SCP-1347-JP-EX
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SCP-1347-JP-EXを収容する管理収容エリア-81SM

アイテム番号: SCP-1347-JP-EX

オブジェクトクラス: Explained / Eparch

特別収容プロトコル: SCP-1347-JP-EXが発見された場合、野生動物、特に節足動物の取り扱いを得意とするフィールドエージェントが個体確保のため派遣されます。非常時や大型個体の場合には機動部隊る-5("猟友会")が派遣され、必要に応じてフィールドエージェントが同行します。非財団関係者によりSCP-1347-JP-EXあるいはその捕獲作戦が目撃された場合、カバーストーリー「侵略的外来生物の駆除」が適用されます。

体長1m未満の小型~中型個体は最寄りの低危険度生物収容セルに、体長1mを超過する大型個体は管理収容エリア-81SMに収容されます。サイト-81SMは非財団関係者に対して存在を秘匿され、経路はカバーストーリー「滑落事故」あるいは「地すべり」の下で規制されます。観測衛星や航空機などによる空撮記録は検閲を受け、エリア-81SMおよびその関連構造物が公開された場合カバーストーリー「トラップストリート」が適用され修正版の情報が公開されます。

SCP-1347-JP-EXの食餌は詳細な調整を必要とせず、サイト内あるいはエリア内で発生した生ゴミが供給されます。排泄物は通常の収容生物排泄物処理手順に則って処理されます。



説明: SCP-1347-JP-EXは、最大で全長約3mに達する、オカヤドカリ属(Coenobita)に近縁な軟甲綱十脚目オカヤドカリ科に属する雑食性の甲殻類です。個体数自体は乏しいものの日本列島のうち東北地方北部に生息しており、またかつては現在の沖縄県から北海道まで広く分布していたと見られます。

SCP-1347-JP-EXは通常の外骨格生物と異なり、高度に発達した抗重力機構を体内に有します。SCP-1347-JP-EXは付属肢内部に存在する腱に相当する部位が硬組織化を遂げており、これに由来する内骨格が体重支持機能を担います。このためSCP-1347-JP-EXは莫大な体重を支持し、節足動物でありながら巨体を維持したまま陸上生活を実現しています。

SCP-1347-JP-EXは非異常のオカヤドカリと同様に宿貝を利用します。体サイズは同科のヤシガニ(Birgus latro)のものを超過しますが、成体のヤシガニと異なり外皮が角質化しておらず、成長・生存において自己を防御する外殻を必要とします。SCP-1347-JP-EXが自然界で利用する物品の例は野生動物の遺骸の頭蓋骨や流木の洞が挙げられますが、個体成長段階が進行すると人工物の利用が一般的になります。当該の行動に伴いSCP-1347-JP-EX個体は民家の周辺に出没する場合があります。地域住民や家畜・愛玩動物への直接的な被害は報告されていないものの、資機材の損傷事例が確認されています。

以下はSCP-1347-JP-EXが一般人により捕捉された事例の抜粋です。全個体の記録はアーカイブを参照ください。

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テディベアに侵入したSCP-1347-JP-EX個体

日付: 2012/05/18

場所: 青森県弘前市

宿貝: テディベアのぬいぐるみ

説明: 体長約10cmの個体が窓ガラスを破損して一般家屋に侵入し、部屋を物色した後ぬいぐるみの内部に侵入したと見られる。侵入に際し、下腹部~股間にかけての領域が穿孔された。

ぬいぐるみは地元住民である松本 夏帆 氏(7歳、女性)の私物であり、SCP-1347-JP-EXを発見した松本氏は錯乱状態に陥った。松本氏が当該個体を殺傷する目的でテディベアを壁や床に何度も叩き付けた結果、個体は外骨格が一部破損し衰弱した。騒音を聴き付けた同居家族により地元警察への通報が入り、通信を傍受した財団により収容に至った。松本氏の家族が興奮する松本氏を抑え、またSCP-1347-JP-EXを保護していたため、当該個体に命の別状は無かった。

サイト-81██に収容され、医療班の処置により回復したのち2022年まで生存した。

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蓄音機に侵入したSCP-1347-JP-EX個体

日付: 2022/06/10

場所: 青森県青森市

宿貝: 蓄音機

説明: 体長約50cmの個体が一般家屋に侵入した。当該家屋の住民かつ発見者である大藪 遥平 氏(60代、男性)が玄関を施錠せずに一時的に外出しており、その間に開扉して侵入したと見られる。大藪氏の私物である骨董品を保管する棚を倒壊させ、複数の物品を破壊した後に蓄音機の円筒部分に侵入した。

帰宅した大藪氏は部屋の状況を見て侵入者の存在に気付き、警戒した状態で自身の部屋へ向かい、SCP-1347-JP-EXと遭遇した。氏はヤドカリとしては非常に巨大なSCP-1347-JP-EXに警戒し、殴打する、殺虫剤を噴霧するなどの駆除行動を取らなかった。氏はただちに地元の害虫駆除業者に連絡し、道外業者に潜入していた財団エージェントがSCP-1347-JP-EXを同定した。当該個体は蓄音機から除去された後に同容積の仮宿貝に格納され、洗浄済みの蓄音機は後日大藪氏に返却された。

サイト-81██に収容され、2026年時点で生存。

ヒトと遭遇したSCP-1347-JP-EXは、通常のヤドカリにおいて実現しえない体サイズと遭遇状況ゆえに、ヒトにより駆除される事例が遭遇事例の多くを占めます。特に甲殻類であるSCP-1347-JP-EXは昆虫に対して用いられる市販のピレスロイド系殺虫剤に非常に敏感です。耐性の強さは体サイズによりますが、1μg/L程度の低濃度でも亜致死~致死性影響を示すと推定されます。


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最終氷期(赤)と完新世間氷期(黄)における日本海流本流の概略。琉球-台湾陸橋が存在した時代には日本列島でなくマリアナ諸島方向へ流れていた。

進化史: SCP-1347-JP-EXの祖先系統はユーラシア大陸で出現し、最終氷期において当時寒冷期に伴う海退により陸化していた琉球–台湾陸橋へ進出したと推測されます。陸橋部は大陸の他地域と比較して資源に制限があり、また大陸主要部との往来が半島の地形に阻害されていたため、動物の島嶼化が発生しやすい状況が整っていたと見られます。フォスターの規則1に従い、陸橋に進出したSCP-1347-JP-EXの祖先は大陸と比較して大型化を辿ったと推察されます。

最終氷期の終焉に伴って縄文海進が進行すると、琉球–台湾陸橋を構成する陸地が約1万2000年前に台湾島および琉球諸島として独立しました2。これにより日本海流の本流が八重山諸島と台湾島の間を貫通可能となり、この海流の変化に伴ってSCP-1347-JP-EXの祖先は琉球列島を島伝いに北上し、九州島以北の日本列島に分布を拡大しました。

北上につれて祖先系統はベルクマンの規則3に従い徐々に体サイズを増大させたと見られます。具体的な化石記録としてツキノワグマ(Ursus thibetanus)との格闘化石が発見されており、当時のメガファウナを構成する唯一の節足動物であったと推測されます。このほかに同時代で共存した動物には、縄文人として知られるヒト(Homo sapiens)が挙げられます。

成熟したSCP-1347-JP-EXは縄文人が建設した掘立柱建物を宿貝として利用したと見られます。SCP-1347-JP-EXから見た縄文人は外殻の提供者かつ周囲の見張り役、縄文人から見たSCP-1347-JP-EXは廃棄物処理と死肉の供給源の役割を担い、家畜飼育に近い共生関係にあった可能性があります。また縄文人による外殻の提供はSCP-1347-JP-EXの生存率上昇に寄与し、また大型化を促進した可能性があります。

弥生時代以降、中国や朝鮮半島から到来人とともにより高度に家畜化されたウシ(Bos taurus)やブタ(Sus scrofa domesticus)が移入し、日本の食生活におけるタンパク源の割合が大きく変化しました。生育に外殻を要するほか、労働力として他の家畜に劣ることから、SCP-1347-JP-EXとの共生関係は次第に衰退の一途を辿りました。また当時の弥生人が農耕生活を開始したため、それ以降SCP-1347-JP-EXの大型個体は作物に食害を及ぼす害獣としての側面が強くなり、大型のSCP-1347-JP-EXは1千年紀のうちに個体数を激減させました。

SCP-1347-JP-EXは長らく絶滅したと考えられていましたが、青森県青森市の三内丸山遺跡における大型個体の生息が19██年に確認され、また小型個体の生息も確認されました。この再発見によりSCP-1347-JP-EXは財団が関知するラザロ分類群4になりました。


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SCP-1347-JP

補遺: SCP-1347-JP-EXの分岐群は単に存続していただけでなく、第四紀完新世を通して多様化していたことが示唆されます。青森県横岳村に分布する合掌造り住宅群SCP-1347-JPの歩脚から十脚類の塩基配列を持つDNAが回収されており、オカヤドカリ属、特にSCP-1347-JP-EXとの共通性が高いことが判明しています。このことから、同県内においてSCP-1347-JP-EXからSCP-1347-JPが派生したことが推察されます。

一方でSCP-1347-JPはモンゴル国の草原地帯に亜種が分布することが知られており、従来的類縁仮説ではSCP-1347-JPの祖先がユーラシア大陸北部から日本列島へ分布を拡大し、SCP-1347-JPが本州島北部に限定的に分布したことが提唱されていました。一方で最新の分子系統解析に基づく生物地理学的解析では、SCP-1347-JPがユーラシア大陸南部(現在の台湾島)から進出したSCP-1347-JP-EXに起源を持ち、うち一部の個体群が北方に進出したことが示唆されます。

SCP-1347-JP-EXとSCP-1347-JPとの間には形態的な差異が多く存在しますが、分子系統推定に基づく類縁関係は住居型アノマリーの進化が日本列島上において起きたこと、またユーラシア大陸との間でシャトル進化が生じたことを意味します。SCP-1347-JP-EXは当該動物群の起源・進化・分布拡大に関して重要な位置を占め、今後近縁属種が発見されることにより詳細な移動過程が明らかになることが期待されます。

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