アイテム番号: SCP-1429
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1429の全実体は生物サイト-66の施設A-1429に収められます。自由生活時の実体は個別にラベル付けされたガラス瓶に収め、生物封じ込めロッカー1429内で保管されます。SCP-1429はクラス3感染性病原体として扱われます。
封じ込めが破られた場合、存在する全ての職員は自身のいる区画を封鎖し、最寄りの封じ込めチームに連絡してください。SCP-1429に割り当てられた職員は症状発現以前にSCP-1429を検出する方法が存在しないことを通知されるべきであり、彼らは逸出した実体が回収されるまで隔離されます。
承認された実験を除き、SCP-1429実体の取り出しは禁止されます。SCP-1429実験の被験体は、感染期間中は特定ヒト封じ込めスイートに隔離されます。SCP-1429-Bが出現したならば、ヒト被験体は最小限の外傷によって終了され、研究のために解剖が行われます。当該のSCP-1429-Bからそれ以上の有用な情報が得られる可能性が低いと判断されたならば、実体は破壊されSCP-1429は回収されます。
最終的なSCP-1429-B実体を収容する安全な容器が準備されない限り実験は行われません。容器は複数の方向からの観察が可能で、淡水を供給できるものでなければなりません。完全な要件は文書1429-3-Aを参照してください。
説明: SCP-1429は発光する大型(最大直径1.5ミリメートル)のアメーバ状生物で、未知の起源による青い蛍光を発しています。財団は現在SCP-1429の9実体を保有しており、1実体は実験により破壊されました。潜伏期間の後、SCP-1429はヒト組織に様々な急性突然変異を引き起こします。SCP-1429の形態的特徴はいかなる既知の地球生物とも共通しておらず、DNA構造の検出は不可能であるようです。SCP-1429の繁殖や自己複製は観察されていません。
感染の際、SCP-1429実体は痛みを伴わず経皮的に人体に侵入して大型の体内臓器に定着し、通常の手法では事実上検出不能となります。感染から活性化までの期間は様々であり、実験では短くて38分、長くて8ヶ月と2週間という潜伏期間が示されています。
潜伏期間を過ぎるとSCP-1429実体は活性化し、感染した臓器に未知の過程によって一連の大規模な変異を引き起こします。臓器は遺伝的、形態的に変化し、独自の単純な身体構造と四肢を発達させて移動が可能となり、事実上独立した生物となります。これらの生物はSCP-1429-Bと分類されます。
SCP-1429-Bが死亡するまでSCP-1429はその内部に留まり、死亡後には短時間でその外部へと逃げ出します。実体は新たな宿主が与えられる限り繰り返し感染することが可能です。どの感染例も、他の感染例と同一の結果とはなりませんでした。
発見: 全SCP-1429実体は、米国中部での2ヶ月にわたる一連の感染事例により発見されました。合計で10名の民間人が10個体のSCP-1429の感染を受け、その後死亡しました。
プロトコルに従って標準的なメディア排除措置が行われ、事件に関する公共の知識は封じ込められました。さらに、民間人の犠牲者は回収され、偽装された遺体に置き換えられました。生存または死亡している野生のSCP-1429-B実体が取り出され、研究のために封じ込め下に置かれました。解剖時に、回収された各SCP-1429-B実体から、それぞれSCP-1429実体が回収されました。
犠牲者の履歴調査からは、最初の死者が発生する22日前に共同でスカイダイビング旅行が行われたことが明らかになりました。地球高層大気の調査に関わる提案は保留されています。
実験の要約: SCP-1429-B実体は85%の実験で、多くの場合皮膚を突き破ることによって宿主の体からの脱出に成功しました。12%の実験ではSCP-1429-Bは体内から抜け出せず、宿主の体内に致命的な損傷を与えました。残る3%の実験では、SCP-1429の位置と変異の性質から被験者の独特な反応が得られました。
選択された実験の要約が以下に編纂されています。この一覧は標準的な実験環境において遭遇したSCP-1429-B実体のみであり、野外から回収された実体は含まれていません。
実験番号 |
潜伏期間 |
影響を受けた臓器 |
結果 |
1429-B |
001 |
5日4時間3分 |
肝臓 |
臓器が激しく暴れ回ったことで宿主は痛みによって倒れました。臓器は変換が完全に終了する前に皮膚を引き裂いて胴体から脱出し、体内と体外に致命的な外傷を与えました。 |
1429-B-001は骨のない10本の同じ長さの脚と単純な消化管を備え、肝静脈は嘴のある口に置き換わっていました。実体は草食性水棲生物として淡水環境に生息することが可能でした。 |
002 |
19日19時間42分 |
小腸 |
宿主は突然の極度の吐気によって倒れ、腸の内容物を全て吐き出しました。被験者は腸が動き回り始めたことでショック状態に陥りました。解剖では、臓器が自身を血管や消化管から引き剥がしたことによる大きな傷跡が見られました。 |
1429-B-002は宿主の心停止による死後にその口から脱出しました。脱出時点で、実体の体側には数十対の筋肉質で葉状の鰭が成長しており、前端には歯の生えた環状の口が存在しました。後に、背面に沿って単純な眼と触覚も形成されました。実体は水陸両生で、高度に肉食性であることが判明しました。 |
004 |
8日1時間7分 |
右肺 |
宿主は体内で始まった内出血により左肺が血液で満たされたことで窒息死しました。解剖によって閉じ込められたSCP-1429-B実体が解放されました。 |
1429-B-004は解剖中に胸腔から脱出しました。実体はその表面を覆う単純な筋肉質の皮膜と、1対の繊細な皮膜のある翼を発達させており、限定的な跳躍力と滑空能力を示しました。それが胸腔から飛び出したことで驚いた検死官補佐によって、実体は偶発的に破壊されました。 |
005 |
28日2時間58分 |
心臓と循環器系 |
宿主は脳血流の突然の停止によって倒れました。実体が宿主から自身を切り離し、臍を介して脱出したことで胸腔には極度の損傷が与えられました。 |
1429-B-005は心臓と循環器系の大部分から構成されています。実体の太い動脈と静脈には、高度に分節した筋肉質の皮膜が存在しました。細い動脈と静脈は明らかに感覚器官となっていました。実体は捕食性で、下大静脈内部に小さな嘴と単純な消化管を発達させていました。狩りは待ち伏せによって行われ、自分自身を固定して獲物が逃げる前にその肉を引き裂きます。 |
007 |
22時間37分 |
舌 |
宿主は不明瞭な発声を始め、1429-Bが動き出すと舌を噛み切ることを試みました。宿主は残る変換を妨害しないよう鎮静されました。宿主はSCP-1429-B-007が分離したことによる失血で死亡しました。 |
宿主の与えた損傷により、1429-B-007の前半部分は完全に変換されませんでした。実体は骨のない4対の筋肉質の脚を持ちましたが、それ以上の変異は見られませんでした。 |
008 |
82日7時間 |
胃 |
宿主は異常に激しい腹痛を訴え、血液の嘔吐を始めた直後に失血により死亡しました。 |
1429-B-008は宿主の口から脱出しました。実体は複数の節のある筋肉質の腕と、全体に歯の並んだ複雑な下顎を持っていました。実体は肉食性で、研究のために保持されています。添付の写真を参照してください。 |
011 |
15日6時間11分 |
左眼 |
宿主は突然の失明と、彼女の眼の周辺の痛みを訴えました。4分以内に眼筋は顔面から切り離され、1429-B実体は頭蓋骨から脱出しました。この事象は宿主にとって致命的なものではありませんでした。 |
1429-B-011は2つの関節を持つ3本の脚を持ち、これは実体の後方から突き出していました。実体は48時間以内に乾燥し、死亡させられました。 |
015 |
13日6時間11分 |
神経系 |
宿主は(視聴覚双方に)幻覚と、存在しない四肢に対する幻肢痛を訴えました。幻覚の内容を明確に説明することはできませんでした。[データ編集済] |
宿主外への実体の脱出には補助が必要でした。 |