SCP-1311-JP
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SCP-1311-JP実例。

アイテム番号: SCP-1311-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 『街廻り』イベント開始後、SCP-1311-JPが通過するとみられる経路の周囲は封鎖され、経路内に存在する接触対象の人数は常に監視され制御されます。イベントと付随するパレードの目撃者、参加者については拘束し、記憶処理の後解放します。

説明: SCP-1311-JPはチンドン屋1の形態を模した人型実体群の総称です。青年期のモンゴロイド男女の姿を取り、その全てが日本語及びサンスクリット語の話者であることが確認されています。SCP-1311-JPは先頭にて幟を持つ旗持、主に口上を行うチンドン太鼓、クラリネット・アコーディオン・サキソフォン・トランペット・ゴロス(大太鼓)などの楽士、ビラ配りなどで構成され、同時に最大16体の出現が確認されています。SCP-1311-JPは接触対象に対して非常に友好的であり、積極的にビラを渡し写真撮影にも応じる様子が確認されています。

SCP-1311-JPは不定期に日本各地に出現し、宣伝とともに街を練り歩く『街廻り』イベントを行います。SCP-1311-JPの演奏する音楽は接触対象の脳のドーパミン及びセロトニン濃度に作用する効果を有すると見られ、対象はSCP-1311-JPに対する好感を証言します。この効果によりSCP-1311-JPの『街廻り』はしばしば経路内に存在する対象を巻き込みパレードへと発展します。

これら事象の鎮静のためエージェントによりSCP-1311-JP自体の拘束が試みられましたが、実体の消失と再出現という形で失敗しています。また、█回目の出現においてSCP-1311-JPが通過する経路に全く接触対象が存在しないように調整を試みたところ、SCP-1311-JPは演奏の音量を突如上昇させ、影響範囲外にいると見られた███人が誘引されパレードに発展しました。よって現在は経路に存在する対象の人数の適度な抑制、パレードが大規模になった場合の近辺への記憶処理及び道路の封鎖と誘導を行い、周囲への影響を最小限に抑える収容プロトコルが適用されています。

SCP-1311-JPの宣伝は必ずその地域に存在する神社、道祖神などの宗教施設に関する内容であり、『街廻り』の出発、到着場所もそれらの施設となっています。到着後、SCP-1311-JPはその場に留まり演奏を続ける『居つき』を行います。対象はSCP-1311-JPに好感を持った状態を崩さず、SCP-1311-JPが演奏を終えその場で消失するまで施設に留まり続けます。SCP-1311-JPが突如消失することについて対象が違和感を覚えることはありません。

補遺1: 以下は1997年1月██日に発生した『街廻り』イベントにおける記録です。

1997/01/██『街廻り』イベント映像記録

00:00:00: SCP-1311-JP出現。実体数7体。『街廻り』イベントを開始する。

00:10:25: SCP-1311-JPが大通りに到着し、口上と演奏を続けながら経路内に存在する接触対象にビラを配り始める。また、SCP-1311-JPが写真の撮影にポーズをとって応じている様子が確認できる。対象はSCP-1311-JPに興味を持ち、緩やかに誘引される。

00:27:31: SCP-1311-JPの後方について歩く対象が2█人を超え、パレードに発展する。収容チームによる人数の抑制の効果もあり、パレードは穏やかに進行している。ビラ配りが懐から風船を取り出し、イヌやウサギなどのバルーンアートを制作し経路内の幼児に手渡しているのが確認できる。また、バルーンアートは手に渡る直前に掌の上に飛び乗る、鳴くような素振りを見せるなど自律行動を取っている。

00:45:17: SCP-1311-JPの1体がパレード内の対象に呼びかけ、その真似をする形で全員が演奏に合わせ笑顔を浮かべて踊り始める。この時、車椅子に搭乗する89歳の女性が突如立ち上がり踊りに参加したのは特筆すべき事項である。当該イベント後においても、女性の脚は治癒された状態であることが確認された。

00:59:07: パレードの規模が5█人に達する。対象は歌い踊りながら多幸感を表出しているが、興奮の程度は比較的緩やかなものに留まっている。SCP-1311-JPの通過に従い、季節が冬であるにもかかわらず経路内の植物が成長し開花している。

01:37:41: SCP-1311-JPがビラに記載されていた住所に到着。その場で演奏する『居つき』を██分間行う。演奏を終え、対象の拍手とともにSCP-1311-JPは消失する。

当該イベント後のインタビューにて、接触対象はSCP-1311-JPの外見について詳しい記憶を保持していないことが確認されたほか、直前までの自分の行動についても記憶が曖昧である旨を発言しましたが、総じて「楽しい時間だった」「いい宣伝だった、この場所を知ることができて良かった」と好意的な印象を述べています。

ビラに記載されていた住所、宣伝内容は██県██市の小規模な神社を示していました。当該イベント後、当該神社は明確に参拝者数が増加し、結果として施設全体の手入れが行き届き活気を取り戻したほか、地域住民のコミュニケーションの場としてより円滑に機能するよう変化していることが確認されました。

また、回収されたビラの下部に、以下の文言が確認されました。SCP-1311-JP組織の背後に神格実体が存在するものとして調査を継続しています。

拝まれ、敬われ、大切にされていたあの頃。
あなたの美しい想い出を取り戻しませんか?
我々の確かな宣伝力でお手伝いいたします。

※ 当社では豊富なオプションプランをご用意しております。また、ご予算に応じて宣伝内容の変更も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。

十六童子宣伝社 代表・弁財天

補遺2: 以下は2005年8月██日に発生した『街廻り』イベントにおける記録です。

2005/08/██『街廻り』イベント映像記録

00:00:00: SCP-1311-JP出現。実体数16体。『街廻り』イベントを開始する。

00:05:37: SCP-1311-JPが大通りに到着し、口上と演奏を続けながら経路内に存在する接触対象にビラを配り始める。ビラを受け取った対象が急激に進行方向を転換し、SCP-1311-JPの後ろについて歩いていることが確認できる。

00:21:15: SCP-1311-JPの後方について歩く対象が██人を超える。対象は明らかに興奮状態にあり、SCP-1311-JPの演奏する音楽に合わせ無秩序に歌い踊っている。ビラを受け取った対象だけではなく、通行する車中の人物も車を放置してパレードに参加する。また、SCP-1311-JPが撒いた紙吹雪が空中でハスのものと見られる花弁に変化している様子が確認できる。これら花弁は地面に触れると融解し極めて清浄な水に変化する。

00:52:45: SCP-1311-JPの周囲に██羽のハクチョウ及びクジャクが集まり、音楽に合わせはばたく。これら鳥類の発生地点は不明である。SCP-1311-JP上空には薄紫色の雲がかかり、経路内の植物が異常に長大に成長し始める。パレードは大規模な大衆乱舞へと発展し、SCP-1311-JPの影響範囲の拡大が確認できる。

01:25:54: SCP-1311-JPの上空約30m地点に発光体と薄紫の雲を纏った異常な帆船が浮かび、同方向に進行している。この帆船はクラスA霊的実体と見られ障害物を透過し影響を受けることがなく、動力源は不明である。帆船からはSCP-1311-JPの演奏に合わせて琵琶の音が発せられている。

02:07:45: 帆船から地上に向けて光が射し、研磨され整えられたサンゴ、金、銀、水晶、瑪瑙、翡翠、コランダムが投下される。それらを拾い集めるために影響範囲内に立ち入ったことによって更に対象の人数が増加する。収容班がエアロゾル型鎮静剤を撒布するものの、影響下の対象は興奮状態を維持しており効果が見られない。

02:35:27: SCP-1311-JPがビラに記載されていた住所に到着。その場で演奏する『居つき』を██分間行う。また、対象が声を合わせて祝詞を唱え始める。後のインタビューにおいて対象に十分な神道の知識および祝詞を唱えた記憶が見られなかったことは特筆すべき点である。演奏を終え、███人を超えた対象の拍手とともにSCP-1311-JPは消失する。また、上空の帆船も同時に消失する。

ビラに記載されていた住所、宣伝内容は毎年█████人の参拝者を擁する██県███市の大規模な神社を示していました。当該イベント直後57人が新たな管理者に立候補した他、社を中心として半径500m圏内の地域住民及びパレードに参加していた対象には宗教的事象への関心と信仰心の大幅な向上が見られました。社は敷地面積にして██倍の大きさに増築され、それらに伴う立ち退きは社に祀られた神格への信仰心を理由に滞りなく行われました。また、供物として多数の地域住民が無計画に私財を投入した他、社に祀られた神格を中心としたカルト宗教団体の発生が確認されました。

なお2005年9月██日、イベントの影響で発生したカルト宗教団体の信者である地域住民の襲撃を受け、当該神社は全壊しました。襲撃の理由について、信者はインタビュー内で「偉大なる神格を人間の作った社に留めておくことが間違いだと気が付いた。神託などは特に受けていないが、喜んでくださると思った」と発言しています。

補遺3: 以下は2012年5月██日に発生した『街廻り』イベントにおける記録です。

2012/05/██『街廻り』イベント映像記録

00:00:00: SCP-1311-JP出現。実体数3体。前例の出現時に比べ衣装は非常に簡素である。『街廻り』イベントを開始する。

00:10:37: SCP-1311-JPが大通りに到着し、口上と演奏を続けながら経路内に存在する接触対象にビラを配り始める。ビラの表面にはバナー状の立体映像が浮かび、視線に合わせて追従していることが確認された。内容は女性神格をモチーフとした扇情的なゲームアプリの広告であった。ビラを受け取った職員からは、立体映像に触れた結果端末にインストールされたゲームアプリは全く宣伝内容と関係のない製品であったと報告された。

00:14:07: SCP-1311-JPは宣伝の意欲に乏しく、演奏もおざなりであるように観測される。経路内の対象が誘引されることもなく、パレードへの発展は見られない。SCP-1311-JPの顔面付近の空間が乱れ、「お客様は現在無料プランをご利用いただいています。標準プランへと移行しますか?」と表示される。

00:21:04: SCP-1311-JPが7、8歩進むごとに、SCP-1311-JPを取り囲むようにして立体映像が表示されていることが確認できる。立体映像は接触対象によって25秒間視認されない限り消失することはなく、結果としてSCP-1311-JPの進行は遅々として進まず、経路内の対象は当惑するか怒りを露わにしその場を離れ始める。立体映像の内容は、異性から支持を得る方法についての書籍、ダイエットサプリ、神話内の復讐譚や恋愛譚を過度に下世話に描写した漫画購読サイト、神格コミュニティ内経済にて絶対に成功する方法講座などいずれも神格実体の関係するものであった。

00:47:27: SCP-1311-JPがビラに記載されていた住所に到着。前例のようにその場で演奏する『居つき』は行わず、その場で消失する。現在、当該イベントが最も短いルート、最も短時間の『街廻り』イベントである。

ビラに記載されていた住所、宣伝内容は求心力に乏しく経営の傾いていた██県██市の小規模な神社を示していました。しかし、当該神社の宣伝に割かれたスペースは3割以下であり、殆どが別の大規模な神社の広告や神格実体が経営すると見られる会社組織の広告で占められていました。イベント後、当該神社は管理者に相続を放棄され、また元から少数であった参拝者が近隣の他の神社に流出し、結果として遺棄されたことが報告されています。

また当該イベント後の午後22時██分、イベントに参加していたSCP-1311-JP3体が同市内の居酒屋チェーン「████」██駅前店に出現し、入店後愚痴を交わしながら大量に飲酒する様子が確認されています。支払いは割り勘で行われ、退店後のSCP-1311-JPは繁華街へと移動しました。現地エージェントによる追跡は失敗しています。

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