アイテム番号: SCP-1375
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1375を含む駅は閉鎖されているため、カバーストーリーを適用する必要はありません。SCP-1375-1が存在する地下道は補修した上で封鎖され、エアロック機構と出張研究施設が併設されます。SCP-1375へのアクセスまたは実験使用にはレベル3以上の職員2名以上による事前許可が必要となり、SCP-1375-2に侵入する職員は財団製船外宇宙服の使用訓練と認可を受けていなければなりません。
説明: SCP-1375-1はロンドン地下鉄の閉鎖された███████駅にある鉄製の搬入ドアです。記録によると、1994年に駅が閉鎖された時点では異常な性質は現れていなかった模様です。SCP-1375-1を開くと、内部にはSCP-1375-2に繋がる恒久的な時空間ポータルが存在します。
SCP-1375-2は閉鎖前の███████駅のほぼ完全な複製で、ガニメデに似た質量と組成を持つ地球外の未知の衛星上に存在します。衛星は青緑色をした巨大ガス惑星の周囲の軌道上を周回しており、ガス惑星は減光期にある赤色巨星の軌道上を公転しています。この恒星系の位置は現在不明のままです;位置特定のための天文観測が進行中です。
SCP-1375-2は下記の点でオリジナルと異なっています:
- SCP-1375-2はSCP-1375-1を基準とした左右反転形になっています;SCP-1375-2はSCP-1375-1を対称面としたオリジナルの鏡写しの形状をしています。
- SCP-1375-2には███████駅と同じ機材を用いて建造されたとおぼしき痕跡が残っていますが、それらはオリジナルに残された痕跡とは細部が異なっています。
- SCP-1375-2内の標識は左右反転しているだけはなく多数のスペルミスが含まれており、さらに英語以外の言語も複数発見されています;それらのうち少なくとも2つの言語は未知のものであり、解読できていません。
- 衛星表層に続くSCP-1375-2の出口は完全な複製になっておらず、これは壊れているというよりも未完成であるというほうが近いように見えます。出口が衛星表面に向けて開放されているためSCP-1375-2の気圧は低くなっており、SCP-1375-1前後での圧力差が生じています;エアロックの導入以前は、SCP-1375-1が開かれることで███████駅の対象区域に急激な減圧が発生していました。
SCP-1375-2内で発見された物品および文書は財団によってリスト化および保管されており、サイト██の非異常性アイテム保管施設で分析のため収容されています。
補遺1375-1: 研究員による覚え書き
数ヶ月の分析により、探索チームから以下のデータがもたらされた:
- SCP-1375-2周辺の区域を探索したが、建造物も人工物も生命の兆候も発見できなかった。また大気を分析したところ、生命の存在を示す有機物質が一切確認できなかった。低気圧下での飛行と衛星の周回が可能な自動式UAVの設計を進める。
- 以前実施した天文観測の結果によると、SCP-1375-2の存在する恒星系には約11個の惑星が存在することが示されていた。そしてその惑星および確認できた衛星のいずれも、生命体が生存可能な環境ではないと見られている。
- 分光分析によりSCP-1375-2を構成する物質には異常な量の水銀とラドンが含まれていることが判明したが、その点を除けば地球のオリジナルと同一の組成であることもわかった。
█████████博士
上席研究員
補遺1375-2: 発見されたオブジェクトのうち注目すべきもの
引用#: 1375-038
回収 男子トイレにて発見。
概要 イブニング・スタンダード紙のコピー、反転していることを除けば1993/12/27に印刷されたものと同一。引用#: 1375-062
回収 2番ホームの線路にて発見。
概要 紙ナプキンに書かれた手書きのメモ:”19:30、忘れるな。”文字は左右反転している。引用#: 1375-088
回収 入り口近くの壁に貼り付けられていた。
概要 左右反転して印刷されたミュージカル・コンサートの広告ポスター。反転を除けばすべての文字はオリジナルのポスターと同一だが、バンドメンバーの写真からは顔のパーツがすべて失われている。引用#: 1375-109
回収 清掃備品室の棚にて発見。
概要 山が逆向きに彫られた高強度チタン合金製の建築用ネジの箱。SCP-1375-2で見つかり地球側のオリジナルに合致しない建築資材としては、唯一の発見例。引用#: 1375-133
回収 中央口から3mの位置の衛星表面。
概要 █████ █████ブランドの低ナトリウムカーネルコーン缶1個(未開封)。超音波解析により内容物がカーネルコーンであることを確認。ラベルは文書がポルトガル語で印刷されていることを除けば、2003年以前に製造されたものと同一。特記すべき点として、SCP-1375-2で発見されたオブジェクトとしては唯一左右反転していない。