対する終了処置が必要な場合は、専用のプレス式終了装置で確実に即死させて下さい。SCP-1281-JPの死骸および分泌液は通常の生体廃棄物として処分可能です。

事件記録: SCP-1281-JP-003の発生により、オブジェクトクラスは暫定的にEuclidに引き上げられました。現在、野生化個体群の収容方法および特別収容プロトコルの追記が検討されています。

暫定プロトコルとして、サイト-8012においてスクラントン現実錨の設定値を1Hm以下に設定する行為が禁止されます。スクラントン現実錨の定修工事は他のサイトに輸送したうえで実施してください。

説明: SCP-1281-JPは異常な品種改良を施されたヌタウナギ(Eptatretus burgeri)です。SCP-1281-JPは20██/07/13に行われた日本生類創研の研究施設の強襲作戦の際に、他のオブジェクトとともに収容されました。収容当初は「淡水で飼育できるヌタウナギ」として暫定的にAnomalousアイテムに分類されていましたが、事案1281-JP-001の発生により、Safeクラスオブジェクトに再分類されました。

SCP-1281-JPの異常性は、周辺環境に対する異常な適応能力です。環境への適応に要する時間は最短2秒であることが複数の実験により確認されています。ただし、SCP-1281-JPはその適応能力によりあらゆる環境での生存、繁殖が可能ではありますが一般的なヌタウナギの生育に適した環境を好みます。この環境への嗜好性から、SCP-1281-JPは適切な取り扱いを行う限りは通常のヌタウナギとしてふるまい、必要に迫られた場合にのみ異常性を発揮し、適切な環境に戻した場合は異常性によって獲得した特殊能力を喪失します。1

参考資料としてSCP-1281-JP発見時に押収した日本生類創研の内部文書を以下に記載します。

開発案件
美味しくて簡単に飼育できる水産資源

開発動機
昨今の人口増加は地球規模の食糧危機を予見させ、特にタンパク源の確保については喫緊の問題である。
タンパク源確保の代表は畜産だが、既存の家畜を飼育するためには大量の飼料が必要とされており、持続可能性に乏しい。餌の穀類は人間の食糧と競合するのも難点である。
その一方で畜産と対をなすタンパク源確保手段である漁業についても、水産資源は年々減少傾向にある。その背景には乱獲や海洋汚染が挙げられるのは言うまでもない。
また、食品廃棄物問題もまた根深い問題である。そこで、残飯を餌にし、適当に飼育してもおいしく育つ水産資源の開発は、この問題の解決となるのではないかと考えた。

開発対象
ヌタウナギ(Eptatretus burgeri)は非常に美味かつ強靭な生命力を持つため、本案件に最も適すると考えた。またその皮革やヌタは産業分野での利用も期待できる。

提出者:Gエリア第9研究所 海洋生物研究チーム 研究員 千万十ちまんと 那由多なゆた

承認者:Gエリア第9研究所 海洋生物研究チーム担当主任 鳥丸百九

 
補遺1: 事件記録:事案1281-JP-001
20██/05/26、生物サイト-8102が震度3の地震に被災しました。この影響により同サイトのAnomalousアイテム保管室内に設置されていたSCP-1281-JP収容水槽が破損し、他のAnomalousアイテムを保護するためフェイルセーフ機構によって内部の水が完全に排水されました。しかし、非常事態対応プロトコルの規定により全職員はSCPオブジェクトの収容状態確認に当てられたため、水槽の修復は後回しとなり、Anomalousアイテム保管室内でSCP-1281-JPは5日間断水状態にさらされました。にもかかわらず、SCP-1281-JPの全個体が肺呼吸により生存していたことから、異常性が確認されオブジェクトクラスの再分類へと至りました。
 
補遺2:

 
補遺3:

  
補遺4:

 
補遺5:

 
補遺6:
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