SCP-1324-JP
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収容以前のSCP-1324-JP

アイテム番号: SCP-1324-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1324-JPはサイト-81██の4m×4m×4mの耐火コンテナに雌雄4体ずつを収容し、それ以上は「異動」の名目で終了されます。担当研究員1名を「司令官」として配備し、人員の交代は対象個体群に認知させた上で行ってください。給餌は午前7時、午後1時、午後8時の3回を厳守してください。また、オブジェクトと接触する職員は対象を「諸君」と呼称する事を徹底してください。特に種族としての呼称は全面的に禁止されます。

説明: SCP-1324-JPは「水域自衛軍多摩第13中隊"Uncommon Seagulls1"」を自称するウミネコ(学名:Larus crassirostris)の群れです。現在は財団を「軍司令部」と認識し、収容個体群は「SCP2第24分隊"Black-tailed Seagulls3"」に「任命」されています。実際の軍隊統率に関する知識はほぼ有しておらず、収容においても厳密な環境の設定は必要とされていません。

SCP-1324-JPは発達した発声器官と知能を持ち、日本語による意思疎通が可能ですが、識字能力はありません。各個体間には明確な上下関係が存在し、上位の個体が他の個体を統率する形で一般的なウミネコの群れより遥かに高度な集団行動を行います。

SCP-1324-JPは通常のウミネコと同様の方法で、4~7月に繁殖します。発話能力と知能は孵化直後は有していませんが、孵化後3週間で急激に成長、発達し、成体となって最下位の個体として集団行動を開始します。

対象の可聴距離内であるかに関わらず、対象個体群を「ウミネコ」と呼称すると個体群の中で最下位の個体1~3体が放物軌道を描きながら呼称した人物へ飛翔し、当該人物との接触と同時に爆発します。射程は個体から約██km、初速度は約███m/s、爆発力はTNT██kg相当である事が確認されています。飛翔する個体の撃墜、一定以上の強度を持つ障壁による経路の遮断は共に可能であり、これらの場合に爆発することはありません。なお、「カモメ」と呼称した際に上記の現象が発生しないことから、この現象は「種族として呼称される」ことに起因するものでは無いと考えられます。

インタビュー記録1324-JP:

対象: SCP-1324-JPの1個体

インタビュアー: ██研究補佐

付記: 対象は「海原鴎太郎みはらおうたろう」を自称する、インタビュー当時収容されていた9個体の中の最上位個体であり、██研究補佐は「司令部」として位置づけられている。繁殖による個体数の変動に伴い4日後に雄1体の終了処分が予定されている。

<録音開始>

██研究補佐: 急に呼び出してすまんな、まぁ楽にしてくれたまえ。

SCP-1324-JP: はっ!

██研究補佐: まずは近況を聞こうか。

SCP-1324-JP: はっ!多摩第24分隊9名、来る冬季に備え訓練中であります!

██研究補佐: うむ、そして?

SCP-1324-JP: 現在敵軍はカナダ西部地域及びロシア北東部に駐留しているとの情報を得ております。先の奇襲時の被害は大部分が収拾へと向かっておりますが、今後の一般市民に対する略奪行為、占拠行為への明確な対抗手段の確立には時間を要するようです。また、奴らの我々に似せた風貌から多くの民間人が奴らと我々を混同し、主に都内で反抗運動が我々にも飛び火して展開されています4。奴らの駆逐はより急務であると認識しております。

██研究補佐: よろしい。とは言え、休息は足りているか?本当に必要な時に動けんようじゃ話にならんぞ。

SCP-1324-JP: もちろんです。「酒を傾けて麹を啜るに至るべからず5」、肝に銘じております。

██研究補佐: よろしい。今日君を呼んだ理由だが、例の如く異動についてだ。

SCP-1324-JP: 承知しています。諜報部門への異動なら羽鳥鴎介はとりおうすけ1士を推薦致します。彼はその道の知識と技術に秀でております。

██研究補佐: 分かった、覚えておこう。決定は追って連絡する。

SCP-1324-JP: はっ。ところで1つお伺いしたいことがあるのですが。

██研究補佐: 許可しよう、なんだね?

SCP-1324-JP: では、そろそろ実地訓練の許可を頂けないでしょうか?屋内での訓練が続き隊員達の士気が下がりつつあるのを感じるのです。

██研究補佐: ああ、それは、その、敵軍の偵察隊がチョロついてると言う報告があってな?

SCP-1324-JP: 敵兵ですか!? ならば直ちに![██研究補佐に2歩接近]

██研究補佐: いや、まだ情報が確かではないんだ。今回の異動はそのための諜報部の補強措置だ。

SCP-1324-JP: ……わかりました。[1歩後退]

██研究補佐: ところで、我々は何の話をしていたんだっけ?

SCP-1324-JP: 話? あれ、何の……。

██研究補佐: 思い出した、人事異動のことだな。羽鳥1士だな、覚えておこう。今後も訓練に励んでくれたまえ。

SCP-1324-JP: はっ!全ては侵略者「ウミネコ」より祖国を守るために!

<録音終了>

終了報告書: SCP-1324-JP個体群は自らを「カモメ」であると認識し、本来の「カモメ」を「ウミネコ」と呼び敵視しているものと思われます。同時に「ウミネコ」と呼称した際に攻撃的になる性質との関連が指摘されています。

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