
成体の姿
アイテム番号: SCP-140-KO
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-140-KOの生態を観察するためにDクラス職員に寄生させたオブジェクトを除いて、サイト内に常駐する職員の感染の有無を具体的に定期検査する必要はありません。このような放任措置は収容されていない野生の個体についても同様です。「探索期間」の形で発見されたオブジェクトにのみ殺菌を行うことを原則とします。情報流出対応措置を閲覧したい場合は、関連するハブに接続されたページ(SN-140 #4)に移動してください。
SCP-140-KOに感染した人物を収容するサイトで働く全ての職員は、定期的な理髪が義務付けられており、少なくとも6ヶ月ごとに防虫スプレーを使用しなければなりません。感染者と直接接触しなければならない場合には、ステップCの有害物質防護服を着用することが推奨されます。そのサイトを退去することを希望する人物は、感染しているかどうかに関係なく完全な断髪と消毒措置を受ける必要があります。
説明: SCP-140-KOはザトウムシ目(Opiliones)の一種で、肉眼で見ることのできる節足動物であり、成体は約1.2cmの胴体と8~10cmの長さの脚を持っています。寿命は約2年であり、通常のクモと似た動きを見せます。しかし、通常のクモとは異なり巣を張ることはなく、動物の体内に寄生して片利共生をするのが特徴です。オブジェクトは2つの種類に分けることができ、卵を産むことができる生殖オブジェクトと生殖機能はなく生殖オブジェクトに栄養素を提供するだけの採集オブジェクトが存在します。概してこのオブジェクトは、生殖オブジェクト1匹と採集オブジェクト数十匹で1つの群れを作り宿主に寄生します。

生殖期間に除去されたSCP-140-KOの生殖オブジェクト
寄生方式としては珍しく、まず生殖オブジェクトが外部から皮膚を突き抜けて入って体を隠した後、脚だけ外に出しておいて宿主の体毛に擬態します。以降、このオブジェクトは自分の周りの角質を脚を使って摂取し成長します(成長期間)。生殖オブジェクトが成体になると成長を停止し、白い粉のような卵を産み始めます(生殖期間)。ここで孵化した子供が採集オブジェクトとなり、同様に体毛に擬態しながら周辺の栄養素を母体へ供給します。この栄養素は継続して卵を産むために利用され、卵は子の脚を経て運ばれていき、宿主の身体全体に向かって感染の範囲を広げていきます。
宿主の体表全てに感染すると、母体は生殖をやめて再成長を始め(独立期間)、これを起点に母体周辺の子たちも更なる成長を始め、数日以内にオブジェクトに覆われた宿主はオブジェクトの餌食となって死亡します。その後SCP-140-KOは1群となって移動し、生殖オブジェクトが採集オブジェクトを1匹ずつ捕食しながら栄養素を補充します(探索期間)。移動中に宿主になるような生物を発見した場合、生殖オブジェクトが1匹だけ群れから離れていき、対象に寄生して生殖オブジェクトが孵化する卵を産んで死亡します。
追記 SCP-140-KOは、自分の体色を宿主の体毛と同じように変化させることができます。また、生殖期間中にも擬態のために周囲の体毛と同様の長さの分だけ成長します(約10cm以上は育たない)。現時点で生殖オブジェクトは雌雄同体であり、自分のように生殖が可能なオブジェクトが孵化する卵は1度だけしか産むことができないことが知られています。

浴室で発見された探索期間中のSCP-140-KO。最近の研究結果によると、SCP-140-KOは餌を得るのも容易で宿主に簡単に卵を産むことができる排水口に生息することが多いという。
これらのオブジェクトはほとんどの哺乳類に寄生可能であることが判明していますが、近年に入ってからは人間を最も好んでいることが発覚しています。生殖オブジェクトは人間に寄生する場合、これまで100%の確率で頭髪に擬態しています。最初はアフリカのチンパンジー類に寄生していたのが、途中約██年代頃に人間と接触した後、現在に至ってユーラシア大陸全域に広まったものと推測されています。
これらのオブジェクトの繁殖を防ぐには、次のような措置が効果的です。
- シャワー: オブジェクトの卵を洗い流し、母体の生殖期間の進行を阻止することがある
- 定期的なヘアカット: 生殖オブジェクトが成体になるまで成長するのを防ぎ、オブジェクトの寿命が尽きるまで成長期間を維持させることができる
- 防虫スプレー: 生殖オブジェクトの生殖能力を低下させて通常の卵を産ませることを防ぎ、一部の採集オブジェクトを殺す可能性がある
- 完全な断髪後の消毒: 生殖オブジェクトを殺すことができる
自分の髪で覆われた遺体が発見された最初の事例の後にSCP-140-KOを民間人から隔離しようと努力しましたが、当時既にオブジェクトがあまりにも広い範囲に分布していたことにより失敗しています。この情報が公表されることで民間人の恐怖が拡散されることを憂慮した財団は、一連の会議を経てオブジェクトを終了しようとする代わりに、発見された遺体を処理し情報の流出を防ぐことにとどめることで合意しました。