SCP-1332
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アイテム番号: SCP-1332

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1332-1のサンプルが入ったガラス瓶は密閉した状態で冷凍庫に保管します。SCP-1332-2の標本は密封された待機房に収容し、1332-3への移行を監視します。これらの待機房は遠隔で監視を行い損傷の有無を毎日点検します。SCP 1332-3による収容違反が発生した場合、損傷を受けた待機房とその周辺エリアは制御されたサーモバリック爆発1によって滅菌処理を行います。

説明: SCP-1332は人工的にその性質を得たと思われる病原体で、感染源は未だに特定されていません。培養状態(SCP-1332-1に指定)では、対象は厚い金属的な灰色のペーストであり、水銀に似た色と光沢を有しています。この半固体の状態では空気感染は不可能です。現在まで、感染の全実例はSCP-1332-1を直接無防備な状態で取り扱ったか、SCP-1332-2またはSCP-1332-3が原因で負傷したことに起因しています。

生物がSCP-1332に感染した場合(通常は切り傷やすり傷から皮下組織へ直接暴露したことによる)、SCP-1332-2への変化を開始します。この変化は一見インフルエンザに似た症状(体の痛み、疲労感、吐き気)を呈し、2日から3日間続いた後に鎮静化します。この期間中、SCP-1332は被験者の骨組織と筋肉組織を不定形の肉塊、外見上SCP-1332-1に似通った物体へと変換します。基本的に均質であるにもかかわらず、SCP-1332-2内部の肉塊は入れ替わった器官系統のあらゆる機能を発揮し続けます。例として維持組織は運動と反射的な行動を可能とし、脆弱な臓器を損傷から保護します。

被験者の神経系は無傷のまま残りますが、被験者の体内の変化によってある程度位置が移動します。自律神経系は肉塊の密度と構造を維持していると見られ、SCP-1332-2に適切な形状を保たせています。理論的に、SCP-1332-2の標本は自身の状態に気付かないまま完全に通常通りの生活を送ることが有り得ます。研究職員はこの理論の実験を行うことを明確に禁じています。

SCP-1332-3は2種類のうちどちらかの形で発現します。自身の状態の性質に気が付いて間もないSCP-1332-2か、または不慣れな身体活動を行おうとしているSCP-1332-2です。どちらの状態においてもSCP-1332-2が意識的に自身の肉体を制御しようと試みると、自律神経系がすぐさまその機能を停止します。大多数のケースにおいて、これが被験者の体内サポートシステムの完全な構造崩壊を導きます。被験者が自然的な形状を保つために必要な意識的制御のレベルを維持することが不可能になった結果であるとする仮説が立てられました。この状態は体内の大量出血と打撲傷(無防備な臓器が地面と衝突することによる)、または窒息(急激な体重の増加に起因して肺と食道の膨張が不可能となることによる)などによって頻繁に被験者を死に至らしめます。稀な実例として、被験者はかろうじて自身の構造の制御をある程度回復します。そしてこれはパニックに陥った被験者が形状を取り戻そうと抵抗する際、不注意による皮膚の貫通によって極めて頻繁に大量裂傷と失血に至ります。

更に稀有な例としてこの崩壊を生き残った被験者は、SCP-1332-3へ指定され、上記の収容手順に記述された通りに待機房へ再配置されます。対象の新たな生理機能が飲食を困難(不可能ではない)とすることに起因し、SCP-1332-3の標本が2日から3日よりも長く生存することはほぼありません。しかし観察により、SCP-1332-3は少なくとも一定の人間的な認識能力を維持していることが判明しています。この認識能力の程度は被験者ごとに異なりますが(SCP-1332-2からSCP-1332-3への変化はしばしば被験者の脳へ直接的外傷を与える)、慣れ親しんだ人間や物体へ向かって移動しようとする様子、その被験者個人の恐怖症の対象から逃れる様子、あるいは親しみを抱く職員を抱きしめようとする様子さえも観察されました。

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