アイテム番号: SCP-1397
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1397-1から-5はサイト-91にある単一の保安収容ロッカーに収容されるものとします。SCP-1397全実例の原本の複製は利用可能であり、レベル1以上のクリアランスを有するいかなる研究員でもアクセスが許可されます。SCP-1397の任意の実例に関連する実験にはレベル3承認が必要です。眠気や疲労を訴える職員に対しては、SCP-1397の収容ロッカーから10m以内に立ち入らせないでください。
200█/██/██/現在、エージェント・ブラウニングとマーフィー、加えて数名のレベル2研究員は、H████氏の肉親と彼の芸術関係者の追跡およびSCP-1397-2から-5までの作者を断定することを目的としてプラハに駐在しています。
説明:SCP-1397-1から-5は、旧チェコスロバキアの農村地域の様子を説明した5冊の旅行ガイドです。5冊のガイドの著者は、█████ ███████1名と記載されていますが、原本を言語学的に分析したところ、それぞれ異なる著者によって執筆されたことが示されています。█████ ███████が実在した形跡は発見されていないため、この名前は偽名である可能性が高いです。著作権ページや出版社情報は存在しませんが、冊子内の情報によると、当該冊子群は1950年初期に執筆されたことが示唆されています。
SCP-1397の異常影響は、被験者がSCP-1397実例から5m以内の範囲で入眠したり意識不明に陥った際に発現します。被験者は意識不明状態に移行した際、自身が特定のSCP-1397実例で説明されている場所で覚醒して佇んでいる状態にあることを報告します。この状況にもかかわらず、被験者の身体は元の位置から動かず、意識不明のままであるように見受けられます。監視では対象が訪れたと主張する場所に異常活動は認められませんでした。被験者の体験報告はそれぞれ異なりますが、例外として多くの場合、"夢のような"と形容される非現実的かつ超現実的な出来事の存在が挙げられます。それにもかかわらず、多くの被験者はたとえそれに反する証拠が提示されたとしても、自らの体験の現実性を厳然として擁護します。
時間の経過とともに、これらの"夢のような"事象の発生率は上昇します。被験者の92%は8時間から12時間後に自然に覚醒しました。正常な方法で覚醒させた場合においても結果は同様でした。12時間後に覚醒しなかった8%の被験者は、意識不明に陥ってから13時間から24時間の間にすべてのバイタルサインを停止します。
SCP-1397の効果を体験した後に覚醒した被験者は混乱して敵対的になり、認識された出来事の現実性について質問されると神経質になり動揺します。また、被験者は自身の夢はすべて現実の出来事であると確認するようになり、言及した夢に対する恐怖心を伴うようになります。これらの妄想状態は定期的な心理療法で治癒し、多くの場合数ヵ月以内に自然に鎮静化します。これらの心理学的効果を除き、SCP-1397のすべての異常性は対象の覚醒時に終了します。
SCP-1397-2から-5の表題紙にペンで短いメッセージが記載されています(補遺1397-Dを参照)。筆跡鑑定によると、4つのメッセージはすべて同一人物によって記載されたものであることが示唆されています。
補遺1397-A: インタビュー記録1397-1
インタビュー対象: D-1397-5
インタビュアー: J████博士
序文: D-1397-5はSCP-1397-1を用いた実験を受け、11時間後に覚醒しました。D-1397-5の覚醒から30分後、この11時間におけるD-1397の体験の特質を明らかにするために以下のインタビューを行いました。D-1397-5は明晰夢を見たと公言した経験と、彼女が財団で過ごしていた期間中の穏当な振舞いの経歴によって選出されました。
<記録開始>
J████博士: D-1397-5、意識を失っていた時に何を見たか説明してもらえますか?
D-1397-5: えぇ、あなたがくれた精神安定剤か何かが効いてきた後、私はうとうとしてきたと思ったら、次の瞬間には私はすっかり目が覚めて、すねの高さほどの暖かい泥の中に立っていたの。周りを見回すと豚が2匹いて、しばらくしてから私は農場みたいなところにいるって気付いたわ。
J████博士: それに気づいて、どうしましたか?
D-1397-5: えぇ、その豚小屋から出て行って、辺りを見て回った方がいいって思ったの。少し離れたところに母屋があったけど、そこには近づこうとはしなかったわ。不法侵入で捕まって実験終了なんて本当にバカみたいでしょ、先生?それはそうと、そこには納屋と牛2頭とこんなにバカでかい小麦畑があったの。私の思うにそれらはそんなに変なものじゃないわ。それで私は畑の端にある森の方へぶらぶら歩いて行ったけど、変なことが起きたのはその時だったわ。
J████博士: それについて詳しく説明していただけませんか?
D-1397-5: えぇ、誰かが私に向かって叫んでいるのが聞こえたから、振り返ってみると母屋の外に女の人が立っていたのよ。死ぬほど怖かったわ。彼女は私に対して怒ってるって思ったんだけど、私に森には狼がいるから入るなって言っただけだったわ。
J████博士: それについてどう思いましたか?
D-1397-5: 正直、彼女はどうやって私がそこにいるって知ったんだろうって不思議に思ったわ。その時こう思ったの、えぇ、あなたたちが狼たちを恐れるというより、むしろ狼たちの方があなたたちを恐れているんじゃないかしらってね?それに私は趣味で木登りをしていたから、本当に怖くはなかったわ。どちらかと言えば、そういう面白い何かを見るのはまぁいいことだと思ったから、彼女を無視して木々の中に入っていったの。たくさんの茂みをかき分けて進むと、鳥が数羽飛んできたけれど、それ以上場違いなものはなかった気がするわ。まあ、1時間かそのくらいだったかしらね。分からないけど。
J████博士: その後に何が起きましたか?
D-1397-5: 茂みから物音がするようになったわ。最初はリスかウサギか何かだと思ったけど、音は続いているのに周りには何も見えなかったわ。それでまぁ、怖くはなかったけど、もしも何かが私の後を追いかけてきているのならただ挫ける訳にはいかないと思って、少しペースを速めようとしたわ。でもできなかった。私の足が言うことを聞かなかったの。そしてあなたに言っておくけど、本当におかしな話だけれど、あのヘンテコな本がヘンテコなことしてるんだって自分に言い聞かせて歩き続けたの。5分ぐらいだったかしら?服が消えちゃうまでね。
J████博士: 消えた?
D-1397-5: そうよ。まさしく消えたの。あなたが人前に出て行ったときに「あら、ズボンを履くのを忘れてた」って気付く夢のようなものよ、先生は別だけど。その前に私はすごく棘の多い草を通り抜けて歩いていたけれど、まさにその瞬間に自分を守るズボンや靴を身に着けていなかったことに気付いたの。だから私は歩くのをやめて、面倒なことになる前に静かに5秒考えたの。そしたらね、先生、木が狼に変わったの。
J████博士: それは…それについてもっと説明していただけますか、D-1397-5?
D-1397-5: わからないわよ! (D-1397-5は言葉を止め、数回深呼吸する) ごめんなさい。ただ、1本の木にそっと触ったら、すぐにピンときたの。それは木じゃなくて、その中に木なんて全然なくて、あいつらは木なんかじゃなくて狼だったの、バカみたいに多かったわ。あいつらは舌を光らせて私を見つめていて、あいつらの顔の毛1本1本まで見えたわ、あいつらは私を笑っていた、絶対そうよ。また走れるようになって、走り始めた瞬間に夢じゃないって分かったわ。決して夢なんかじゃなかった。
J████博士: どうしてそう確信したんですか?
D-1397-5: 先生、夢の中では、一風変わったものがあなたに降りかかってきたって受け入れられるのよ、単なる別の体験の一部みたいにね?それは…異質だったわ。不自然だった。おかしなものになろうと一生懸命やりすぎたみたいな、分かるかしら?
J████博士: そうかもしれませんね。ところで、逃げた後に何が起きましたか?D-1397-5: 開けた場所に戻ってくると…何よりもぼやけて見える姿があったわ。私の母の姿が見えて、そこに立っていて私に話しかけようとしていたの、でも私に聞こえたのはカラスの鳴き声だけ、まるで母がカラスだか何かになったかのように。それから私は下を見ると、なんと妊娠していたの、そして急にこんな…こんな感じの肘掛け椅子が私の隣に出てきて、私がそれを産んだって分かったの。それは私に話しかけてきたの、時間がないって。 (D-1397-5は頭を数秒間抱えた後に続ける)それから足元が無くなったの。私は落ちて…目が覚めたんだと思うの。実験室でね。
J████博士: 目覚めたときどう感じたか教えていただけませんか?
D-1397-5: (D-1397-5は約15秒沈黙した後に話す) 安心したわ。
J████博士: ではそれはなぜか教えていただけませんか?
D-1397-5: 出てきた。それが出してくれたからよ。
J████博士: それ?
D-1397-5: あの…夢、何でもいいじゃない、先生。それは夢じゃないって知ってたの。そして私が気付いたって知っていたからこそあんな…あんなおかしなことが最後に起こったって思うの。それは私を納得させようとしたの、あれは夢だったって。それが…不満だったみたいね。もしもっと長く留まっていたとしたら、それは出してくれなかったと思うわ。
J████博士: ありがとうございます、D-1397-5。本日はこれで終了です。
<記録終了>
補遺1397-B: SCP-1397-1発見記録
SCP-1397-1は195█年に財団によるチェコスロバキアの超現実主義者作家グループの調査中に発見されましたが、これは作家らがSCP-████との関連が疑われる"異常な儀式活動"の風評に関与した可能性があるという報告を受けてのことです。当初の風評は虚偽であることが判明しましたが、グループのメンバーの一人であるA██████ H████は、尋問中に異常物品の作成に関与したことを自白し、当時はまだ1種類だけであると考えられていたSCP-1397-1を自ら進んで財団に引き渡しました。H████氏は当該物品に対して嫌悪感を示し、"大失敗である"と述べましたが、それ以上の詳細は語ることを拒否しました。H████氏は最終的にクラスC記憶処理を施された上で解放されました。当時、彼の仲間はその物品に関与していると考えられていなかったので、クラスA記憶処理を施され解放されました。H████氏のアパートから回収された原本のサンプルにより、彼がSCP-1397-1の作者であることが示唆されています。199█/██/██現在、H████氏および元芸術共同制作者は死亡していることが確認されています。
補遺補足1397-C: インシデント1397-1
199█/██/██、プラハのカレル大学寮に住む学生がSCP-1397曝露に類似した症状により、これらの寮で█件の死亡事例が発生したと報告されました。財団はメディアに事件が発覚することを妨害し、生存している被害者および目撃者に対してクラスB記憶処理が施されました。SCP-1397-2から-5は影響を受けた寮の廊下から回収されましたが、その場所にSCP-1397イベントに曝露する学生の数が最大になるよう意図的に配置されていました。
影響を受けた学生の半数以上が、前日に████ █████教授によって実施された"独我論と夢の心理学"に関する講義に出席していたことが判明しました。█████氏は拘束に対して殺傷能力を有する武器を用いて抵抗を試みたところ、財団エージェントによって射殺されました。█████氏の指紋がその後SCP-1397-2から-5から検出されました。アパート内で発見された書類を分析した結果、SCP-1397-2から-5までの表題紙に記載されたメッセージの執筆者が█████であることが示唆されています。
SCP-1397-2から-5まで文調と一致するものはまだ発見されていません。H████氏の█名の既知の共同制作者がSCP-1397への何らかの関与があったかどうか断定するための調査が進行中です。
補遺1397-D: SCP-1397-2から-5のメッセージの転写
もし彼らが夢と現実は同一のものであることを私たちに見せたかったのだとしたら、それは現実は夢であると言う意味なのか、それとも夢は異なる角度から見た現実であると言う意味なのか?









