アイテム番号: SCP-1389
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 実験が行われていない時のSCP-1389は、常にプレキシガラスの保護ケースに保管しなければいけません。図像の表面は極めて繊細であるため、古文書や芸術作品の取り扱いと修復のための特殊訓練を受けている職員が専門的に取り扱います。もし何らかの理由で保護ケースに入っていない状態のSCP-1389を移動させる必要が生じた場合は、絵画の端または背面だけを持つようにしてください。
サイト管理官からの明示的な許可なしに、SCP-1389からこれ以上の組織サンプルを採取することは許可されていません。
説明: SCP-1389は、ロシア正教会の様式で描かれた、キリスト教聖人(恐らくはマグダラのマリア)の金箔を被せた聖画像イコンです。作品の主題となる聖人は著しい苦悩の表情を見せており、その図像はイコンの背景から約1mm浮き出しています。
このイコンはロシアの[編集済]近郊にある正教会の修道院から回収されました。SCP-1389の異常特性は、“生きている聖人”を見るためにそこへ集う巡礼者が数を増しつつあるという報告が入るまでは気付かれていませんでした。SCP-1389の起源について尋ねられた住み込みの修道士たちは、問題のイコンは匿名の芸術家によって寄贈されて以来、何世紀も修道院の所有下にあったと主張しました。
SCP-1389は視覚的な異常属性を持ちませんが、描写されている人物は摂氏35度という、標準的な設備温度よりも僅かに暖かい熱を持ちます。X線検査は、図像表面のすぐ裏側に、人物の体形に合わせて平らに潰され、縮められた完全な人間の骨格があることを明らかにしました。
破壊される恐れがあるためSCP-1389の解剖は行われていませんが、CTスキャンは完全に機能する循環系および神経系が“塗装”の下に存在することを示し、対象が生きた生命体であることを示唆しています。神経学的検査は、SCP-1389が話しかけられると感情反応を示すこと、知的存在である可能性が高いことを証明しました。SCP-1389と意思疎通するために利用可能な方法の開発が進められています。
補遺1389-01: SCP-1389による証言
当初、SCP-1389に移動能力は無いと考えられていたものの、人物像は目を動かして物体の動きを追うことが可能であることを示しました。全身麻痺の人物によって利用されるものを基に、キリル文字と共通ロシア語のフレーズのパネルで構成され、目線によって起動するインターフェースがSCP-1389の前に設置されました。装置の機能を実証した後、SCP-1389は当該インターフェースを通して実験担当職員と意思疎通できることを証明しましたが、現在までのところ、質問への直接回答を拒否しています。SCP-1389の声明には何日も間が空く場合があり、しばしば一貫性に乏しい内容です。以下の転写は本来のロシア語から翻訳したものです。
██/3/17、10:25 AM:
わたし は はは の はら から うまれた この き と にく の おり の なか に しょくにん の ぶきよう な て で まぜあわされた のでは ない
██/3/17、11:54 AM:
わたし は みかんせい だ
わたし は ちかい を やぶった
わたし は みかんせい だ
██/3/19、9:38 PM:
あの おろかもの たち は つみびと を せいじゃ に した
そして わたし には かれら に かり が あった
██/4/18、2:18 AM
かれら は わたし を りょしゅう に して ほか の もの たち の みせしめ に した
かれら は きょうかい の とどろく ような かね を ならし かみ を あがめた
それでも わたし は よく かれら が どんな かみ に いのって いた のか ぎもん に おもう のだ
██/█/██、█:██ ██
わたし は でる こと が できない
██/█/██、█:██ ██
あなた は わたし の かいほうしゃ では ない