SCP-130-KO
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アイテム番号: SCP-130-KO

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-130-KOの収容プロトコルは、機動特務部隊アルファ-4("ポニー・エクスプレス")が担当します。選抜されたエージェントは、SCP-130-KO-1に指定された手紙を回収、搬送し、追跡することを引き受けることになります。

発見されたSCP-130-KO-1は遅滞なく回収し、封筒に記載されていた差出人の住所に返送しなければなりません。搬送は、民間の一般的な郵便局搬送手続きを使用します。以後担当エージェントが差出人の住所に移動して、搬送されたSCP-130-KO-1を回収し、相手側の差出人の住所に再び返送する手続きを繰り返してください。この手順を繰り返すにあたって、SCP-130-KO-1は完璧な状態を維持しなければなりません。

SCP-130-KO-1をあらかじめ回収することに失敗し、受取人がそれを受領した場合、担当エージェントは受取人を警護する責任があります。担当エージェントは受取人の周辺に常在し、2日以内に受取人を訪問するSCP-130-KO-2を待たなければなりません。SCP-130-KO-2が出現したら捕縛し、受取人の住居領域内から強制退去させます。もしSCP-130-KO-2が暴力性を現して受取人を攻撃しようとする場合は、一般的な人間を死亡に至らせることのできる銃器による射撃を加えて制圧してください。銃器以外のその他の凶器を使用してもSCP-130-KO-2を制圧できると推測されていますが、実際に検証されたことはないため銃器を使用した方法を標準収容方法と定めます。SCP-130-KO-2の制圧に成功したら、受取人からSCP-130-KO-1を回収し、上記の収容プロトコルを継続して遂行してください。

SCP-130-KO-1が受取人の住所に到着した日から7日以内に記載されている搬送手続きを経ない場合にはSCP-130-KO-1の異常性が無効化されるため、それを廃棄してSCP-130-KO収容違反宣告を申請しなければなりません。プロトコルを実行するプロセスの間に問題が発生してSCP-130-KO-2が受取人を殺害する、またはSCP-130-KO-1の紛失、毀損、破壊があった場合もSCP-130-KO収容違反宣告を申請しなければなりません。この申請の義務は担当エージェントにあります。収容違反宣告を受けた行政部は直ちに情報局に通報し、新たなSCP-130-KO-1を追跡する作業を開始しなければなりません。

説明: SCP-130-KOは、SCP-130-KO-1とSCP-130-KO-2を含む一連の異常現象を指します。SCP-130-KO-1は大韓民国の一般的な郵便配達手続きによって送られる紙の手紙です。手紙に記載された形式は一般的な請求書と似ており、実際に上欄の題目欄にも"請求書"と書かれていますが、実質的な情報を記載しなければならない部分は全て空欄になっています。SCP-130-KO-1はSCP-130-KO-2と結び付いた事件を引き起こすという点を除けば平凡な手紙に過ぎないため、改竄や毀損、破壊が可能です。しかしその本来の内容を理解するのに困難が生じるレベルの改竄、毀損が発生すると異常性を失い、収容違反の要因となります。

SCP-130-KO-1の受取人がそれを受領し、封筒から請求書を取り出した場合、2日以内にSCP-130-KO-2が受取人の住居を訪問します。SCP-130-KO-2は黒色の郵便配達員の服装をしており、黒色のキャップ形式の帽子を被っている人間型異常存在です。SCP-130-KO-2は人間に準ずる知的能力を所有していると見られていますが、財団やその他民間人と意志疎通を試みる姿は一度も観測されませんでした。受取人を訪問したSCP-130-KO-2は、受取人をナイフや刺身包丁のような小さな刃物で殺害し、SCP-130-KO-1を回収して去ろうとします。SCP-130-KO-2の能力は一般的な人間と差異はなく、腕力によって制圧することが可能です。SCP-130-KO-2を制圧して受取人の住居領域外に連れ出すと、SCP-130-KO-2は消失します。

SCP-130-KO-2を射殺しても、現在の特別収容プロトコルに大きな影響は及ぼしません。受取人がSCP-130-KO-1を受領する度に、SCP-130-KO-2は再出現します。ただしそのSCP-130-KO-2は以前の射殺されたSCP-130-KO-2とは別の個体であるように見えます。SCP-130-KO-2を射殺した事例で、次回の受取人がSCP-130-KO-1を受領した場合に限って、新たなSCP-130-KO-2個体が現れるまでに2日よりも更に長い時間がかかることがあります。

受取人がSCP-130-KO-1を受領する前にそれを回収し、差出人住所へ返送する場合、搬送の過程で本来封筒に記載されていた差出人住所が大韓民国の範囲内で無作為に変更されます。現在のところ、配達業務を遂行する郵便配達員が運送手段を利用する途中に起きる現象と推測されていますが、実際に検証されたことはありません。SCP-130-KO-1に加えられた微細な損傷に対する回復もこの際に起きると見られています。SCP-130-KO-1を入れた封筒(差出人住所が変更された封筒)は異常性の主体ではなく、オブジェクトにおいて異常存在としては扱いません。

次の文章はSCP-130-KO-1が異常性を喪失し、市内で新たなSCP-130-KO-1が現れる収容違反が発生するための条件です。

  • SCP-130-KO-1において、本来の内容を理解するのに困難が生じるレベルの改竄、毀損が発生した場合。
  • SCP-130-KO-1の受取人がSCP-130-KO-2によって死亡した場合。死亡したその時点で異常性が喪失するため、一歩遅れてSCP-130-KO-2を制圧しSCP-130-KO-1を返送しても無駄である。
  • SCP-130-KO-1が受取人の住所に到着した日から7日以内に搬送手続きを経ない場合。
  • SCP-130-KO-1が封筒の差出人住所欄に記載された住所と異なる住所に搬送された場合。7日以内に再び相応しい搬送手続きを経ても有効に作用しない。

特筆すべき事項として、SCP-130-KO-2は現在まで自分を制圧しようとする試みに対して特別に抵抗を試みていません。補遺の事案130-KO-18が注目に値する事案ですが、この記録によるとSCP-130-KO-2は現在の特別収容プロトコルの存在を認識しており、むしろこれを推進しているような様子を見せています。

補遺

事案130-KO-18: SCP-130-KOの収容を担当していたエージェントが、差出人住所に向かって移動している途中に交通事故に遭い、意識不明の状態に陥りました。機動特務部隊アルファ-4の指揮官は一歩遅れてこの事実に気付き、1日が過ぎた時点で2番目の収容チームを派遣しました。彼らは21時頃に到着して受取人の前でナイフを握っているSCP-130-KO-2を制圧しましたが、後日受取人へのインタビューの過程でSCP-130-KO-2が14時頃には到着していたという事実が確認されました。受取人の証言によれば、SCP-130-KO-2は到着した直後に懐からナイフを取り出し、受取人を威嚇したものの、彼女を抑えつけ、手足を縛った後椅子に座らせる行動などを除けば、何も身体に危害を加えませんでした。SCP-130-KO-2は周囲を継続して警戒し、体をじっとさせることができずに家中を徘徊するなど、何かが思うように進まず慌てているような姿を見せたといいます。この過程においてSCP-130-KO-2はガラス製のコップを割ったり、大型の壁掛けテレビを落としたりするなどの故意に大きな音を出す奇妙な行動を取っていました。

████研究員(██/██/██~██/██/██ SCP-130-KO主席研究員)は████/10/17付で発行された第3号四半期刊ユークリッド学術誌を通じて、当時SCP-130-KO-2は自分を制圧してくれる収容チームを待っていたのだと主張しました1。上記学術誌B面244ページにおいて、彼はこの事件を提示して「SCP-130-KO-2が受取人を殺害するのをはばかっているという強力な証拠」と叙述し、加えて「SCP-130-KO-2は殺害業務を代行する一種の被雇用人であり、人命を奪う自分の業務に懐疑感が入ったものと見られる」と明らかにしました。この論文はSCP-130-KO-2が収容プロトコルを回避しようと試みなかったという点を説明することができていないという大きな反論の根拠に行き当たりましたが、████年に███博士が「今のSCP-130-KO-2個体は業務事項に懐疑を感じているというよりは、以前の個体が収容チームに射殺されたという前例があるために業務を真面目に履行する責任感を感じることができないと考えているとする見解が妥当であると思え、にも関わらず収容プロトコルを回避しない理由は財団の妨害にかこつけて懲戒免職を免れようとしているから」という解析を出した後2、再証明されました。現在、███博士の理論が通説として受け入れられていますが、一方でこれは該当オブジェクトの現象がいつでも変化する可能性(SCP-130-KO-2の雇用人が彼を解任して他の個体を雇うなど)を内包しているため、関連職員の持続的な監視が必要であることを示しています。

事案130-KO-3別添: 射殺されたSCP-130-KO-2の所持品リスト

  • 黒色の郵便配達員の制服(上下)
  • 黒色の帽子(キャップ)
  • 黒色の革靴
  • 白色の綿素材の肌着(上下)
  • ████████社のナイフ
  • ████煙草の箱(内容物なし)
  • 茶色の革財布(内容物なし)
  • 14K金の指輪
  • 何度も丸められた紙(給与明細書の様式、内容は空白。"危険手当"項目あり)
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