SCP-1346-JP
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図1 帰還事例#13の際に回収されたSCP-1346-JP内の様子。この画像はカラー画像である。

アイテム番号: SCP-1346-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1346-JPへの転移を制御する手段は判明しておらず、現状その収容はSCP-1346-JPの存在の隠匿を目的とします。SCP-1346-JPへの転移と見られる通報の情報を入手した場合、通報者を含めた全ての目撃者にクラスA/B記憶処理が施されます。この時、転移者が一般社会において通常の失踪者として扱われるように工作を行います。転移者が帰還した場合、一時的にカウンセリングとインタビューの為に財団施設に滞在させます。その後、転移者に異常性がない場合は、クラスA/B記憶処理の上で適切なカバーストーリーを伝えて一般社会へと復帰させます。転移者に異常性が見られる場合、関係者にクラスA/B記憶処理を施した上で各国の収容施設の標準人型生物収容ユニットに収容します。

説明: SCP-1346-JPは能動的に進入不可能な異常空間です。観測された範囲では最短1時間、最長3ヶ月のスパンで、不特定な人物(転移者と呼称)がSCP-1346-JPへと転移します。この時、転移者の足下半径約1 mの床や地面が白く変色し、転移者は融解する床や地面に急速に落下する形で消失します。この時、転移者と共に融解する床や地面に落下した物品(転移物と呼称)も同様に消失します。変色・融解した床や地面は、転移者の消失と同時に元の状態に戻ります。

転移者が帰還する際、転移者が元いた場所の床や地面が黒く変色し、融解する床や地面から無意識状態の転移者が浮上します。直後、転移者が意識を取り戻すと同時に変色・融解した床や地面は元の状態に戻ります。

以下は、転移者の証言及び回収された映像に基づくSCP-1346-JPの内容です。

  • 転移者/転移物を除いて、SCP-1346-JP内部の全ての存在の色には彩度が確認できず、白黒モノクロームのように見えます。研究の結果、この色彩は高い確率で幻覚や認識災害等ではないことが判明しています。
  • SCP-1346-JP内には、石製と思われる直方体の形をした物体(SCP-1346-JP-α)が多く存在しており、その合間には細い木が生えています(図1)。
  • SCP-1346-JP内は常に昼であり、太陽は常に天頂に位置しているように見えます。
  • SCP-1346-JP内には、一般的な服装をした人間に見える人型実体が存在しており、徘徊と停止を繰り返しています。
  • 直方体の物体の他に白い建造物が存在します。この建造物の扉を通ることで基底現実へ帰還できるとされるものの、その真偽は不明です。帰還事例#13を参照してください。

補遺1: 当初、SCP-1346-JPは「突然人間が消失する現象」としてオブジェクト指定を受けていましたが、2018/01/21に転移者が初めて帰還したことで「突然人間が消失し稀に帰還する現象」として扱われるようになりました。以下は、当時この転移者に実施されたインタビュー内容の書き起こしです。

インタビューログ/帰還事例#01

対象: 王 ██氏

インタビュアー: 莫研究員

<抜粋開始>

莫研究員: …では、あなたがいた場所について教えていただけますか?

王氏: はい。その…目が覚めたら、辺り一面が白黒だったんです。まるで、古い映画の中に入ってしまったようで。ただ、中にあったのは四角い石と木ぐらいで、何というか殺風景な感じでした。そして、そこには私の他にも人間がいたんです。ある人は歩き回ってて、ある人は石に座っていて。ただ…その人たちも白黒で、私だけが色を持っていました。

莫研究員: その人々と何か会話はしたのですか?

王氏: いえ。私、心細くて、座っていた人─確か、若いヨーロッパ系の男性でした─に話しかけたんです。すいません、ここってどこなんですか、って。そうしたら、その人は急に怖がった表情をして、その場から走り去ってしまいました。

莫研究員: なるほど。それから、あなたはどうしましたか。

王氏: その、私、その人がいなくなった後、何か声を聞いたんです。それで、声のした方を向いてみると、その人が寄りかかっていた石に何かが書いてあることに気づいたんです。読んでみたら、あなたは何故勉強しているのですか?…って書いてあって。

莫研究員: 書いてあった?広東語で、でしょうか。

王氏: はい。なんというか、黒い、綺麗な手書きの文字でした。その下には、何というか、アンケートの記入欄みたいな四角が書いてあって。何でそんなのがここにあるのか、不思議でした。でも、もっと不思議なことがあって。

莫研究員: それは何でしょうか?

王氏: ふと、何気なくその答えって何だっけ、と考えてみたんです。そうしたら…答えが、どうしても思い出せなくなってることに気がついて。何度も考えて、思い出そうとしてみたんですが、全くダメでした。

莫研究員: 分かりました。その後はどうしましたか?

王氏: 暫くは、他の人たちに話しかけようとしてみました。でも、誰もが私を無視したり、避けたりして…。しかも、あの石の落書きは、1つじゃなかったんです。私が近づくと書いてあって、そこには質問が載っていて。そして、私はその質問への答えを持っていない─持っている筈の答えまで。そのうち、何だか怖くなってきたので、私はその石を避けて進むようにしました。そうしているうち、あの建物を見つけたんです。

莫研究員: ふむ。それはどのような建物でしたか?

王氏: なんというか、この場所にある物の多くが白かったのに、そこには黒い物がありました。黒いランプと、黒い扉。それを見て、ここから出られるんじゃないか、と思って。私は、その扉を開けようとしました。そうしたら…また、声が聞こえたんです。

莫研究員: その声に対して、何か行動しましたか?

王氏: いいえ、「なんで」という単語が聞こえると同時に、急いで扉を開けて外に出ました。もう、これ以上こんな訳のわからないところにいちゃいけない、って思って。そうして、気がついたら、元いた道に戻っていたんです。

莫研究員: 扉を通ってから元の場所に戻るまでのことは、覚えていないのですか?

王氏: ええと、覚えていないというか…パッと、夢から覚めたみたいに、戻ってきていました。

莫研究員: なるほど。

<抜粋終了>

補遺2: 帰還事例#03において、転移者の██████・アデール氏の外見上の彩度は通常よりも低い状態にありました。解析の結果、この彩度の低さは幻覚や認識災害ではないことが判明しています。2018/08/01、アデール氏はサイト-73に滞在中に自殺を図りました。以下は、この事案を受けて実施されたインタビュー内容の書き起こしです。

インタビューログ/帰還事例#03

対象: ██████・アデール氏

インタビュアー: デュナン研究員

<抜粋開始>

デュナン研究員: …落ち着きましたか?アデールさん。

アデール氏: …はい。少しだけ…。

デュナン研究員: 無理はなさらないでくださいね。少しずつで構いません。あなたの話したいことを、話したいように仰ってください。

アデール氏: ありがとうございます。…その、何と言いますか…。私があの時白い場所に行ったことはお話ししましたよね?

デュナン研究員: ええ。

アデール氏: それで、ええと、私はそこで、石に書かれた質問をいくつも見たんです。何故この趣味を選んだのか、何故親の介護をしているのか、何故妻を選んだのか…。私は、それらの質問に答えられませんでした。その答えはあった筈なのに、それが頭の中から無くなってしまったようで。5回ほど質問を見つけたあたりで、ようやく私はそれを避けようとしました。しかし、進めば進むほど石は私を取り囲むように並んでいき、視界にどうしても質問が入ってくるようになってしまいました。だから、目を閉じて、必死に走った。そうしたら、壁にぶつかりました。誰かの声が聞こえる中で、私は目を閉じたまま、その先へ行こうとしました。でも、壁を触る手には、隙間を感じることができませんでした。そして、段々と、聞こえる声が増えてきたんです。

デュナン研究員: 声は、どのようなものでしたか?

アデール氏: 石のそれと同じような、理由を問う質問。それが、性別も、年齢も様々な声で、一度に沢山されたんです。恐る恐る目を開けたら、私は石の壁に取り囲まれていて、そこには、お、おびただしい数の質問が書いてありました。もう、内容も、思い出せないぐらいの。私は、その場で縮こまるしかありませんでした。

デュナン研究員: なるほど。それで、どうなりましたか。

アデール氏: …5分ぐらい経った頃でしたか。声がしなくなって、目を開けたら、周りの石は私から離れた場所にありました。私は走って逃げました。再びあんな状況に陥ることを恐れたのです。そうして、あの扉を見つけました。私は急いでそれを開いて、外へ出ようとしました。その時… [嗚咽]

デュナン研究員: 大丈夫ですか、アデールさん。

アデール氏: …ああ、ごめんなさい。それで、その…わ、私は、最後の質問をされたんです。どこからそれが聞こえたのかも、わかりませんが。

デュナン研究員: それは、どんな内容だったんですか?

アデール氏: …な、なんで、なんで生きてるのって…ああ…。

<抜粋終了>

補遺3: 2019/07/24 09:11、サイト-8107にて██博士にSCP-1346-JP転移事象が発生しました。この時、付近にいたエージェント・伍島いつしまが異変に気付き、██博士を突き飛ばしました。直後、エージェント・伍島は融解する床に落下し消失しました。同日13:32にエージェント・伍島が帰還し、SCP-1346-JP内の様子を記録した映像ログを持ち帰りました。この映像によってSCP-1346-JPの存在が確認された為、本報告書に大規模な改訂が行われました。以下は、この映像の一部の書き起こしです。なお、全ての音声は日本語で記録されています。

映像ログ/帰還事例#13

<抜粋開始>

[映像の記録が開始される。映像にはSCP-1346-JP内部の様子が映っており、9個のSCP-1346-JP-αが見られる。10 m程度先に1体の人型実体が確認できる。]

エージェント・伍島: えー、2019年7月24日、午前9時14分。記録を開始します。見たところ、モノクロの異常空間に見えますが、詳細は現状不明です1。では、これより探索を開始します。

[エージェント・伍島がバッグから赤いカラーテープを取り出し、付近の木に結びつける。2秒後、カメラが上空に向けられ太陽が映像に映る。太陽には彩度が確認できない。]


[エージェント・伍島がSCP-1346-JP-αに接近すると、SCP-1346-JP-αの表面に「あなたは何故結婚したんですか?」という日本語の黒文字と長方形が出現する。]

エージェント・伍島: …これは…。

[映像が出現した文章と長方形にズームインする。文章や長方形は手書きのように見える。]

エージェント・伍島: この石に異常性を確認しました。これより、この石の更なる調査を…。

[映像が突然右を向き、モンゴロイド系の若年女性に見える人型実体が走ってこちらに接近するのが映る。エージェント・伍島の手がバッグに伸びるのと同時に、人型実体がエージェント・伍島に掴みかかる。]

エージェント・伍島: ちょ、何を…。

人型実体: 助けて!お願い!

エージェント・伍島: どうしたんですか、一体何が…。

[当該実体の肉体が、足下から変形・融合し始める。当該実体は悲鳴を上げる。]

エージェント・伍島: これは…!

[当該実体が慟哭する間も変形は進み、エージェント・伍島を掴む手も徐々に短くなっていく。]

人型実体: [嗚咽しながら] 嫌、お願い、教えて、あなたは、何で家族を愛してるの。嫌、私は、あなたは、何でここに来たの。嫌、助けて…。

[当該実体の腕が完全に消失し、実体の顔面に変形が及ぶ。エージェント・伍島は言葉を発しない。最終的に、当該実体はSCP-1346-JP-αと同一の白色直方体に変形した。]

エージェント・伍島: …わ、私、何で、あの人を愛してたんだっけ?ここに来たのって…あれ? [深呼吸] い、異常性が、判明したかもしれません。それは…。

[映像内を徘徊していた1体の人型実体が、ゆっくりとエージェント・伍島に接近し始める。エージェント・伍島はその場を離れる。]


[エージェント・伍島が別のSCP-1346-JP-αに接近する。このSCP-1346-JP-αは他のものよりも高さが低く、映像の視点よりも低い。約3 m接近した時点で、SCP-1346-JP-αの表面に「なんでペットがほしいの?」という黒文字と長方形が出現する。筆跡は、最初に確認された文章とは明らかに異なっている。エージェント・伍島はSCP-1346-JP-αをよじ登り、更に別のSCP-1346-JP-αに登る。この時、登ったSCP-1346-JP-αの表面は映像に映らず。]

エージェント・伍島: …では、まずここにいる人型実体の観察を開始しようと思います。

[映像に、図1と同様の光景が映る。直後映像の光景が移動し、約15 m先で徘徊している、コーカソイド系の老年男性に見える人型実体にズームインする。当該実体は俯いており、時折SCP-1346-JP-αに身体をぶつけている。SCP-1346-JP-αの表面には、当該実体が接近する度に文章と長方形が出現しているように見えるが、内容は画質の粗さから確認できない。]

エージェント・伍島: 人型実体に対しても、あの石は同じように質問を提示するようです。しかし…。

[映像がズームアウトし、映像内の別の人型実体へズームインする。]


[6体の人型実体を観察した後、最後の人型実体から映像がズームアウトする。]

エージェント・伍島: …あの実体は、ほぼ全員が徘徊したり、どこかに座ったりしているだけなようです。また、あの実体たちは、誰もが質問に反応していないように見えます。答えを書いたり、言ったりしていません。

[エージェント・伍島はその場に座り込む。直後、映像内に2体の人型実体が映り込む。]

男性の音声: [エージェント・伍島を指さして] いたぞ!答えを持ってる!

[エージェント・伍島が辺りを見回すと、計6体の人型実体がエージェント・伍島を取り囲んでいる。エージェント・伍島は最も近い人型実体に向けて発砲するが、弾丸が命中したように見えるにも拘わらずそのまま接近し続ける。エージェント・伍島は走りだし、SCP-1346-JP-αとSCP-1346-JP-αの間を跳び越えながら逃げる。その間、13回に渡ってSCP-1346-JP-αの表面に黒いものが出現するのが映るものの、映像がぶれている為内容は確認できない。その後、エージェント・伍島は振り向き、映像内に人型実体が見られなくなる。エージェント・伍島はSCP-1346-JP-αから飛び降り、走りだす。この時、映像に映るエージェント・伍島は逃走前よりも彩度が低く見える。]


[追跡してきた人型実体から離れた後、エージェント・伍島はSCP-1346-JP内を探索している。映像に、赤いカラーテープが結び付けられた枝を持つ木が映る。]

エージェント・伍島: え?

[エージェント・伍島が周囲を見回し、映像もそれに合わせて回転する。SCP-1346-JP-αの配置は、これまでに記録されたものと異なっているように見える。また、幾つかのSCP-1346-JP-αはこれまでと異なり、隙間なく並んでいるように見える。]

エージェント・伍島: でも、ここ…。

[エージェント・伍島が目の前の木に接近し、2つ目の赤いカラーテープを結びつける。エージェント・伍島は探索を再開するが、その後2つの赤いカラーテープが結び付けられた木が映像に映る。SCP-1346-JP-α間の隙間は更に少なくなっているように見える。]

エージェント・伍島: …空間自体も、通常の空間の法則には従わないのでしょうか。それとも…。

[エージェント・伍島が背後を振り返ると、エージェント・伍島が辿ってきた道がSCP-1346-JP-αによって塞がれている。エージェント・伍島が正面に向き直ると、SCP-1346-JP-αが直前より明らかにエージェント・伍島に接近した位置にある。表面には「お前はどうしてまだ諦めていない?」という黒文字の文章、及び長方形が出現している。]

エージェント・伍島: い、嫌…。

[エージェント・伍島が後退りするが、直後硬い音が響きエージェント・伍島の動きが止まる。その時、エージェント・伍島とは異なる女性のものと思われる音声が記録されるが、発言内容は確認できない。]

エージェント・伍島: やめて、お願い…。

[エージェント・伍島が上を向き、SCP-1346-JP-αの上面に手を伸ばすが、届かない。その間、2つのSCP-1346-JP-αの表面にそれぞれ「あなたは何で努力してきたんですか?」「どうしてかわいいものが好きなの?」という文章及び長方形が出現する。]

男性の音声: あなたは何で努力してきたんですか?

子供の音声: どうしてかわいいものが好きなの?

エージェント・伍島: うるさい!

[エージェント・伍島がその場にうずくまる。映像に映るエージェント・伍島の腕の彩度が徐々に低くなっていく。複数の性別、年齢の音声が記録される。]

複数の音声: あなたは何故ご飯を食べるの?君はどうして働いているんだ?お前はどうして子供を望むんだ?あなたはどうして幸せを求める?何でキリストを信じるんですか?貯金をするのはどうして?ペットを何で飼おうとするんだ?何故あんたは死を恐れるんだ?何故夢を持つの?

エージェント・伍島: 嫌、許して…。


[エージェント・伍島がSCP-1346-JP内を徘徊していると、彩度が通常の状態であるネグロイド系の老年女性2が映像に映る。エージェント・伍島は当該女性に接近する。]

エージェント・伍島: …あなたは、何故…。

老年女性: え?

エージェント・伍島: …いや、何でもありません、すいません…。

老年女性: はあ。ところで、ここって一体…。

[エージェント・伍島が叫び、当該女性から離れる。映像に映っていた3体の人型実体も同様に当該女性から離れる。]

エージェント・伍島: [嗚咽] 何で、何で私…。


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図2 映像記録に映った、SCP-1346-JP内部の建造物。

[映像に白い建造物(図2)が映っている。エージェント・伍島は2度目のSCP-1346-JP-α群による襲撃の後、完全に彩度を失っている。映像に映る2体のSCP-1346-JP-αはエージェント・伍島に注意を向けていないように見える。エージェント・伍島は建造物の黒い扉のドアノブに手をかけるが、扉は開かない。映像にモンゴロイド系の若年男性に見えるSCP-1346-JP-αがフェードインし、エージェント・伍島に接近する。]

SCP-1346-JP-α(若年男性): ねえ、何で生きてるの?

[ドアノブを何度も動かしていたエージェント・伍島の腕が停止する。映像の視点が一気に下降し、地面に座り込むエージェント・伍島が映る。]

エージェント・伍島: [嗚咽]

[エージェント・伍島は拳銃を手に持ち、映像外に持っていく。直後発砲音が記録され、地面に黒い液体が飛び散る。]

エージェント・伍島: …何で、何でよ、何で…。 [嗚咽]

[16分間に及ぶ沈黙。]

エージェント・伍島: …生きる理由なんか…。

[映像に映る2体のSCP-1346-JP-αがエージェント・伍島の方を向く。]

エージェント・伍島: [嗚咽] 生きる理由なんか、ない。

[映像に映るエージェント・伍島の身体に、徐々に彩度が戻り始める。]

エージェント・伍島: 理由が無くて、 [鼻をすする] 理由が無くても、生きてる。食べてる。散歩に行くし、家族を抱き締める。理由なんか、 [嗚咽] ない。したいから、する。それだけ。

[エージェント・伍島の身体が完全に元の彩度を取り戻す。エージェント・伍島がこれに気付き、驚きの声を上げる。]

エージェント・伍島: う、嘘…。

[突如エージェント・伍島の足下が黒く変色し、エージェント・伍島が落下する。映像はここで途絶する。]

<抜粋終了>

エージェント・伍島の帰還と同時に、3名の転移者がSCP-1346-JPから帰還しました。帰還後に行われたインタビューにおいて、エージェント・伍島はSCP-1346-JP-αに質問された全ての事柄について問題なく返答することができました。この事例から、SCP-1346-JPにアクセスし転移者を救出することが提案されましたが、その困難さから実行は保留されています。

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