SCP-1307-JP
評価: +62+x
blank.png

アイテム番号: SCP-1307-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 日本国内の身元不明遺体の情報は常に監視され、SCP-1307-JPと判断されたものは回収されます。回収後は研究用のものを除き、全て焼却処分されます。PoI-13071はサイト-8157の人型オブジェクト収容セルに収容されます。セル付近には医療チームが配備され、定期的に治療が行われます。

説明: SCP-1307-JPは不定期に日本国内の海岸に打ち上げられた状態で発見される、複数のモンゴロイド系男性の溺死体です。20代半ば~30代前半と見られる外見的特徴や指紋は全実例で共通しており、PoI-13071"林万磊"1との一致を示します。体内には肺以外の臓器と入れ替わる形で、アカウミガメ(学名:Caretta caretta)の卵を生成する異常な臓器が1つ以上存在します。1年間に回収される実例数および異常臓器の保有数の平均は年々増加しています。

SCP-1307-JPの体内の卵は、それぞれ不定なタイミングで孵化します(以下、孵化した個体をSCP-1307-JP-Aと表記)。SCP-1307-JP-Aの幼体はSCP-1307-JPの臓器や筋肉の一部を摂食することで栄養失調や餓死を防ぎ、非異常性の個体よりも早い成長を遂げます。この孵化の時間差と食性は、SCP-1307-JP内での圧死を防ぐためであると推測されています。

SCP-1307-JP-Aの誕生から約10日が経過すると、SCP-1307-JPの体組織および衣服は海水に触れることで溶解する性質を得ます。この時、SCP-1307-JPの肺には海水が継続的に出現し、体内から溶解を開始します。これによりSCP-1307-JP-Aは体外への脱出が可能となり、以降は非異常性の個体と同様の振る舞いを見せます。この溶解と先述の摂食以外の要因によるSCP-1307-JPの損傷は、約3分かけて全て修復されます。しかし通常、SCP-1307-JPは行旅死亡人として処理され、脱出前に火葬が行われることでSCP-1307-JP-Aは死亡します。また、火葬による損傷に修復が追い付かないため、SCP-1307-JPも無力化します。この時、焼却炉内には人骨の代わりに破損したアカウミガメの骨が残されます。骨および灰に異常性はありません。

SCP-1307-JPは2017/09/05に和歌山県で発生した、火葬した行旅死亡人の遺骨が大量のアカウミガメの骨に置換された事案がきっかけで発見されました。当時は超常現象として情報が記録されましたが、不定期にこの事案の被葬者と同様の外見的特徴を有する人物の遺体が日本各地で発見されたことで、アイテム番号が割り振られました。

補遺1: 2018/03/22、大韓民国慶尚北道に位置するAC-368"エゾヒグマ"2の拠点から、PoI-13071が保護されました。発見当時のPoI-13071は意識を失った状態で地下室に軟禁されており、背面および両手には深達性Ⅱ度の火傷を、それ以外の部位には複数種の刃物による裂傷を負っていました。以下は発見現場周辺で発見された物品の一部です。

  • 韓国語で「あとは任せた」と書かれたプレート: 発見現場の扉
  • 手錠(破壊されていたものを含む) 3個: 発見現場の床および棚
  • 包帯 5m: 隣接する部屋の棚
  • 非ステロイド系抗炎症軟膏薬 50g: 隣接する部屋の棚
  • 抗不安薬 50錠: 隣接する部屋の棚
  • 血痕。血液はPoI-13071のもの: 発見現場前の廊下から、地上階に続く階段の方向へ続いていた。

本稿執筆時点でもPoI-13071の意識は回復しておらず、身体には上記の負傷の自然発生が確認されています。現在PoI-13071は漁船転覆事故または軟禁前後に何らかの異常性を獲得した、あるいは異常性の影響下に置かれたと推測されています。詳細な情報を得るため、大韓民国地域司令部と合同でAC-368構成員を捜索する方針が同年4月2日に決定されました。

また、PoI-13071の生存が確認されたことで、2017年8月から9月にかけて行われたPoI-13071の死亡に関連する手続きの調査が行われました。その結果、公安機関にPoI-13071の死亡診断書と身分証を提出し、骨壺を引き取ったとされる30代~40代と見られる男性(以下、PoI-13072)の身元が不明であり、提出時に書類に記入された情報も虚偽であることが判明しました。なお、公安機関および葬儀会場の監視カメラ映像にはPoI-13072の姿は写っておらず、何らかの異常性を有していることが確実視されています。

補遺2: 2022年を境に、回収されるSCP-1307-JPの総数は顕著に減少しています。一方、アカウミガメの個体数は2025年以降緩やかに回復しています。この因果関係の調査が進行中です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。