アイテム番号: SCP-1310
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1310を含むビルはサイト-███に指定されます。外観は取り壊し待ちの廃ビルに偽装されます。SCP-1310に通じるドアは1日24時間中少なくとも20時間は開放されます。これは生成イベント発生の可能性を最小限に抑えるためです。SCP-1310から出現した個体はすべて尋問のため拘束します。取り調べ終了後、すべてのSCP-1310-A、-B、-C個体はプロトコル・イングランド-1310-84を施されます。
説明: SCP-1310はかつてオハイオ州██████の[編集済み]メディカルセンター敷地内に存在した、”[編集済み]小児科”センターの第10番診察室の呼称です。SCP-1310の寸法は5m×3m×5mです。この部屋は18歳以下の個人に簡易健康診断を行う目的で設計されており、西側の壁は動物をモチーフとした壁画で装飾されています。室内には一般的な診察室で見られる器具が揃えられており、これには注射器の廃棄ケース、シンク、備蓄のガーゼや舌圧子、診察テーブルなどが含まれます。
SCP-1310のドアがある程度の時間(平均して5分43秒)閉じられると、SCP-1310は活性化状態に移行します。この時間が経過すると、SCP-1310から1体以上のヒトが生成されます。生成する場所は診察室内に限定されています。生成のプロセスは現在まで判明しておらず、生成中のSCP-1310内部を記録する試みは電気的な故障により失敗しています。
生成されるヒトは次の3つのカテゴリに分けられます:18歳未満の人間(以下SCP-1310-Aに分類)、前述の個体が親あるいは保護者として接する人間(SCP-1310-B)。場合によっては、[編集済み]小児科の医師あるいは看護士と名乗る人間(SCP-1310-C)が生成されることもあります。これらの個体は実在の人物や[編集済み]の町とその周辺に関する正確な知識を有しています;しかし、これらの記憶は偽造されたものです。SCP-1310-Aおよび-B個体に関わる記録は[██-██-20██]の執筆時点で発見されていませんが、いくつかの個体は社会保障カードや運転免許証を所持していました。
補遺1310-01: SCP-1310の回収後、SCP-1310-A、-B、-C個体は4ヶ月の間出現を停止しました。[編集済み]小児科の状態とSCP-1310-A、-B個体の出現には関連性があるという理論の下、SCP-1310収容を監督する研究員████████博士は小児科を3ヶ月間再オープンし通常通り運営するという命令を出しました。この期間に██体の新たなSCP-1310-A個体および同数のSCP-1310-B個体、██体のSCP-1310-C個体が出現しました。詳細は文書1310-02を参照してください。
補遺1310-02: わかったぞ!患者を医院に侵入させることで、SCP-1310は新たなSCP-1310-Aおよび-B個体を出力する。私はSCP-1310が2つまたはそれ以上の宇宙に同時存在しているという理論を構築した。SCP-1310のドアが他の宇宙とこの宇宙とで同時に閉じられていると、SCP-1310は室内の人間をこの宇宙に転送する。そして転送元の宇宙とこの宇宙との判別可能な唯一の差異は、この宇宙にSCP-1310-Aも-Bも存在しないという点なのだ;SCP-1310を用いた宇宙間移動の可否を確かめる実験を申請しよう;それが可能であれば、他の宇宙に存在する財団との交流も出来るはずだ! -████████博士
████████博士の要求を承認。実験は200█/7/26 200█/12/1 200█/3/12に予定。 [200█/7/5編集]:████████博士のSCP-1310実験申請からまもなく1年が経過しようとしているが、実験用のDクラスが配備されず実験を行えていない。速やかにこの問題を解決すること。[最終編集:200█/7/12]████████博士は被検体の不足を理由に実験申請を取り下げた。 -O5-█
事件1310-B-31: 20██/5/20、清掃のためSCP-1310を開いたところ、室内に1体のSCP-1310-B個体が発見されました。SCP-1310-Aおよび-C個体は伴っていませんでした。SCP-1310-B-31はチャールズ・フリードマン(Charles Freedman)と名乗り、財団で過去5年間にわたり働いていたと主張しました。SCP-1310-B-31は財団の管理下におかれ、インタビューが実施されました。下記はインタビュー内容の転記です。:
>記録開始<
████████博士: あなたは財団で働いていたと言っていましたが、なぜ我々……
SCP-1310-B-31 ただ財団にいたってだけじゃない。俺はあんたの研究助手だった。SCP-1310についてのあんたのでたらめな理論を何時間も聞かされていたよ。
████████博士: それは、なんと奇遇な。それで、あなたが他の宇宙で私の研究助手だったというのなら、あなたがSCP-1310の中で何をしていたか、話していただけませんか?
SCP-1310-B-31 あんたが入るように頼んだ- いや、命じたんだ。そしてドアが閉められて、俺が出てきたときには誰も俺が誰なのか覚えてなかった。
████████博士: それはあなたがこの宇宙に存在していないからですよ。それで、あなたにはガールフレンドがいるといっていましたが-
SCP-1310-B-31 うんざりだ。(SCP-1310-B-31は深く溜め息をつく)いいかげん目ぇ覚ませよ、████████。
████████博士: はい?
SCP-1310-B-31 オッカムの剃刀って知ってるか?「あの部屋が完全にランダムな外宇宙から人間を転送してくる」、「1310に入った人間はこのタイムラインから消え去る」、どっちの方が簡単だと思うよ?
████████博士: 馬鹿げたことを言わないでください。すべての証拠は-
SCP-1310-B-31 考えてもみな。あんたは人間で実験しようとしたよな?彼らは他の宇宙に移動したか?なぜ実験が行われなかったのか?実験は行われ、そして誰もがそれを忘れた、なぜならそれがSCP-1310の作用だからだ、そうだろ?
████████博士: 作用は今ここに現れていると思いますがね。
SCP-1310-B-31 違う、違う違う。それにもう一つあるぞ。1310から出現し、あんたが報告しなかった個体の事を、俺はすべて覚えてる。12体、いやもっといたか?全員がDクラスの制服を着ていたな。
████████博士: ガード、彼を連れて行け。
SCP-1310-B-31 (抵抗する音)聞け!あんたはデータを隠蔽した!(マイクに直接話しかける)証拠もあるんだ!聞け!
(この時点でSCP-1310-B-31は鎮静され、室内から連れ出された。)
<記録終了>
彼が財団に関する正確な知識をいくつか有していたことは認めますが、私が実験結果を隠していたなどありえません。ひょっとしたら外宇宙ではそういうこともあったかもしれませんが、この基底現実で私が証拠を隠す理由はありません。それで私が何の得をするというのでしょう?
おそらくはプロトコル・イングランド-1310-84の実行も可能でしょうし、そうすれば彼が二度と我々の妨害をすることもなくなります。 - ████████博士
サイト-███の警備員により行われた追加インタビュー中SCP-1310-B-31の指示でスタッフが████████博士のオフィスへ向かい、未知のSCP-1310-B実体の写真が納められたファイルと、SCP-1310-B-31の言及していた紛失していたデータを含むノートが回収された。すべてのSCP-1310-B実体はDクラスの制服を着用していた。
SCP-1310研究において示された目に余る能力不足により、████████博士は20██/4/20をもって解雇された。取扱方はSCP-1310-B-31が提示した調査結果に基づき反ミーム部門によって更新される。 - O5-█