アイテム番号: SCP-1385-JP
オブジェクトクラス: Safe
収容プロトコル: SCP-1385-JPはカバーストーリー"核実験施設"を用いて民間人の立ち入りを禁じます。SCP-1385-JP-Aはサイト-9Aの一般生物オブジェクト収容セルに収容されます。
説明: SCP-1385-JPはイギリス南西部のコーンウォールに存在する墓地です。SCP-1385-JPは幾つかの条件1に当てはまる人間が死体を埋葬することにより異常性が発現されます。埋葬を行った人間は猫(以下、SCP-1385-JP-A)に変化し、またこの時点で不死性を獲得し、また異常性を獲得する以前と同様に言語を話します。
補遺1: SCP-1385-JPの異常性を発現させる条件は以下の通りです。
- 本人、埋葬される死体はともに女性である。
- 本人、埋葬される死体の生前の人物はともに何らかの罪に問われている。
- 本人、埋葬される死体の生前の人物はともに交友関係が両者の間にしか存在しない。
補遺2: SCP-1385-JPの存在する近辺の集落の██████では、17世紀ごろに一般に"魔女狩り"とされる迫害行為が頻繁に行われていました。SCP-1385-JPはそうした迫害にあった女性たちにより密かに利用されていたとされています。またSCP-1385-JP-Aの発見は現在に至るまで12体の実例しか発見できておらず、その性質などについて未解明な点は多く存在しています。
補遺3: 以下は、SCP-1385-JPから約120km離れた山小屋で発見されたメモの抜粋です。このメモは1700年ごろに書かれたものであると推測されており、メモの切れ端には猫のものと見られる噛み跡が確認されています。
死ぬ前に言った通りこの手紙を開けてくれてありがとう。
追っ手がいるからそんな暇は無いかもしれないけど、出来れば東の丘2で弔ってくれると嬉しいわ。
昔、二人でよくピクニックに行ったわよね。今でも覚えてるわ。
その後は、████の山に行って。ちょっと歩き難いけど、多分どうにかなるわ。
山に着いたらあなたの行きたいように行けばきっと大丈夫。そしたら、私の叔母さんの家に着くはずだから。3
叔母さん、私達みたいに猫がとても好きだから、気が合うと思うしとても優しくしてくれると思うわ。
飼い猫も昔のままならいっぱいいるだろうし、寂しくないと思うわ。幸運を願ってるわ。
補遺4: 以下は、財団により確認されたSCP-1385-JP-Aであるクララ・クレイトンへのインタビュー記録の抜粋です。
発見記録-1385
クレイトン氏はドイツの魔術に関連する奇跡論者のコミュニティに所属しており、財団の当該コミュニティの捜索の際に発見されました。クレイトン氏は1850年ごろにSCP-1385-JP-Aになったことが確認されています。
クララ・クレイトンへのインタビュー記録 1978/03/25 担当者: ストーンバンク博士 |
インタビュアー: SCP-1385-JPで埋葬を行っていた人間はあなたのように魔術信仰をしていましたか?
クレイトン氏: いや、そういうことは少ないかな。健康のために、家畜の血を飲んでるとこ見られたり、あと出稼ぎで病気をもらったとかで疑われてる子ばかりだったと思う。まああんまり覚えてないけど。
インタビュアー: なるほど。しかし、あなたはそうではなかったんですよね。
クレイトン氏: うん。
インタビュアー: どのような動機でそのような思想を持たれたんですか?
クレイトン氏: その時、バイロンの小説にハマってたのよね。ヴァンパイア、錬金術士とか、憧れてたわね。恥ずかしいけど、でもその方がよっぽど純粋な動機だと思うのよね。
インタビュアー: と言いますと?
クレイトン氏: 他の子ら、"永遠の愛のため"とか言ってたけど、自己中心的すぎね。
インタビュアー: 同性愛ですか?
クレイトン氏: 基本的に魔女に疑われると疑われた者同士でしか関わり合わなくなるんだけど、それで愛し合うことになるってことが多いのよ。
インタビュアー: あなたが埋葬を行った人物とはどういう関係だったのですか?
クレイトン氏: 私の家の使用人の子よ。研究の手伝いさせてたから疑われちゃったみたい。私を庇ってくれたの。まあでも変な話、あの子が亡くなってくれたお陰でこうなれたわけだけど。
インタビュアー: あなたはその人物を利用したんですか?
クレイトン氏: まあそうはなるけど、別に良いと思わない?さっきも言ったけど他の子の方が傲慢だと思うわ。
インタビュアー: それはなぜですか?
クレイトン氏: だって、愛する人に会いたいなら今すぐ会いたいでしょ。普通はね。それをわけのわからない理由付けをして生き続けたいとか、生き続けて欲しいとか、傲慢も良いところよね。それこそ、生まれ変わったり、天国に行くことを信じて死んじゃえば良いのに。