SCP-1384
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アイテム番号: SCP-1384

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1384を収容しているトンネルの本来の入り口は、民間人のアクセスを防ぐためにコンクリートで封鎖されています。公共事業に扮した新たなシャフトが掘られています。文書-1384-1を熟知している職員が最低でも週に一度はトンネルにアクセスし、SCP-1384と対話しなければなりません。全ての対話は記録され、後に財団の解析チームにより調査されます。

職員は決められたテスト手続き以外で、SCP-1384に物事を求めたり与えたりしてはなりません。これには例えば ”時間” や人の名前のような、無害で抽象的な物事も含まれます。事件1384-2を参照して下さい。

説明: SCP-1384は様々な外観を見せる知性を持った存在です。通常それは1.5~2mの高さの人間や人間の形をしたものの姿をしています。またそれはその構成要素を磁器や骨から白いプラスチックまで、幅広い素材に変化させます。姿の変更は一瞬で起こります。

SCP-1384はスコットランド、ダーネスにある教会の60m下にあるトンネルの内部で発見されました。トンネルは幅3mで全長約16kmです。内部はたった1つの大理石で構成されており、壁と天井は3mの厚みがあります。注目すべきことに、本物の大理石はブリテン諸島では自然に発生しません。トンネルが造られた手法や時期は不明ですが、内部で発見された工芸品は少なくとも12世紀にまで遡ります。床は白、黄、黒、青、オレンジの色のついた正方形でタイル張りされています。それぞれの正方形の一辺は50cmです。

トンネル内部の工芸品には彫刻された石やチョーク、武器、チェス盤と無数のチェス駒、チェッカー駒や木彫の兵士などが含まれます。

2011/03/14現在、SCP-1384はトンネルから1.2 kmの地点の、オレンジの正方形の上にいます。SCP-1384は特定の条件を満たさなければその正方形から移動することが出来ません (文書-1384-1を参照)。

SCP-1384は現実を改変することが可能ですが、これは特定の刺激に応じてのみ起こるようです。SCP-1384は特定のルールのもとに能力や振る舞いが支配されていると主張しますが、そのルールを暴露することを拒否します。この点を除いて、特定の人を他の人よりも好むようではありますが、友好的で親切です。理由は不明ですが、エージェントよりも研究員を好みます。

SCP-1384をそれが占拠している正方形から移動させようとする試みや、SCP-1384を傷つけようとする試みは全て効果がありませんでした。正方形は傷つけることが出来ますが、SCP-1384が新しい正方形に移動するとすぐに無傷の状態に戻ります。

SCP-1384の究極の目的は通路の入口へたどり着き、出て行く事です。SCP-1384は財団が自身を収容しようとしていることに気づいており、このため自身が従っているルールについて研究員に話そうとしません。

SCP-1384はダーネスの教区牧師であった █████ ████████ 牧師の死後発見されました。彼の後任者はSCP-1384を収容しているトンネルの入口につながるシャフトを発見しました。彼は教会の上役に連絡し、上司はフィッシャープロトコルに従って最終的に財団へ連絡しました。

事件報告

ハック博士はSCP-1384と以下の会話を行った。

ハック博士: “あなたの名前は何ですか?”

SCP-1384: “え、えーと、ちょっと困まりしたね。あなたは私の名前を言えません。聞くことすら出来ません。正しく話すことも。では、あなたの名前をもらえますか?

ハック博士: “いいでしょう、ハック博士です”

SCP-1384: “あぁ、それはどうもありがとうございます”

この会話のすぐ後、この通路へ入った者はその存在がハック博士という名前であることに気が付きました。本来の研究員はもはやその名前で反応することが出来ず、彼を知る人々は一時的にその名前で彼のことを考えることが出来なくなりました。SCP-1384は少しの後悔を見せましたが、ルールであるからと言って名前を返すことはしませんでした。数日後、この状況はホー博士の単純な処置により解決しました。それはホー博士がその研究員に対して、”君をハック博士と名付ける” と言うことでした。ハック博士に対する影響は無くなりましたが、いまだに通路へ入る者にはSCP-1384がその名前で “知られて” います。

インタビュー記録1384-1

ホー博士: “あなたは何者ですか?”

SCP-1384: “ええと、それをあなたに言うことは出来ない。あなたに喋りすぎたとは思わないが、それはあなたが知るには重要すぎる。あなたが知らなければ知らないほど、私の立場は良くなるのだ。”

ホー博士: “なぜ良いのですか?”

SCP-1384: “あなたは年寄り臭い人だ。すぐに分かるよ。彼がしたように、私をこの古い通路に閉じ込めておきたいんだろう。それで彼は前任者よりも良くやっただろうか?いいや、私は彼にヒントを与えすぎた、それでどうなったか見てみろ。事実私は彼が私を見つけたところの2歩後ろにいる。序盤ではないのだから、あなたにやらせてみよう。

ホー博士: “なぜただ歩いて出て行かないのですか?”

SCP-1384: “それがルールだからだよ、知っての通り。もし歩いて出ていけるのなら、とっくの昔にやってしまっているだろう。でもルールが無ければ、そう、我々はどうなってしまうだろう?私には分からない。

ホー博士: “我々がルールを知らないのは公平ではないと思いますが”

SCP-1384: “それも私の責任ではない。見てみろ、私は私に有利な点を少しずつ集めていかなければならないんだ。”

ホー博士: “あなたをここに閉じ込めたのは誰ですか?”

SCP-1384: “それは私の方なのだ、実は。ここよりも窮屈な場所から出ていかなくてはならなくなってね。信じてもらえるかな。時には犠牲を払わなければならない、知っているだろう。

ホー博士: “なぜこのことを私に話してくれるのですか?”

SCP-1384: “あなたがただのポーンだからだよ。そして私は心ではお人好しなんだ。それに、もしあなたがずっと離れていれば私はいずれここを出て行くが、私はあなたが老人ほど賢くない方に賭けたい。あなたは私をここに留まらせようとすることが出来るが、私はすぐにでも出て行くことが出来ると思うね。ちょっとしたゲームをしよう。”

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